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2014年08月25日

ネット 賛否両論 アイスバケツチャレンジ 伝播力

おはようございます。
ecarです。

今日は

【ネット 賛否両論 アイスバケツチャレンジ 伝播力】

をお届けします



ネット上では賛否両論まで飛び出す「ALSアイスバケツチャレンジ」の伝播力

「寄付するか、
氷水をかぶるか」というチャリティ―活動が、
日本でも急速に広まっている。
有名人とネットの組み合わせが、
恐るべき伝播力を発揮。
ALSという難病の認知度向上には大きな役割を果たしているが、
少しだけ違和感を感じるのはなぜだろうか。



著名人の参加で 一気にブーム化

ソフトバンクの孫正義社長がバシャーン、
楽天の三木谷浩史社長がバシャーン、
マンチェスター・ユナイテッドの香川真司選手がバシャーン……。
著名な経営者や芸能人、
スポーツ選手などが、
バケツに入った氷水を頭からかぶるシーンを、
ネット上で目にした方も多いだろう。
この氷水かぶりのパフォーマンスは、
今や一種の流行にまでなってきた。

 

これ、
何をやっているかといえば、
「ALSバケツチャレンジ」
に参加しているのだ。
ALSバケツチャレンジとは、
ALS(筋委縮性側策硬化症)という難病に対する認知度をあげ、
患者と患者団体を支援するためのチャリティ(募金)活動である。

 

そのルールは「寄付するか、
氷水をかぶるか」。
米国の場合はALS患者らを支援するALS協会に100ドルを寄付するか、
氷水を被るかを選択する。もちろん氷水をかぶって、
寄付することもできる。
そしてこれに参加した人は、
次の3人を指名する。
こうして、
指名の連鎖が続いていく。

 

この7月末に米国で、
ALSで闘病中の元大学野球選手のピート・フレーツさんが行った取り組みが発端となり、
歌手のジャスティン・ティンバーレイク氏、
サッカー界のスーパースターでブラジル代表のネイマール選手、
Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏、
マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏などが氷水をかぶる姿がネット上に公開され、
この活動が国境を越えて一気に広まっている。

 

日本でも、ファンドレイジング
(資金集め)
サイトを運営するジャスト・ギビング・ジャパン
(代表理事・佐藤大吾氏)
とALSの支援に取り組むEND ALS
(創設者・藤田正裕氏)が共同で、
「ALSバケツチャレンジ」
を広める活動も開始している。
藤田氏は自身がALS患者でありながら、
マッキャンエリクソン社のプランニングディレクターを務めつつ、
END ALSの活動を行っている。
ちなみに両者が開設した特設サイトで寄付を受け付けており、
こちらはハードルをぐっと下げて500円から寄付ができる。



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両者が21日に東京タワー前で催したキャンペーンには、
元プロ野球選手の古田敦也氏、
作家の乙武洋匡氏、
楽天社長の三木谷浩史氏など多くの著名人が参加して、
頭から勢いよく氷水をかぶって見せた
(一方、詰めかけた多くの報道陣は会場のアスファルト熱もあって、
こちらは汗でびしょ濡れ状態だった)。

 

今やネット上には、
毎日、
だれが氷水をかぶり、
こう発言したという情報が溢れかえっており、
「芸能人の売名行為」、
「患者の本当の気持ちは伝わらない」
といった趣旨の批判も出てきている。



難病はALSだけではない 実は130種類も難病に指定

「ALSバケツチャレンジ」のブームが、示しているものはなんだろうか。

弁護士ドットコム編集長で、
ネットメディアに詳しい亀松太郎氏はその伝播力のすさまじさを指摘する。
その要因には、
まず氷水か、
寄付かという単純に
「おバカ」
ができる楽しさ、
さらに後継者を指名するという連鎖販売取引にも似た仕掛けが挙げられるだろう。
そこに社会的に影響力のある人々が加われば、
ネットを介して短時間で世界的に運動が広がっていくことを示した。
ちなみに選挙違反で問題となった医療法人・徳州会の徳田虎雄前理事長もALSで、
その認知向上に尽力したが、
今回ほど認知は広がらなかった。

 

一方で、
「何もせずただ批判するより、
ともかくも行動する人が評価されるべきだ」
ということは理解できても、
多くの人が言葉では言い表しがたい
「違和感」
を覚えるのはなぜだろうか。
これに明確な答えはない。
ここでは
「チャリティ活動を利用した売名行為の臭いを感じる」
といった、
ありきたりの批判ではなく、
議論の広がりと深さ、
運動の継続性という視点で考えてみたい。
それにはメディアの報道姿勢も大きく関連する。

 

「ALSバケツチャレンジ」によって、
ALSという難病に対する認知度は大きく高まった。
難病とは医学的な用語ではなく、
厚生労働省の用語では
「特定疾患」
という。
簡単に言えば、
原因が不明で、
治療法が確立されておらず、
患者本人や家族に介護や精神的な負担が大きい病気のことである。
実は、
厚労省が臨床調査研究分野の対象としている特定疾患は、
ALSを始めパーキンソン病など、
なんと130疾患もあるのだ。
「ALSバケツチャレンジ」
はこうした難病にも目を向けてもらう契機にもなりうるはずだ。



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そして、
こうした難病は患者にとっては深刻な状況をもたらす病でありながら、
患者数が少ないために新薬や治療法の開発がなかなか進まないという事情もある。
ALSの場合は、
世界で約12万人、
日本には9000人弱の患者がいるとみられる。
これに対して、
例えば、
生活習慣病の代表である糖尿病の患者は、
国内だけで237万人にも達する。
新薬の開発には100億円から1000億円かかると言われる中で、
製薬メーカーにすれば、
患者数の少ない
(市場場規模の小さい)
分野に、
多くの資金や開発者を投入することは難しい。
つまり、
市場原理に乗りにくいのだ。

 

多くの著名な経営者たちも、
「ALSバケツチャレンジ」
に参加している。
彼らは市場原理の中で、
知恵と勇気をふるって成功してきた人々だ。
企業に社会的責任があるとすれば、
市場原理に乗りにくいが、
社会的には深刻で解決が求められる問題に、
どう対処したらよいのか、
そこまで踏み込んで問題提起をしてほしい。
もちろん
「ALSバケツチャレンジ」
のような活動は、
その谷間を埋める一つの解であることは間違いない。
ただ多くの費用と継続的な取り組みが必要なケースにおいては、
寄付行為だけではまかないきれない。

 

そして、
議論が広がりと深まりを欠くのは、
だれが氷水を被ったか、
なんと言ったか、
という表面的な部分にばかり焦点を当てて報道するメディアの責任も大きい。
それこそ視聴者から
「本当におバカなのはあなたたち」
と言われてしまいそうである。



本日も、
最後までお読みいただきまして感謝いたします。
ありがとうございました。
それでは、
ごきげんよう!

ecar
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