2014年08月01日
<マルハニチロ>7カ月ぶり操業再開 監視カメラ172台に
<マルハニチロ>7カ月ぶり操業再開
監視カメラ172台に
冷凍食品への農薬混入事件があった群馬県大泉町の
マルハニチロ(旧アクリフーズ)群馬工場が1日、
7カ月ぶりに操業を再開した。
以前は5台だった工場内の監視カメラを30倍以上の172台に増やし、
各エリアの映像を事務所のモニターでチェックする厳重な監視体制を敷いた。
【マック業績にも影響か?】期限切れ肉使用の制限で
1日午前5時半ごろからクリームコロッケの製造ラインで殺菌作業や仕込みが始まり、
午前10時半ごろ、
包装された商品が完成した。
店頭に並ぶのは9月ごろになる見通し。
関沢信嘉工場長(50)は「従業員は操業再開の道筋が見えて以降、
前向きに準備を進めてきた。
消費者の皆様に安全安心な商品を届けたい」と話していた。
同工場は事件発覚後の昨年末から、
操業を停止していた。
マルハニチロHD:冷凍食品農薬混入
靴の甲にマラチオン
阿部容疑者、
腕カバーからも
マルハニチロホールディングス(HD)の子会社
「アクリフーズ」の群馬工場(群馬県大泉町)製の冷凍食品に農薬
「マラチオン」が混入した事件で、
偽計業務妨害容疑で逮捕された同工場の契約社員、
阿部利樹容疑者(49)が工場内で着用していた作業靴の甲と腕カバーの
2カ所からマラチオンが検出されていたことが、
捜査関係者への取材で分かった。
農薬入りの小さな容器を腕カバーにしのばせ、
混入する際に飛び散った農薬が靴に付着した可能性があり、
群馬県警は裏付けを進めている。
県警は工場従業員から作業靴などの任意提供を受け、
農薬付着の有無を調べている。
マラチオンが検出された食品の製造日時と勤務時間などから絞り込んだ
数十人分を優先的に鑑定したとみられる。
捜査関係者によると、
複数の靴から農薬成分は検出されたものの、
現時点でマラチオンは阿部容疑者以外の靴などからは検出されていないという。
阿部容疑者はピザの加工を担当。
アクリフーズによると、
機械洗浄など水を使う従業員以外には原則、
ひものない白い運動靴を貸与しており、
靴の工場外への持ち出しは禁止されている。
作業の前後には靴底を消毒するなどしているが、
甲は洗浄されていなかったとみられる。
腕カバーは手首から肘までをゆったりと覆う筒状のもので、
ずれないように両端にゴムが入っている。
加工など食材を扱う従業員らがつけており、
使い捨てだが、
毎日捨てるわけではない。
自宅への持ち帰りは禁じられているという。
阿部容疑者は、
昨年10月3〜7日、工場内で4回にわたり農薬を混入、
商品の回収や操業停止などを余儀なくさせたとして、
1月25日に逮捕された。
逮捕時は「覚えていない」と否認していたが、
同月29日に関与を認めた。
関係者によると、
阿部容疑者は「給与など待遇面に不満があった」と説明し、
「自宅にたまたまあった市販の農薬を使って1人でやった。
こんな大変なことになるとは思っていなかった」などと話しているという。
阿部容疑者の逮捕から1日で1週間。
県警は今後、
混入の具体的な手法や場所などについて追及する。
また、
マルハHDの検査では逮捕容疑以外にも6点の食品からマラチオンを検出しており、
阿部容疑者が混入させたとみて、
他の従業員からの聞き取りや勤務実態の精査などを進める。
マルハニチロHD:冷凍食品農薬混入
器物損壊で起訴
被告弁護団「香水瓶でスプレー」
マルハニチロホールディングス(HD)の子会社
「アクリフーズ」の群馬工場(群馬県大泉町)が
製造した冷凍食品に農薬「マラチオン」が混入された事件で、
前橋地検は7日、
同工場の契約社員、
阿部利樹容疑者(49)について、
商品を毀損(きそん)した器物損壊罪で起訴した。
阿部被告は当初、
会社業務への偽計業務妨害容疑で県警に逮捕されており、
地検は今後、
より刑の重い偽計業務妨害罪での立件も視野に捜査を継続するとしている。
起訴状などによると、
阿部被告は昨年10月3日から23日ごろ、
工場内で計9回にわたり、
冷凍食品に「マラチオン」を含む液体を吹きつけ、
ピザやコロッケなど12点(約3000円相当)を
食べられなくさせたなどとしている。
県警によると、
阿部被告はピザの加工ラインを担当。
地検は農薬をどのように混入したのかなど詳細について明らかにしなかった。
阿部被告は1月25日に偽計業務妨害容疑で逮捕されたが、
地検が2月16日に処分保留とし、
県警が器物損壊容疑で再逮捕した。
偽計業務妨害罪は、
企業などへのいたずら電話やネットでの犯罪予告にも適用され、
「業務」の認定範囲は幅広く解されている。
立件は具体的に業務がどのように侵害されたかを特定する必要があり、
慎重な判断が求められているとみられる。
「驚かせようと」
阿部被告の弁護団は7日、
前橋市で記者会見した。
阿部被告は起訴内容を認め、
「給料の引き下げがあり、
会社をびっくりさせてやろうと思った。
農薬の臭いがきつく検査で引っ掛かると思い、
流通するとは考えていなかった」
と話しているという。
弁護団によると、
阿部被告は農薬について、
自宅にあったものを香水のスプレー瓶に移し、
作業着の袖口や靴下の中などに隠して工場内へ持ち込んだと説明。
冷凍される前の製造ラインなどで、
休憩時間を利用して吹きつけたという。
マルハニチロHD:冷凍食品農薬混入
「疑うこと前提に対策」
第三者委が初会合
マルハニチロホールディングス(HD)は7日、
冷凍食品への農薬混入事件を受け、
有識者でつくる第三者検証委員会の初会合を東京都江東区の本社で開いた。
今後、
事件の検証や安全管理体制の問題点の洗い出し、
再発防止策のとりまとめなどを行う。
故意の異物混入を防ぐため、
「食品防御(フードディフェンス)」
の視点からの対策が強く求められる。
第三者委は、
奈良県立医科大学の今村知明教授を委員長とする6人で構成。
初会合では、
HDの系列子会社で事件の舞台となった
アクリフーズ群馬工場(群馬県大泉町)の
関係者ら7人からヒアリングを実施。
今後工場にも出向いて調査し、
4月上旬をめどに提言をまとめる予定だ。
群馬工場は、
食品安全管理の国際規格であるISO22000を取得し、
衛生面の基準をクリアしていた。
しかし、
作業場へ入る際のボディーチェックが甘かったり、
製造ラインに監視カメラが設置されていないなど、
悪意を持った従業員らによる異物混入への対策は不十分だった。
HDの子会社、
マルハニチロ食品の冷凍食品工場には
製造ラインを含め最大35台の監視カメラが設置されており、
グループ内で温度差もあった。
今村委員長は初会合後、
記者会見し
「日本の企業風土は、
善意や信頼関係で成り立っており、
食品防御への対策はまだまだ甘い」
と指摘。
「疑うことを前提に、
できる対策を少しでも進めるべきだ」と述べ、
食品防御の必要性を強調した。
2008年の中国製冷凍ギョーザ中毒事件を機に、
企業は食品防御への関心を高め、
対策を強化している。
問題の冷凍ギョーザを販売した
JTの子会社ジェイティフーズ(現テーブルマーク)は、
作業場での監視カメラの台数を増やし、
映像の保存期間を延長。
味の素冷凍食品は工場への入場に際し、
指紋認証制度や個人識別カードを導入してチェック体制を強化、
製造ラインを監視するカメラも増やした。
ただ、
従業員の持ち物検査などには限界もあり、
悪意のある混入を100%防ぐのは難しいのが現状だ。
万が一起きてしまった場合、
原因がすぐに分かる体制や、
被害が拡大しないための危機管理体制も必要となる。
KeyWord
食品防御(フードディフェンス)
計画的・意図的な異物混入から食品を守るための危機管理手段。
米国では2001年9月の米同時多発テロを受け
食品テロの懸念が指摘されるようになり、
米食品医薬品局(FDA)がガイドラインを設けるなど体制を整備した。
日本では08年1月に発覚した中国製冷凍ギョーザ事件で関心が高まり、
12年に厚生労働省の研究事業でガイドライン作りが進んだ。
「性悪説」に基づき、
工場の入退場管理・制限、
監視カメラの設置などから、
従業員教育まで幅広い対応が必要とされる。
予防だけでなく、
発生時の自主回収など被害を拡大させない対策も重要だ。
従来は衛生管理で食品の安全性を確保する
「食品安全(フードセーフティー)」
が重視されてきた。
ecar
監視カメラ172台に
冷凍食品への農薬混入事件があった群馬県大泉町の
マルハニチロ(旧アクリフーズ)群馬工場が1日、
7カ月ぶりに操業を再開した。
以前は5台だった工場内の監視カメラを30倍以上の172台に増やし、
各エリアの映像を事務所のモニターでチェックする厳重な監視体制を敷いた。
【マック業績にも影響か?】期限切れ肉使用の制限で
1日午前5時半ごろからクリームコロッケの製造ラインで殺菌作業や仕込みが始まり、
午前10時半ごろ、
包装された商品が完成した。
店頭に並ぶのは9月ごろになる見通し。
関沢信嘉工場長(50)は「従業員は操業再開の道筋が見えて以降、
前向きに準備を進めてきた。
消費者の皆様に安全安心な商品を届けたい」と話していた。
同工場は事件発覚後の昨年末から、
操業を停止していた。
マルハニチロHD:冷凍食品農薬混入
靴の甲にマラチオン
阿部容疑者、
腕カバーからも
マルハニチロホールディングス(HD)の子会社
「アクリフーズ」の群馬工場(群馬県大泉町)製の冷凍食品に農薬
「マラチオン」が混入した事件で、
偽計業務妨害容疑で逮捕された同工場の契約社員、
阿部利樹容疑者(49)が工場内で着用していた作業靴の甲と腕カバーの
2カ所からマラチオンが検出されていたことが、
捜査関係者への取材で分かった。
農薬入りの小さな容器を腕カバーにしのばせ、
混入する際に飛び散った農薬が靴に付着した可能性があり、
群馬県警は裏付けを進めている。
県警は工場従業員から作業靴などの任意提供を受け、
農薬付着の有無を調べている。
マラチオンが検出された食品の製造日時と勤務時間などから絞り込んだ
数十人分を優先的に鑑定したとみられる。
捜査関係者によると、
複数の靴から農薬成分は検出されたものの、
現時点でマラチオンは阿部容疑者以外の靴などからは検出されていないという。
阿部容疑者はピザの加工を担当。
アクリフーズによると、
機械洗浄など水を使う従業員以外には原則、
ひものない白い運動靴を貸与しており、
靴の工場外への持ち出しは禁止されている。
作業の前後には靴底を消毒するなどしているが、
甲は洗浄されていなかったとみられる。
腕カバーは手首から肘までをゆったりと覆う筒状のもので、
ずれないように両端にゴムが入っている。
加工など食材を扱う従業員らがつけており、
使い捨てだが、
毎日捨てるわけではない。
自宅への持ち帰りは禁じられているという。
阿部容疑者は、
昨年10月3〜7日、工場内で4回にわたり農薬を混入、
商品の回収や操業停止などを余儀なくさせたとして、
1月25日に逮捕された。
逮捕時は「覚えていない」と否認していたが、
同月29日に関与を認めた。
関係者によると、
阿部容疑者は「給与など待遇面に不満があった」と説明し、
「自宅にたまたまあった市販の農薬を使って1人でやった。
こんな大変なことになるとは思っていなかった」などと話しているという。
阿部容疑者の逮捕から1日で1週間。
県警は今後、
混入の具体的な手法や場所などについて追及する。
また、
マルハHDの検査では逮捕容疑以外にも6点の食品からマラチオンを検出しており、
阿部容疑者が混入させたとみて、
他の従業員からの聞き取りや勤務実態の精査などを進める。
マルハニチロHD:冷凍食品農薬混入
器物損壊で起訴
被告弁護団「香水瓶でスプレー」
マルハニチロホールディングス(HD)の子会社
「アクリフーズ」の群馬工場(群馬県大泉町)が
製造した冷凍食品に農薬「マラチオン」が混入された事件で、
前橋地検は7日、
同工場の契約社員、
阿部利樹容疑者(49)について、
商品を毀損(きそん)した器物損壊罪で起訴した。
阿部被告は当初、
会社業務への偽計業務妨害容疑で県警に逮捕されており、
地検は今後、
より刑の重い偽計業務妨害罪での立件も視野に捜査を継続するとしている。
起訴状などによると、
阿部被告は昨年10月3日から23日ごろ、
工場内で計9回にわたり、
冷凍食品に「マラチオン」を含む液体を吹きつけ、
ピザやコロッケなど12点(約3000円相当)を
食べられなくさせたなどとしている。
県警によると、
阿部被告はピザの加工ラインを担当。
地検は農薬をどのように混入したのかなど詳細について明らかにしなかった。
阿部被告は1月25日に偽計業務妨害容疑で逮捕されたが、
地検が2月16日に処分保留とし、
県警が器物損壊容疑で再逮捕した。
偽計業務妨害罪は、
企業などへのいたずら電話やネットでの犯罪予告にも適用され、
「業務」の認定範囲は幅広く解されている。
立件は具体的に業務がどのように侵害されたかを特定する必要があり、
慎重な判断が求められているとみられる。
「驚かせようと」
阿部被告の弁護団は7日、
前橋市で記者会見した。
阿部被告は起訴内容を認め、
「給料の引き下げがあり、
会社をびっくりさせてやろうと思った。
農薬の臭いがきつく検査で引っ掛かると思い、
流通するとは考えていなかった」
と話しているという。
弁護団によると、
阿部被告は農薬について、
自宅にあったものを香水のスプレー瓶に移し、
作業着の袖口や靴下の中などに隠して工場内へ持ち込んだと説明。
冷凍される前の製造ラインなどで、
休憩時間を利用して吹きつけたという。
マルハニチロHD:冷凍食品農薬混入
「疑うこと前提に対策」
第三者委が初会合
マルハニチロホールディングス(HD)は7日、
冷凍食品への農薬混入事件を受け、
有識者でつくる第三者検証委員会の初会合を東京都江東区の本社で開いた。
今後、
事件の検証や安全管理体制の問題点の洗い出し、
再発防止策のとりまとめなどを行う。
故意の異物混入を防ぐため、
「食品防御(フードディフェンス)」
の視点からの対策が強く求められる。
第三者委は、
奈良県立医科大学の今村知明教授を委員長とする6人で構成。
初会合では、
HDの系列子会社で事件の舞台となった
アクリフーズ群馬工場(群馬県大泉町)の
関係者ら7人からヒアリングを実施。
今後工場にも出向いて調査し、
4月上旬をめどに提言をまとめる予定だ。
群馬工場は、
食品安全管理の国際規格であるISO22000を取得し、
衛生面の基準をクリアしていた。
しかし、
作業場へ入る際のボディーチェックが甘かったり、
製造ラインに監視カメラが設置されていないなど、
悪意を持った従業員らによる異物混入への対策は不十分だった。
HDの子会社、
マルハニチロ食品の冷凍食品工場には
製造ラインを含め最大35台の監視カメラが設置されており、
グループ内で温度差もあった。
今村委員長は初会合後、
記者会見し
「日本の企業風土は、
善意や信頼関係で成り立っており、
食品防御への対策はまだまだ甘い」
と指摘。
「疑うことを前提に、
できる対策を少しでも進めるべきだ」と述べ、
食品防御の必要性を強調した。
2008年の中国製冷凍ギョーザ中毒事件を機に、
企業は食品防御への関心を高め、
対策を強化している。
問題の冷凍ギョーザを販売した
JTの子会社ジェイティフーズ(現テーブルマーク)は、
作業場での監視カメラの台数を増やし、
映像の保存期間を延長。
味の素冷凍食品は工場への入場に際し、
指紋認証制度や個人識別カードを導入してチェック体制を強化、
製造ラインを監視するカメラも増やした。
ただ、
従業員の持ち物検査などには限界もあり、
悪意のある混入を100%防ぐのは難しいのが現状だ。
万が一起きてしまった場合、
原因がすぐに分かる体制や、
被害が拡大しないための危機管理体制も必要となる。
KeyWord
食品防御(フードディフェンス)
計画的・意図的な異物混入から食品を守るための危機管理手段。
米国では2001年9月の米同時多発テロを受け
食品テロの懸念が指摘されるようになり、
米食品医薬品局(FDA)がガイドラインを設けるなど体制を整備した。
日本では08年1月に発覚した中国製冷凍ギョーザ事件で関心が高まり、
12年に厚生労働省の研究事業でガイドライン作りが進んだ。
「性悪説」に基づき、
工場の入退場管理・制限、
監視カメラの設置などから、
従業員教育まで幅広い対応が必要とされる。
予防だけでなく、
発生時の自主回収など被害を拡大させない対策も重要だ。
従来は衛生管理で食品の安全性を確保する
「食品安全(フードセーフティー)」
が重視されてきた。
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