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2019年10月05日

「集中しろ」の矛盾。サッカーは意識を分散させるスポーツ

子どもへの声掛けにおける言葉選びの重要性を語る、高椋浩史さんと村松尚登さん。身体の緊張を取りのぞくスペシャリストと水戸ホーリーホックの下部組織コーチであるおふたりに、意識を分散させることを求められるサッカーに適したコーチングとはなにか、じっくり語り合ってもらいました。




■「集中しろ」というコーチングの難しさ


高椋:「見ろ」や「首を振れ」のほかに「集中しろ」というコーチングもあるよね。この言葉も必要以上に身体を緊張させてしまうことが多い。「集中するな」とは言えないけど(笑)。意識を四方八方に広めていくような声かけをしていくのがいい。



村松:『集中』という言葉が意識を閉じることにつながってしまうのであれば、試合には集中しなければいけないけど、「試合全体への集中」と指導者が求めてる「意識の集中」は別のことかもしれない。「眺めろ」や「がんばるな」と同じ。「がんばるな」というのは、ディフェンスの時には「がんばれ!」、攻撃の時は「がんばるな!」がいいと思う。ボールを持ったときに「がんばり過ぎて身体が硬くなっているよ」と選手にわかりやすく伝えられる言葉の使い方だと思う。



高椋:『集中』の定義が違うのかもしれないね。たとえば「今日の試合でやることはなに?」、「なにやる?」っていうことがサッカーの試合で求められている集中かもしれない。自分たちのタスクを一つひとつ「今日はなにをやる?」、「今日はなにがテーマだっけ?」と確認する。村松が毎回どれくらいの課題を与えているか分からないけど、テーマを持って試合に臨んでいる。意図を明確にしていくことが『集中』なんじゃないかなと思う。




■子どもをボールに捉われないようにするために


村松:皮肉なことに、サッカーではボールが一番やっかいな要素になる。たとえば自由自在にボールを扱えるネイマールのような選手は、ボールがネガティブな要素にはならない。けど普通は、どうしてもボールを受けるときに、ボールに意識が引っ張られる。だから周囲の状況を意識しづらい。ボールに意識がいく結果として、身体には余計な緊張が加わってしまう。ジダンやイニエスタから余計な緊張は感じない。そのような身体の状態を保てるようにするためには、「ボールには集中しないけど、サッカーには集中する」という意識をもつ必要があるのかもしれない。




高椋:選手の観察眼を高めていくことはできるかもしれない。たとえば、グリッドの中に4人が入り、その回りを別の4人がテニスボールを持って囲む。外の選手は中の選手にテニスボールを当てる。中の選手はボールに当たらないように逃げる。全員がボールを持ってお互いにボールを当てるルールにしてもいい。投げるほうは、緩く投げても当たるくらいボーっとしているところを見つけて投げる。さらに、練習中もコーチがテニスボールを持ち「こいつボーっとしているな」と思ったら後ろからボールを当てる。そうすれば選手は、つねに意識を四方にもっていないとボールを当てられてしまう環境で練習できる。




■自分の身体の状態を子どもたちに知ってもらうために


高椋:身体を知るためになにができるか。それを子どもに考えさせるのは難しいかもしれない。



村松:「姿勢をよくしろ」とおれも言うけど、そうすると子どもは緊張で固まる。この間、ふざけて練習に使う大きなサイズのコーンをボールの代わりに頭に乗っけてバランスをとっている子どもがいた。練習試合中にベンチの後ろでやっていたから、さすがに「いまはやめておけ」と言ったけど(笑)。自分の身体の使い方を知るためにはありだよね。



高椋:いいんじゃないかな。



村松:ボールよりも重さがあるからか、コーンの形が丸ではなく三角だからか、ボールよりも重心を感じられるのかも。ボールの方が小さいし慣れている分、感じづらいのかもしれない。普段、頭に乗せないコーンだからこそ、慣れていないし重心の感覚がサッカーボールとは違うから身体感覚が養われるかもしれない。

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■大事な試合前にどんな声掛けをするべきか?


サカイク編集部:辻秀一先生というメンタルトレーナーがいます。彼はW杯で日本が負けたのも「W杯という場に捉われていたからだ」「『自分たちのサッカー』に捉われていたからだ」と話していました。プレッシャーのかかる大きな大会ではそういうことを意識させず、ただ試合だけに挑むようにコントロールするべきだし、しなければいけないと。どうやって選手の精神状態をフローの状態にもっていくかを研究されている方で、試合に入っていくときはなににも捉われずに、まず自分が置かれている状況を認識することが大事だと。そうすると自然に回りの状況も見えて、心がフローになっていくそうです。アプローチは違いますが、アレクサンダー・テクニークの「ボールを見るな」と近いのでは?




具体的なコーチングとしては、たとえば靴ひもがほどけてないのに「お前、靴ひもほどけてるぞ」と冗談を言って、意識を試合ではないところに向けてから、もう一回戻してあげる。そういうことが大事だって言ってました。



村松:「スタンドにかわいい子がいるよ」とかそういう話だよね。サッカーをプレーするためには、さまざまな状況に意識を分散させる必要があると感じている。すこし集中力が散漫なタイプのほうが、じつはサッカーが得意なのかもしれない。生真面目な選手はすぐに周りが見えなくなってしまう。




■『目的=ゴール』をつねに意識できる練習を


村松:それこそ高椋に聞きたいのが、少人数のグループに分けてのトレーニング。ボールタッチ数を多くしてプレー頻度を高くするために少人数でやるというメソッドがある。でも、これまでの話では、試合中はピッチ内の22人とそれが動いてできるスペースなどに、意識を分散させなければいけない。そうなると、少人数グループのトレーニングというのは逆効果になるのでは?少人数制のメリットは、プレーに関与する頻度が高いからつねに考えて動くことを強いられること。でも、そうすると意識は散漫にならない。意識が集中し過ぎてしまうことを防ぐ要素を、つねに入れながら少人数グループの練習をするべきなのかもしれない。意識を散漫にさせることは姿勢につながる、身体の緊張につながる。意識を散漫にすることが身体の弛緩につながる専門家のアドバイスがあれば、現場のコーチは取り入れやすい。



高椋:選手が意識を四方八方にもっていけるようになったときに、なにがプレーをオーガナイズしていくか。それは目的、つまりゴールだと思う。ゴールはつねにあった方がいい。意識が散漫になるのはいいけど、その中でどんな情報を収集すればいいのか。受け取った情報はゴールを奪うために必要なのか。それはゴールをつねに意図していればできるんじゃないかな。




村松:子どもに仲間のポジションを確認させたいときに「仲間はどこにいる?」、「パスコースはどこにある?」という声の掛け方でいいのか、それとも「相手がいないところを探せ」の方がいいのか。自分にファーストプレスを掛けてきているファーストディフェンダーとスペースをカバーするセカンドディフェンダーを認識できれば、必然的に「仲間が来てるかも?」とわかるのではないかな。




高椋:「眺める」ではダメなの? 相手味方を関係なく眺める。全部を眺める。ゴールはどことかっていうところだけがとっかかりじゃなくて、眺めた上で何かできないかな。眺めて全部入ってきたものをどう取捨選択していくかをトレーニングの積み重ねで高めていくほうがいいのではないかな。




■『動き』は周辺視野のほうがとらえやすい


村松:「眺めろ」はどんな状況でも理にかなってる? 情報量が多いから?



高椋:そう。ただ、眺めることで入ってくる情報を処理できるようになるまでには、たくさん失敗する。目の仕組みとして、『動き』は周辺視野の方が捉えやすいんだよね。直接視よりも周辺視野の方がより察知できる。だから、たとえばドリブルをしていてファーストディフェンダーと対峙しているときも、セカンドディフェンダーの体重移動は周辺視野で感じれらる。人間は、もともと狩りをしていました。獲物を探しながらも、いろいろなところから出没する害虫や害獣に反応する。意識を広げた方が結果として小さな変化にも気づきやすい。それは目の仕組みがそうだから。ちょっとしたバランスの変化も気づきやすい。

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