シエスタ読谷　沖縄サッカーＬＩＦＥ

J1では弱者だったクラブが、J2では強者の立場に。

　J1から降格したチームの多くは、“J2の洗礼”を浴びる。J1では弱者として1年間を過ごしたチームでも、J2では強者の立場になる。そんな元J1チームを“食ってやろう”とするJ2チームのモチベーションは、セカンドボールを拾う執拗さやガツガツとプレスをかける粘りに変わる。

　自陣を固め、ロングボールで攻撃する。その運動量は時に、技術や戦術の差を上回る迫力を生み出す。そういう格下の熱量をいなしながら勝ち点を積み重ねなければ、1シーズンでの昇格は難しい。選手層では他のクラブを圧倒していても、それを結果に結びつけることは簡単なことではないのだ。

　テンポよくショートパスを繋いで相手を圧倒しながらもシュートが決まらず、1本のFKを決められて敗れたコンサドーレ札幌との開幕戦。その後も先制しながら逃げ切れなかった試合が5試合あり、後半での失点が多いのは昨季同様だった。

湘南との試合で急遽採用された3バック。

　前田が負傷離脱した状態で始まった後半戦、出だしから磐田は1勝1分3敗と大きく躓いた。

　そして8月24日、首位湘南との直接対決でシャムスカはついに大きく動いた。システムを変更し、急造の3バックを採用したのだ。湘南のシュート13本に対し、磐田は3本と防戦一方の展開で、新加入のチンガのゴールで先制したものの、同点弾を許し最終スコアは1−1。粘り強く守りきったとも言えるが、ロングボールに頼るスタイルは、磐田のサッカーとは程遠いものだった。

　その後も3バックはチームに根付かず、栃木に敗れ、岡山と長崎にも引き分けに終わった。4位の北九州が勝ち点差1に迫り、がげっぷちに立たされたシャムスカは、32節の北九州戦からシステムを4バックに戻した。この試合、磐田は3−1と快勝を収めている。