2014年05月13日
ネガティブ思考を克復することで得られるポジティブ思考
岡崎選手について記載された面白い記事があったので掲載しておきます!
サッカー選手、それも日本代表クラスともなれば、多くの人にとってその思考法は自分の人生の参考にしたいはずだ。
例えばミランの本田圭佑は、どんな逆境をもポジティブに変換し、あるいはあえて大きなことを公言して自分にプレッシャーをかける。長友佑都は常に明るく、ポジティブに努力を続ける。もちろん、当人たちの陰の苦労は計り知れないものがある。しかしそうした選手たちの成功例や、巷あふれる自己啓発本からは、とにかくポジティブであること、大きな夢を持つこと、その夢からしっかり逆算していくこと、等々の素晴らしさが喧伝されている。
そんな中にあって、マインツの岡崎慎司が4月24日に上梓したばかりの著書『鈍足バンザイ!〜僕は足が遅かったからこそ、今がある。』(幻冬舎)は異質だ。サッカー選手として決して足が速くない、背が高くない、視野が狭い、人気もない、オシャレセンスもなければ、生え際も危うい(本人が著書の中で言っている)という、コンプレックスの塊である岡崎が、まさにそのすべてのネガティブ要素に「バンザイ!」しているのだ。
本書の中で岡崎はこう語る。
「スポーツの分野に限らず、ビジネスマンの間でもメンタルトレーニングは流行っているし、実際に効果もあると思う。その大半が、成功する自分、理想の自分をイメージして、そこに向かってポジティブに行動するもの。これまでお世話になってきた人たちからも、そうしたメンタルトレーニングに取り組んでみないかと誘っていただいた。でも、いつも丁重にお断りしてきた。自分には合いそうもなかったから。
(中略)僕は試合前にこんなことを考えている。
『試合、始まらんで欲しいなぁ……』
『相手のディフェンダー、ごっついやん』
怖い。試合が始まるのが怖い。プレッシャーを楽しむなんて、もってのほかだ。僕はプレッシャーに弱いタイプ。プレッシャーなんて大嫌い。決定機で外したらどうしよう。周りの人の期待に応えられなかったらどうしよう。そんな考えがアタマのなかをグルグル回っている。
(中略)結局、僕はものすごく臆病なのだ。だから、最悪の事態を想像して、気持ちをなえさせておく。つまり、自分へのハードルを下げておく。そこまでして、なんとか試合に臨む。自分が臆病だとわかっているからこそ、謙虚に戦える。一見、僕は熱血漢に思えるかもしれないけれど、かなり冷めた部分を持って戦っているのだ」
岡崎は26日のニュルンベルク戦で今季14得点目を決め、欧州主要リーグにおける日本人最多得点を更新した。その記録と試合での躍動を見ていると、とても試合前に怖がっている姿は想像できないが、その強さは自分の弱さを受け入れることから始まっている。
そうした姿勢は試合だけにとどまらない。「サッカーノート」の素晴らしさが叫ばれている現代に逆行するように、こんなことも明かしている。
「自分で定めた日課を守れない。昔からそうだ。朝は決まった時間に起きて、夜も同じ時間に布団に入ろう。そんな予定を立てたところで、2日と持たずに崩れてしまう。サッカー選手のなかには、日々の練習や試合で気づいたことを課題やノートに書いてまとめる人も多い。俊さん(中村俊輔)、ハセ(長谷部誠)、圭佑などもそうだ。
『サッカーノートをつけて、たまに見直すといいよ』
そうすすめられて僕も試したことはあるけれど、3カ月も続かなかった。それに、ノートに書く内容がほとんど同じことになってしまって……」
あるいは、“下手くそ”であることを自覚していた清水エスパルスのサテライト時代(岡崎は8番手のFWだった)には、大きな夢やハングリー精神を抱くどころか、「アタマのなかにあったのは、ただ先輩たちに『ほめられたい』という思いだけだった。志が低いのかもしれない。でも、本当にそれだけだった」とぶっちゃける。
本書のなかで岡崎は、そのコンプレックスのすべてを受け入れている。虚勢も張らないし、自分に嘘をつかない。バカにされても、人気がなくてもくよくよせず、いつも笑顔で、自分と向き合い続けるその様から、僕らが学べることは多いのではないだろうか。人は誰でも、どこかに弱さやコンプレックスを持っているのだ。本書を読んで、自分のコンプレックスにちょっとバンザイしてみよう。
サッカー選手、それも日本代表クラスともなれば、多くの人にとってその思考法は自分の人生の参考にしたいはずだ。
例えばミランの本田圭佑は、どんな逆境をもポジティブに変換し、あるいはあえて大きなことを公言して自分にプレッシャーをかける。長友佑都は常に明るく、ポジティブに努力を続ける。もちろん、当人たちの陰の苦労は計り知れないものがある。しかしそうした選手たちの成功例や、巷あふれる自己啓発本からは、とにかくポジティブであること、大きな夢を持つこと、その夢からしっかり逆算していくこと、等々の素晴らしさが喧伝されている。
そんな中にあって、マインツの岡崎慎司が4月24日に上梓したばかりの著書『鈍足バンザイ!〜僕は足が遅かったからこそ、今がある。』(幻冬舎)は異質だ。サッカー選手として決して足が速くない、背が高くない、視野が狭い、人気もない、オシャレセンスもなければ、生え際も危うい(本人が著書の中で言っている)という、コンプレックスの塊である岡崎が、まさにそのすべてのネガティブ要素に「バンザイ!」しているのだ。
本書の中で岡崎はこう語る。
「スポーツの分野に限らず、ビジネスマンの間でもメンタルトレーニングは流行っているし、実際に効果もあると思う。その大半が、成功する自分、理想の自分をイメージして、そこに向かってポジティブに行動するもの。これまでお世話になってきた人たちからも、そうしたメンタルトレーニングに取り組んでみないかと誘っていただいた。でも、いつも丁重にお断りしてきた。自分には合いそうもなかったから。
(中略)僕は試合前にこんなことを考えている。
『試合、始まらんで欲しいなぁ……』
『相手のディフェンダー、ごっついやん』
怖い。試合が始まるのが怖い。プレッシャーを楽しむなんて、もってのほかだ。僕はプレッシャーに弱いタイプ。プレッシャーなんて大嫌い。決定機で外したらどうしよう。周りの人の期待に応えられなかったらどうしよう。そんな考えがアタマのなかをグルグル回っている。
(中略)結局、僕はものすごく臆病なのだ。だから、最悪の事態を想像して、気持ちをなえさせておく。つまり、自分へのハードルを下げておく。そこまでして、なんとか試合に臨む。自分が臆病だとわかっているからこそ、謙虚に戦える。一見、僕は熱血漢に思えるかもしれないけれど、かなり冷めた部分を持って戦っているのだ」
岡崎は26日のニュルンベルク戦で今季14得点目を決め、欧州主要リーグにおける日本人最多得点を更新した。その記録と試合での躍動を見ていると、とても試合前に怖がっている姿は想像できないが、その強さは自分の弱さを受け入れることから始まっている。
そうした姿勢は試合だけにとどまらない。「サッカーノート」の素晴らしさが叫ばれている現代に逆行するように、こんなことも明かしている。
「自分で定めた日課を守れない。昔からそうだ。朝は決まった時間に起きて、夜も同じ時間に布団に入ろう。そんな予定を立てたところで、2日と持たずに崩れてしまう。サッカー選手のなかには、日々の練習や試合で気づいたことを課題やノートに書いてまとめる人も多い。俊さん(中村俊輔)、ハセ(長谷部誠)、圭佑などもそうだ。
『サッカーノートをつけて、たまに見直すといいよ』
そうすすめられて僕も試したことはあるけれど、3カ月も続かなかった。それに、ノートに書く内容がほとんど同じことになってしまって……」
あるいは、“下手くそ”であることを自覚していた清水エスパルスのサテライト時代(岡崎は8番手のFWだった)には、大きな夢やハングリー精神を抱くどころか、「アタマのなかにあったのは、ただ先輩たちに『ほめられたい』という思いだけだった。志が低いのかもしれない。でも、本当にそれだけだった」とぶっちゃける。
本書のなかで岡崎は、そのコンプレックスのすべてを受け入れている。虚勢も張らないし、自分に嘘をつかない。バカにされても、人気がなくてもくよくよせず、いつも笑顔で、自分と向き合い続けるその様から、僕らが学べることは多いのではないだろうか。人は誰でも、どこかに弱さやコンプレックスを持っているのだ。本書を読んで、自分のコンプレックスにちょっとバンザイしてみよう。
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