40代daiさんの、B級グルメを家庭で楽しもう

　ノリにご飯と具材をのせて包む「おにぎらず」人気にあやかり、明石市や兵庫県漁業協同組合連合会（県漁連）などが地元産ノリのＰＲに力を入れている。兵庫産ノリは全国２位の生産量を誇るが、知名度はまだまだ。おにぎらずの作り方イベントを開いたり、専用ノリを販売したりと、ブームを追い風に消費拡大を狙う。（金山成美）


　おにぎらずは、ラップの上にノリを置き、具を挟むようにご飯をのせ、四隅からノリで包む。ご飯をにぎる「おにぎり」に対し、にぎらないことからその名が付いた。

　半分に切ると見た目も華やかで、さまざまな具材を楽しめることが人気の理由。昨秋ごろからインターネット上の料理レシピ投稿サイトなどで注目されるようになった。

　このブームに目を付けたのが、県内生産の４割を占める明石のノリ業界だ。明石ノリは堅さもしっかりしていて、パリッとした歯切れの良さ、香りやうま味が特徴だが、認知度はタイやタコに比べて低かった。

　そこで今年１月、明石市漁業組合連合会とＪＡあかしが中心となって、ノリと米のコラボレーションをテーマにしたイベントを明石で開催。おにぎらず体験会も行った。

　同市農水産課は「体験後にノリを購入した人も多く、食べ方を提案すれば消費者に強く訴えられると感じた」と“おにぎらず効果”に手応えを得た様子。今後もイベントなどを通し、魅力を伝えるという。

　県漁連も７月、食がテーマのイタリア・ミラノ国際博覧会（万博）で兵庫ノリを紹介。「生ハムとチーズと生バジル」「サーモンと卵焼き」−の２種類のおにぎらずを実演し、好評を博した。

　業界は勢いづく。

　ノリ加工販売会社の「鍵庄」（明石市貴崎３）は今夏、おにぎらず専用ノリの試験販売を始めた。一番搾りごま油と淡路産の藻塩をまぶした全形サイズ（２１センチ×１９センチ）の「しおのり」（１０枚５８３円）で、「ごま油によってラップに張り付かず作りやすい。ノリそのもののおいしさを感じられる」と同社。好調な売れ行きで、今冬から本格的に売り出すことを決めた。

　また、県漁連も今夏から、焼き、味、塩粒の３種類のおにぎらず用ノリ（全形サイズ、いずれも１０枚４００円）を販売。「兵庫のノリは水分に強いので、時間がたってもおいしく食べられる。おにぎらずにもぴったり」とＰＲしている。

　鍵庄ＴＥＬ０７８・９４５・５３５３、県漁連ＴＥＬ０７８・９１７・４１３７