最近読んだおすすめの本。
『世界から猫が消えたなら』エッセイでも哲学でも自己啓発本でもありません。
小説です。
ファンタジー小説。
猫が主役でもないです。
主人公は30歳の余命わずかな男の人です。
世界から何かを消すかわりに寿命を1日手に入れることができる。それは悪魔との取引。
何を消すかは自分では決められない。
命と引き換えに何かがどんどん消えていってしまう。
NO MUSIC NO LIFEっていうCDショップのキャッチコピーがあるけど。
NO ○○ NO LIFE ○○に入るものって人それぞれですよね。
音楽が消えても、人は実際に死ぬわけではないのだから。
それぐらい音楽を人生の1部として必要としてる人もいれば。
消えてしまっても気づかないぐらいどーでもいいと思ってる人もいる。
お金・水・食べ物みたいに生死に関わるもの。
ライフライン・時計・電話・交通機関・パソコンみたいに便利なもの。もはや生活必需品。
これらなら消えたら困る、不便、大変ってほとんどの人が思うと思います。
でも。
音楽・映画・スポーツ・ゲーム・本。などなど・・・
人によっては。
スイーツかもしれない。動物かもしれない。ファッションかもしれない。
趣味とか娯楽とかに当たるもの。
誰かが寿命と引き換えに消すかもしれないたくさんのものに
人間は楽しみや生きがいを見出して生きている。
もっともっと小さなことでも。
あったかいコーヒー。お風呂上がりのアイス。期間限定のハンバーガー。
とかね。
意識しないと気づかないかもしれない。
あたりまえにある小さな幸せ。
これらが日常には散りばめられている。
ちょっと話はずれるけど。(かなり)
わたしは子供の頃。
欲しくて欲しくてたまらないおもちゃやゲームがあった。
誕生日やクリスマスが来るまで毎日あと何日って数えて楽しみにしてたぐらい。
でも。
手に入れてしまうと。時が過ぎれば飽きて。使わなくなって。
今はどこにいってしまったかもわからない。
実家にあるかもしれないし。捨てられてしまったかもしれない。
もう気にすることもない存在になってしまった。(なんかトイストーリーみたいだww)
あんなに欲しくて大事でたまらなかったのに。
自分で気づかないうちに必要な存在じゃなくなっていたのだからなおさら怖い。
人生はそれの繰り返し。
大人になっても失くしてしまったもの・気づかなくなったものはいくつもある。
人間って残酷かもしれない。(わたしってひどい)
話を戻すと。。
あってもなくてもいいものだらけの世界。
大事なものは案外気づかないうちに消えてしまっているのかもしれない。
何かを得るためには何かを失う。
でも失ってからその大切さに気が付く。
もちろん。
大切な人たちとの別れが1番つらいです。。。。
そんな時はこの本を読んでほしいです。
お母さんが主人公(息子)に宛てた手紙が素敵なのです。
ぼろぼろ泣いてしまいます。
こんなお母さんになりたい。
この本に出会えてよかった。
ファンタジーなのにリアルで。
わかるわかるって笑えたりする部分もあれば。ボロボロ泣いてしまうところもあり。
自分だったら?って考えることも。あぁ。想像することって大事だなぁ。
文章がうまくてスラスラ読めます。
思い悩んだ時。
傷ついたり。誰かを傷つけてしまった時。
後悔した時。
ママになった時。
悲しい別れがあった時。
ちょっと立ち止まる瞬間に。
繰り返しこのお話、このお手紙を読むと思います。
すーっと心が晴れたり。
救われる気がするから。
これを読んだら誰かの顔が思い浮かぶかもしれない。
メールしてみよう。
電話してみよう。
手紙を書いてみよう。
会いたくなる。 きっと。
わたしには
まだ。
もの・時間を大事にするチャンスがある。
大切な人にも会えるし。感謝の気持ちや想いを伝えるチャンスがあるのだから。
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