2020年01月27日
論文の再現可能性
心理学実験の再現可能性
数年前に科学論文の捏造が社会的関心を得ていたが、再現可能性の有無は重要と考えられる。
最近ラジオを聴いているときに「心理学実験はほとんど再現性がない」ということが語られており、実際のところどうなっているのかが気になり調べてみた。
記事によると、心理学全般の再現性が39%しかない(※1)と言われている。
再現性の低い要因として次の要因があげられている。
再現可能性の低い要因
以下の要因が心理学の再現可能性の低さとして考えられている(※2)。
@ 実験が間違っている
・実験の測定手続きに信頼性がない
・データの統計分析に問題がある
A 実験はあっている
・実験方法が詳しく書かれていない
B 潜在変数がある
・実験者と被験者の関係性など、実験状況で変化
C 実験の再起確率が低い
・(潜在変数とは異なり)現象自体が再現しにくい
※潜在変数の場合は、要員を突き止めれば、再現性がある現象。
D 再現性と妥当性
・実験自体が妥当でない場合も考えられる。
どの科学分野においても、@/A/Dは慎重に定義する必要のある内容と考える。
心理学では、被験者の思想によって、大きく変わるためB/Cが他の科学分野と比較すると再現可能性を低くしている要因なのかもしれない。
まとめ
ヒトが被験者であるために、論文と同じ条件で実験を行うことは難しいことは理解できる。
しかし、再現可能性の低い心理学論文の結果から何を語ることができるのか。疑問が残ってしまう。
参考
(※1. Estimating the reproducibility of psychological science. Science, 349,
aac4716)
(※2. 心理学のデータと再現可能性[Japanese Psychological Review 2016 vol.59 No.1 98-107])
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