コンバージョン
コンバージョン(conversion)という言葉があります。Webサイトやブログなどから、商品購入や会員登録などの成果が出ることをいいます。
基本的には販売や入会を目的とした商用サイトの用語だと思いますが、商用を目的としない一般ブログにもコンバージョンはあるのではないでしょうか。つまり、顧客満足度という意味合いの指標として成り立つと思うのです。
コンバージョンレートとページの長さは無関係
たとえば、JavaScriptで関数の仕様を知りたい時にその関数名で検索します。知りたいのは、その関数が「どういう引数を与える関数」で「どういう結果をもたらすか」です。検索結果の上位に表示されるページは必ずしも長くはないですが、その関数のフォーマットと、適切な例文が書かれています。検索する立場で言えば、それで充分なので、ページの長さに関係なく有用です。実際に3行から5行程度しかなくても、非常に役立つページは数多くあります。
こういう場合、そのページは顧客(読者)満足度として高い成果(コンバージョン)をあげていると言えないでしょうか。
逆に長いだけで、役に立たない記事というのもあります。例えばLinuxのソースをコンパイルしている時にエラーが出たので、コンパイルを通すために何をしたらいいかを検索したとします。検索キーワードは、エラーコードと、エラーメッセージです。
検索結果のページを開くと、コンパイル時のログが長々と表示され「こうやったらエラーだったので、オプションに◯◯を追加してみる」等と書かれ、またログが延々と書かれていたりします。挙句、最後に「このようなエラーが出てうまく行きませんでした」と結ばれているブログなど実際にあります。せめて成功していないのなら、最初にそう明記してくれればいいものを、延々と付き合わされた後で、何も得られなかったという場合、そのブログは二度と見たいという気になりません。
この場合は、コンバージョンレートが低いブログと言えるのではないでしょうか。少なくとも結論が最初に書かれていないブログというのは、読みづらいですし、結果として最後まで有用な情報がなかった場合のガッカリ感というのはダメージが増幅されて大きくなると思います。
一般ブログにおいて、読者が満足するページというのが、コンバージョンレートの高いページ、読者が満足しないのはコンバージョンレートが低いページだと思います。
読者が満足するページは、そのブログの固定読者となる場合があり、商用サイトにおける「会員登録」と同じ成果をあげていると言えないでしょうか。逆に、読者が満足しないページではコンバージョン率は低く、読者獲得という成果がないブログになります。
読者の満足度はキーワードに依存する
先の例で言えば、JavaScriptに興味を持つ者にとって有用なページでも、JavaScriptに興味がない者には無意味なページとなります。それは仕方のないことで、すべての人間を満足させる記事など、まず存在しないのではないでしょうか。
すべての人間が満足しないのであれば、コンバージョン、言い換えれば読者満足度をあげるには、その読者が知りたいことを書くしかありません。そのためにはキーワード検索にマッチした記事を提供する必要があります。
たとえば、「アニメ」というキーワードで検索した結果、表示されたページに「美容」のことが延々と書かれていたら、読者は満足出来ません。たとえそれが、「美容」に関していかに役立つサイトであったとしても関係ありません。ニーズに合わない記事はコンバージョンが低いのです。
そして、コンバージョンというのは、読者のレベルと記事のレベルの程度も関係します。先ほどのJavaScriptの記事は、上級者には役立つ内容であっても、初心者には無意味かもしれません。おもしろいダジャレを「英語」で言っても「英語」が分からなければ面白くないのと一緒です。
だから読者は選ばなければいけない
そういう意味では、キーワードで釣ってアクセスを稼いでも、結果としてのコンバージョンは低くなると思います。大切なのは、その記事を必要としてくれる読者に、その記事を提供する事です。
「読者を選ぶ」という表現は失礼な言い方ですが、興味のない読者を集めても無意味です。興味をもってくれる読者が集まらない限り、そのブログは成功しません。
例えば、あちらこちらのブログにコメントを残して、読者を自身のブログに誘導しても無駄です。そうやって人を集めても、ある人の興味は「植物」、またある人の興味は「料理」、別の人の好きなのは「スポーツ」というような読者層の中で「ゲーム」の記事を書いて興味を持ってもらえるでしょうか。それでは、とてもコンバージョンの低いブログになります。
仮に「ゲーム」の記事として優秀でも興味を持つ読者が読んでくれなければ無意味。誰も興味を持ってくれないというのは、誰もいない森の中で大きな隕石が落下したようなものです。誰も気づいてくれなければ、歴史には残らないのではないでしょうか。
例えば、あるブログの記事で「このサイトがオススメです。しかも今なら、このサイトに参加すればポイントがもらえます」という記事があったとします。その記事の読者からのコメントの大部分が、その「サイト」の事ではなく「ポイント」の事であったなら、その記事はまったくもって無意味なものになるでしょう。本題である「好きなサイト紹介」には誰も見向きもしてくれず、補足である「ポイント」にしか興味を持ってもらえないとしたら不幸な事です。
記事に関係ないコメントが多くつく場合、ブログと読者がマッチしていない事になります。当然、読者満足度も低いでしょう。
興味のない人に興味を持たせるのは非常に難しいです。余程の情熱と文章力があれば可能でしょうが、まずは興味のある人に注目される位のブログになる方が簡単です。
アフィリエイトのコンバージョンにもっとも有効なのはキーワード
興味のない読者に興味を持たせるのは難しいですが、それをやろうとしているのが、いわゆる「情報商材」記事です。なぜでしょうか。それは、キーワード検索で人が来ないからです。
情報商材屋は、あらゆるブログにコメントを残し、読者を誘導します。何故かというと、検索されないから自分からアプローチする以外にアクセスを集められないのです。その証拠に、あなたの知っている「情報商材」の商品名をあげてください。何か思いつきますか。思いつかないのではないですか。
アフィリエイトで成果をあげる一番の方法は、それを欲しがっている人に、どこにあるかを教えてあげることです。
事実、このブログに限定すれば、今年4月1日から4月30日までの間で10個以上売れた品物は3つですが、全部そのものズバリの商品名で検索されています。
繰り返しますが、興味のない人に興味を持たせるのは非常に難しいです。コンバージョンをあげるためには、まず最初に興味のある人が読みに来てくれるブログになる事です。