先月解禁されたホタルイカの水揚げが好調で、昨年に比べ3倍に増えているそうです。
その結果、今年はお値段もお手頃で、ボイルしたホタルイカの卸値は去年に比べて半値近い水準とのこと。時事ドットコムのニュースによると約400グラムのトレー1枚当たり500円前後の価格で取引されています。
時事ドットコムの記事「ホタルイカがお手頃=富山湾で好調な水揚げ」
[通販]肝臓にやさしいおつまみ! 「富山湾の神秘」 ホタルイカ(お刺身)…たっぶり3人前
ホタルイカのわたに肝脂質を減らす成分があった
その「ホタルイカ」の内臓に、肝脂質を減らす成分が含まれていることがわかりました。詳しいことは5月24日から名古屋大学で開かれる日本栄養・食糧学会で発表されるそうです。
情報ソース:Yahoo!Japanニュース「ホタルイカで肝脂質低減=わたに有効成分―富山短大など」
このデータは、富山短期大学の竹内弘幸教授が、香川大学農学部、富山県食品研究所と共同で行なった動物実験で確認されました。乾燥粉末にしたホタルイカのわたを餌に混ぜてラットに2週間与えたところ、通常の餌を食べたラットと比べて肝脂質が約25%減少したそうです。
スルメイカのわたでも同じ実験をしたところ、同様に肝脂質の減少が確認されたということなので「イカのわた」に肝脂質を減らす成分があるようです。
ところで「肝脂質」とは何でしょうか。これが増えると「脂肪肝」という状態になります。
皮下や内臓に中性脂肪がたまると肥満になりますが、肝臓にたまると脂肪肝になります。つまり、脂肪肝とは、肝臓がフォアグラのような状態になったといえば、わかりやすいかもしれません。健康な肝臓でも3〜5%の脂肪を含んでいますが、5%を超えた場合を脂肪肝といいます。
CTによって撮影された脂肪肝
「Wikipedia」より
「Wikipedia」によると実は、ガチョウや鴨の肝臓を強制肥育によって肥大化させた高級食材「フォアグラ」も脂肪肝なんだそうです。
問題なのは、この脂肪肝には自覚症状がないことで、気づかずに放っておくと動脈硬化を始めとする、さまざまな生活習慣病を引き起こす恐れがあります。
改善するためには脂肪分を減らすダイエットが基本ですが、タウリンを含む食品を食べることも良いそうです。今回の実験では、さらに有効な食品として「イカのわた」が見つかったわけです。
肝臓に脂質が過剰にたまる脂肪肝の人は国内で1000万人を超えると言われていますから、子供を含む日本の全国民の10数人にひとりはそうであると言えます。竹内教授らのグループは今後、人への効果を確認する実験や有効成分の特定を目指して研究を続けてくれます。