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日曜新潟〜第16回アイビスSD(GV)

開幕週までの数日、猛暑が予想される新潟地方、この時期少し天気が崩れることもあるが、今年は久々に猛烈な時計で決着する可能性も期待される直線競馬のアイビスSDである。

馬場にストレスがなく、単純な時計勝負になるとき、気性に鋭いところがあるとされる牝馬や、押さえが利かないことが主な理由で去勢されることが多い騙馬など、「ついていない馬」が台頭する。特に牝馬は、夏の時期に代謝が高まることで絶対的なスピード値で決着するレースをより好む印象がある。まさに「夏は牝馬」である。

このレースも毎年判で押したように牝馬や騙馬が好走する。牡馬の能力が足りないというより、たとえばロードカナロア・・・はさすがに別格としても、この後すぐにやってくるスプリントGTで十分やれる力がある牡馬が、牝馬が好走する確率が高いレースを使う意味がないのである。

だからこのレースは、牝馬が圧倒的に強い。そして、少しでもスピードが生きる、馬場の外寄りを通ってきた馬が有利なのである。これは毎年の傾向だが、今年はそれがことさら顕著になる可能性が大きい。

昨年圧倒的な強さでこのレースを勝ったベルカント(父サクラバクシンオー)はどうか。昨年より1kg重い別定55kgは仕方がないとして、問題は相手関係である。今年のほうがレベルは高いとしても、夏のGVだからそこまで急激にレベルが上がるわけではない。上でも触れたように、力のある牡馬がここをわざわざ使ってこないことがやっぱり大きい・・・ロジック上はどうしても圧倒的人気のベルカントが有利であるように感じられてしまう。悔しいけれど。

ただし、馬場差は多少あるが、昨年のベルカントの勝ち時計54秒1は、歴代のこのレースでは、もちろん遅いことはないが、決して速いほうではない。今年はおそらく昨年以上の時計がマークされるのではないかと思われるフシはいろいろとある。

良馬場の千直で3勝を挙げている芦毛のブライトチェリー(父マイネルラヴ)に注目している。前走も新潟千直で3着と好走したが、しかしこのときは重馬場で、ブライトチェリーのスピードが十分に生かされなかった可能性がある。このコースでは今回人気しているプリンセスムーン(父アドマイヤムーン)を2着に負かした経験がある。そのプリンセスムーンやベルカントよりも外寄りを走れそうなのも好材料。

新潟は誰もが知る「平坦コース」ではあるけれど、札幌と並んでほぼまっ平らな超フラットコースとして知られる。しかもあの高速馬場である。かなり特殊なコースである。ここ数戦の凡走続きで人気を落とすなら、新潟千直だけは走るブライトチェリーがアッと言わせるシーンに期待できるはず。

相手はフジキセキ産駒の男馬、550kgを超える巨漢のローズミラクル。前回プリンセスムーン、そして今回も穴人気しそうなネロ(父ヨハネスブルグ)に続く3着と好走した。前回よりも2kg重くなるが、この巨漢馬にはほぼ関係ない増量だろう。

前走は初の千直で、前半少し戸惑っていた印象。今回は前回に続いてこのコースだから、おそらく陣営ははじめからここを狙っていたかの印象もある。ベルカントはさすがに強いとは思うが、時計勝負になったとき、ベルカントを負かす可能性はローズミラクルが一番高いのではないかという気もする。

当然プリンセスムーンと、前回よりも斤量が軽くなって再び外枠のネロは軽視不可だが、明らかに格下の両馬が人気になるなら、GTの経験も豊富なベテランのアースソニック(父クロフネ)のほうにむしろ期待したい。気にせずしゃにむに追う石橋騎手には手が合うと思う。

あとは意外とスピードありそうなファンデルワールス、当然人気のアットウィルあたりまで手を広げたい。夕立の影響などで水分を含んだような時計になっていたら、最内でもヤマニンプチガトーは評価を上げたい。


◎ ブライトチェリー
〇 ローズミラクル
▲ ベルカント
△ アースソニック、プリンセスムーン、ネロ、ファンデルワールス、アットウィル
重注 ヤマニンプチガトー

日曜中京〜第64回トヨタ賞中京記念(GV)

サマーシリーズはどの距離でもかなりの難解レースになることが多いが、その中でも特筆してもよいレベルで毎年難解になるのが、今週の中京記念である。フラガラッハが出ていないという以外は今年も相変わらずかなりの難解レースになりそう。

中京記念自体は、ちょうど梅雨明けの時期にあたり、そこまで雨のイメージはないが、しかし全体的にパワーを要する中京コースの最終週だけに、その前の週までの馬場へのダメージがかなり大きくなることが多く、そういう条件でこそ好走できるフラガラッハのタイプを探す必要がある。

おそらくハンデも含め条件面で圧倒的に優位なのが54kgトウショウドラフタ(父アンライバルド)だろう。母方のジェイドロバリーからのタフな血がトウショウドラフタに大きな影響を与えている印象もあり、この時期の中京なら信頼できるはず。個人的にも、人気ながらこの馬の評価を下げるわけにはいかないと考えている。

とすると、やはり穴屋のスタンスとしては、「トウショウドラフタを負かせる馬を探せ!」がテーマになる。コースを考えると、できるだけ外枠の馬を狙いたい。

個人的には前々から将来性に期待していた56kgケントオー(父ダンスインザダーク)のここに来ての充実に注目している。前走阪神のオープン米子Sは、かなりの重い馬場で行われ、馬場適性を十分に生かした内容で圧勝。まあ中途半端な時期だからそのくらいで即重賞に通用するほど競馬は甘くないが、しかしこのレース、ケントオーから遅れること4馬身の2着だったのが、道悪実績十分、そしてGTでも連対経験があるクイーンズリングだったのだから驚いた。

確かにクイーンズリングもこの時期のレースだけに、万全に仕上げられることはなかったが、しかし陣営からすれば、それでも十分勝てるだけの力の開きがあると踏んでの出走だった。その青写真を完全にぶち壊したケントオーの走りは、確かにそれだけの内容だった。

折り合いに進境が見られて、トウカイテイオーの肌にダンスインザダークという血統が示すように、距離への融通も徐々に利くようになってきている。正直、トウショウドラフタはこの条件ならかなり強いと思うが、今のケントオーならこれを負かすチャンスは十分あると思う。今回はケントオーに期待する。

中京記念だから、何が飛んできても不思議ないレースだけに、一発大穴にも期待したい。そこで抜擢したいのが、牝馬のダンスアミーガ(父サクラバクシンオー)である。サクラバクシンオー産駒なのに1200mでのレース経験が一度もないというのが少々不思議だが、しかし祖母は名牝ダンスパートナー(菊花賞馬ダンスインザダークの姉)であり、母の父はエルコンドルパサーということで、なるほどスプリンターではない。

どうしてこんな配合なのかと不思議に思われるかもしれないが、さすがに母系の血(ニジンスキー×サドラーズウェルズ)が重すぎるだけに、それならば快速サクラバクシンオーのスピードを注ぐことを狙った配合なのだろう。マイル実績は十分。しかし新潟を除けば時計勝負には向かない。この時期、しかも坂のあるコースだからこそダンスアミーガは狙える。

中京記念だから手広く押さえなければならないが、筆頭は武豊騎手に乗り替わってきたダノンリバティ(父キングカメハメハ)、この馬もダートで走るくらいだから決して快速マイラーのタイプではない。時計がかかると浮上の目は大きくなるし、何よりこういう大混戦のレースで後方に控えたときの武豊騎手の追い込みは期待が高まる。ゴール前猛然と突っ込んでくるシーンもあるかもしれない。

次いでダッシングブレイズは当然として、内枠勢では馬場を気にしなさそうなステイゴールド産駒マイネルアウラート、そして小牧騎手との相性抜群のピークトラム、53kgで左回りなら可能性あるカレンケカリーナ、前走米子Sから1kg軽くなって福永騎手に乗り替わる超良血ガリバルディまでは押さえておきたい。余裕があれば、中京大得意のアルマディヴァンまで押さえてもいいかもしれない。

荒れる中京記念だけに、どうせ荒れるなら今年も盛大にやってもらいたい!


◎ ケントオー
○ トウショウドラフタ
▲ ダンスアミーガ
△ ダノンリバティ、ダッシングブレイズ、カレンケカリーナ、マイネルアウラート、ピークトラム

日曜函館〜第52回農林水産省賞典函館記念(GV)

例年通り、今年も巴賞組が基準になる。というよりも、圧勝したレッドレイヴン(父スマートストライク)を負かすことができる組にチャンスが巡ってくる組み合わせ。

前走池添騎手に乗り替わって突然目醒めたかのように圧勝してみせたレッドレイヴンは、脚質的にも池添騎手の柔らかいアタリや函館の小回りコースが合っている印象がある。そして、こちらも力強さがひしひしと伝わってきたバイガエシ(父ジャングルポケット)も函館の重い馬場ならオープンでやれて不思議ない脚力があった。

ただ、これら人気2頭を荒れる函館記念で買うのは逆の意味で勇気が必要で、しかもレッドレイヴンは「オープン大将」というイメージで重賞ではどうしても足りず、バイガエシに関しては、実質まだ準オープに身を置く存在である。名前的にも前走勝ってしまったのはちょっとまずい。

小回りだけに、器用に立ち回れる馬が有利であることは間違いない。ただし、それは夏のローカル・ハンデ戦という特殊な条件が加味されなければ意味を持たない傾向であって、それはつまり、函館や福島、かつての中京などは、とにかくリピータが多いことで知られるとおり、特定の条件に限って好走するタイプが好走することが多いのが、サマー2000シリーズの特徴である。

たとえば小倉記念で言えば、メイショウカイドウが凡走することはありえなかったし、函館記念で言えばエリモハリアー、古くは旧中京では絶対に凡走しなかったヤマニンフォックスなどもその典型例だった。

ただ、そういう昔や大昔の馬の名前がこうして簡単に思い当たるのは、逆にそうそうリピータなど現れないことの対偶の証明になってしまっている気もする。たとえば一昨年のラブイズブーシェ(現種牡馬)などは、偶発的に内枠だっただけで、ハンディキャップホースならありがたくない位置取りになっても、結局最後は大マクリを打って力でねじ伏せた競馬だった。

リピータが多いから、あるいは多いと考えられていることから、「出走する」という意味でのリピータも多いのがサマー2000の特徴。レッドレイヴンを含め、昨年ダメだった組に今年期待するのもちょっと違う気がする。

今年はラブイズブーシェのような力強い競馬ができる組に期待して、ステイゴールド産駒のトゥインクル(56kg)にした。ダイヤモンドSでは実力者フェイムゲームを置き去りにする強い競馬があったから、ここで57kgくらい背負わされても仕方がないところだった。しかし56kgで出られるのは大きなプラス。

前走天皇賞は、大マクリは不発に終わったが、おそらく勝浦騎手は自分でもわかっているだろう。弱気すぎた。トゥインクルの最大の武器であるとてつもないスタミナ勝負に持ち込むことができなかった。函館2000mはトゥインクルにとって得意な条件とは言えない。しかしだからこそチャンスがある。

前回の敗戦が伏線となり、ラブイズブーシェのように、普通なら厳しい競馬でまくって自ら活路を見出してほしい。この馬は、同じステイゴールド産駒のゴールドシップ(現種牡馬)のタイプだけに、他とつきあわないほうがいい。思い切った競馬に徹してほしい。

相手はネオユニヴァース産駒で55kgのネオリアリズム。メドウレイクの血にネオユニヴァースなら洋芝コースはむしろ得意だろう。札幌で2勝というのも強気になれる材料。単穴は、休み明けに実績あるホッコーブレーヴの大駆けに期待。56kgは明らかに恵量で、お父さんのマーベラスサンデーは先日亡くなったばかり。

55kgツクバアズマオーは、ステイゴールド産駒だけにまだまだ上昇の余地があり、実績馬の57kgマイネルフロスト(父ブラックタイド)もそろそろ戻してきそう。あとは大外でも安定感ある55kgファントムライト、そして52kgなら粘り込みもありそうなマデイラあたりまで、手広く押さえる。


◎ トゥインクル
〇 ネオリアリズム
▲ ホッコーブレーヴ
△ ツクバアズマオー、バイガエシ、ファントムライト、マイネルフロスト、マデイラ

日曜福島〜第52回七夕賞(GV)

「日本で一番荒れる重賞」とか、「1番人気26年連続負け」など、いろいろなキャッチフレーズで語られる七夕賞だけに、穴屋からすれば楽しみ以外の何物でもないが、この七夕賞の難しさは、想定される波乱をはるかに上回る波乱が起こるところにある。

もう毎年これでもかというくらい、ネタ切れになるまで考え抜いても、結果を見れば「そう来たか・・・」というオチになってしまうことも珍しくない。おそらく私以外の穴党ファンも、今年こそ、来年こそと手ぐすね引いて夏の福島開催を楽しみにしているはず。であるにもかかわらず、歴戦の馬券師のさらに上を行く結果になってしまうのである。

挙句の果てに、今年こそ!と、これまでにないくらいの大胆発想で臨んだ七夕賞は、亡くなった後藤浩輝騎手の1番人気ダイワレイダースの勝利で終わった・・・というのが私にとっての七夕賞なのである。もちろん今年だって今年こそ!と思っている。しかし、当たる予感というものがまったくない。

七夕賞もそうだが、夏のローカルハンデGV(最近ではサマー2000シリーズ)というと、小倉記念をはじめとして「メイショウ」の馬が活躍する。今年は、いや、今年も夏のメイショウさんはナルトが引っ張る。もう完全に馬券の対象としては見放された感もあったメイショウナルト(父ハーツクライ)が、前走の鳴尾記念で復調の気配を見せて、今年は優勝した一昨年と同じ56kgでの出走が叶った。

メイショウナルトは今年8歳の大ベテラン、七夕賞は3年連続の出走。過去の七夕賞や小倉記念からもわかるように、そして「メイショウの馬」だけに、とにかく夏に強い。七夕賞だからこの大ベテランの復活に期待してみたい。長く続く不振の中にあって、昨年の七夕賞だけは4着と盛り返していた。そのときもソツなく乗った津村騎手。今年はそれ以来のタッグで昨年よりも1kg軽いプラスがある。

相手は、57kgで出られるのが何よりも大きいナカヤマナイト(父ステイゴールド)に期待する。柴田善臣騎手とはもうすっかりおなじみのパートナー。とにかくこのコンビにもいろいろあった。多少の乗り替わりはあったが、今の時代にこれだけ長くコンビが続くのも珍しい。

もちろん常識的にはメイショウナルトともども推奨できるものではないが、ただひとつ言えることは、こういう何が起こっても不思議ないようなレースこそ、「信頼感」がプラスを生むことがあるということ。ナカヤマナイトほどの難しい馬は大ベテランの柴田騎手だからこそ乗りこなせるのであり、柴田騎手だからこそナカヤマナイトも信頼を寄せた走りをするのだと思う。

単穴はマーティンボロ(父ディープインパクト)にした。単純な能力比較ではこの馬が最右翼だろう。年齢を重ねて競馬に幅がでてきているのもプラスだし、順調に使われていないせいか、ハンデも57kgにとどまったのはプラス。

押さえは、小回り巧者で牝馬のウインリバティ(父ダンスインザダーク)が52kgなら食い込みの余地はあるし、距離不足ではあるが、田辺騎手がソツなく内を回ってくると差してきてもおもしろいクリールカイザー(父キングヘイロー)、こちらも2年ぶり3回目の七夕賞出走で優勝経験もあるマイネルラクリマ(父チーフベアハート)は大の福島巧者だし、55kgならヤマニンポワラクテ(父キングカメハメハ)、好調戸崎騎手のアルバートドック(父ディープインパクト)あたりまでは押さえる。

何回も走ればそのたびに順位が入れ替わるようなメンバーだけに、あまり大博打を打つレースではない気もするから、メイショウナルトからさっと流して気軽にレース観戦したい気持ちである。ただ、万一ナカヤマナイトが復活したらけっこう涙腺がヤバイことになりそうなレースではある。


◎ メイショウナルト
〇 ナカヤマナイト
▲ マーティンボロ
△ ウインリバティ、クリールカイザー、マイネルラクリマ、ヤマニンポワラクテ、アルバートドック
重注 オリオンザジャパン

日曜福島〜第65回ラジオNIKKEI賞(GV)

ラジオNIKKEI賞にはいくつかポイントがあって、それがこのレースの波乱を呼んでいる。
まずはハンデ戦であること。ハンデ戦だから荒れるのが当然といえばそうだが、ラジオNIKKEI賞の場合、そう単純な話ではない。

だって、同じ3歳で、しかも「残念ダービー」とか「断念ダービー」などと呼ばれるレースで、菊花賞出走を確実にするためにはここで賞金を上乗せしたいという組ばかりである。普通で考えたら、ハンデ差などつくはずがないのだ。であるにもかかわらず、例年ラジオNIKKEI賞は想像していた以上にハンデ差が生じやすいレースなのである。

実際今年のメンバーも、例年と同レベルか多少上という程度であるにもかかわらず、トップハンデのブラックスピネル(父タニノギムレット)から牝馬トモトモリバー(父ブラックタイド)まで7kg差(実質5kg差)ということで、これはもう何倍ものキャリアを重ね、力関係がある程度判明しきっている古馬のハンデGV戦と同じくらいのハンデの開きということになる。だからこのレースは荒れるのだ。

そして、かつて開幕週ではなく、1週ごとに馬場悪化があった福島だったのが、今では開幕週のレースに移行されているというのもポイント。特に今年は、東日本の少雨の影響が表れそうな予感もある。ただでさえ夏の福島はインしかダメ、差しタイプはまず届かないレースが芝コースでは展開されるが、今年はその傾向に拍車がかかる可能性は大きい。

おそらく最内枠のディープインパクト産駒・セーヴィントと戸崎が人気になるか。あるいはメートルダールを破っているトップハンデで大外枠のブラックスピネルか、いずれにしてもハンデが大きくモノを言いそうな組み合わせになった。ここは一発を期待して、2番枠の絶好枠に入った52kgキングハート(父オレハマッテルゼ)と嘉藤騎手の大穴コンビに注目する。

確かにキングハート自身はマイラー体型で、気性的にも短距離タイプであることは否めない。ただ、今年の福島開幕週は逆にそれがプラスに働く可能性があるのではないか・・・の狙いにした。

このメンバーだから、テンの速さを生かせればあっさりハナだろう。明らかに狙っている路線とは違うこのレースを使ってきたということは、福島開幕週の超アンフェアな馬場を想定して、あわよくば内枠を引ければ・・・という青写真が陣営の脳裏で描かれていた可能性もある。本来なら江田騎手に依頼したかったが、江田騎手にはストーミーシー(父アドマイヤムーン)の先約があった。

しかし嘉藤騎手もたびたび大穴を開ける騎手だし、逃げ馬に乗らせるとうまい。雨でもむしろプラス。もちろん大敗もあるが、軽ハンデ、コース利、展開利など味方にできるものはすべて味方にして回ってこられたときには、アッと言わせるチャンスはあるはず。

相手は素直にセーヴィントでもよいかもしれないが、明らかに菊花賞を展望しているミライヘノツバサ(父ドリームジャーニー)に期待したい。

未勝利のころから、秋になれば・・・の気配があったミライヘノツバサだが、はっきり言って福島1800mというタイプではない。同じドリームジャーニー産駒のアルカサルも福島の長丁場を使われる予定があるが、もしかしたら菊花賞ではアルカサル以上にこちらのほうが楽しめる可能性もあるのではないか・・・の読みはある。

そのためには、アルカサルもそうだが、まずは賞金の加算が必須。ゆったりしたローテーションで使われているミライヘノツバサは、できることならここで賞金を加算して菊花賞に直行したいところ。おそらく仕上げてくるだろう。ここは差す競馬になるかもしれないが、明らかに不向きな回り、展開で勝ち負けできるようなら本当に先が楽しみになる。そういうレースを期待したい。

56kgでも先行して流れに乗れるジョルジュサンク(父ヴィクトワールピサ)は要警戒、内に潜り込めるかがポイントになるが、ミエノドリーマー(父アドマイヤムーン)も53kgなら好勝負だし、先に行くロードヴァンドール(父ダイワメジャー)もまず崩れないだろう。

8枠2頭も怖いが、どちらも福島向きという雰囲気ではなく、それならば53kgで若い杉原騎手に乗り替わってきたピックミータッチ(父ゼンノロブロイ)を押さえたい。大穴ではパイロ産駒で52kgのカネノイロも、馬場が渋ったときに押さえておきたい。


◎ キングハート
〇 ミライヘノツバサ
▲ セーヴィント
△ ジョルジュサンク、ミエノドリーマー、ロードヴァンドール、ストーミーシー、ピックミータッチ
重注 カネノイロ
   
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