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日曜京都〜第33回マイルCS(GT)


今年は大混戦といわれるマイルチャンピオンシップ、フルゲート18頭でも、何が勝っても驚けない組み合わせになった。メンバー構成を見ても、ただでさえ難解なレースなのに、週末の天候が崩れる可能性もある京都地方、ますます混迷を極めるのかもしれない。

そういう難しいレースこそ、基本に忠実にというスタンスで臨みたい。まずは京都外回りの芝のマイル戦という、かつては「最も荒れない」とされたコースで行われるGTであること。これがひとつのポイントにはなる。

よく言われることだが、京都コースは直線が平坦に近いコースであるにもかかわらず、3コーナーの大きな登って降っての坂があるため、前半に行きすぎてしまうとみな止まってしまうリスクがあるコース。当然前半は平均ペースで流れることが多い。

条件戦では、マイル戦のみならず、内回りのスプリント戦でも「なぜこんなにスローになった?」と首をひねりたくなるようなレースも時折目にする。まずは、このコースはそんなにペースが上がりませんよ、というのが定説である。

しかし今年はなんといってもミッキーアイル(父ディープインパクト)がいる。ここ3走は、松山騎手がうまくなだめながらの競馬で安定した成績を残しているが、今回は久々に浜中騎手へと手が戻った。凡走した香港スプリント以来だから、約1年ぶりのコンビ復活。

ミッキーアイルがどのくらいのペースで行くかにもよるが、松山騎手なら割と行かせてなだめるのに対し、浜中騎手は腕力で抑えこんでしまいたいタイプ。実は、マイル戦での折り合いは非常に心配で、ペースも読みにくいところがある。

ルメールで世界のモーリスを破ったネオリアリズム(父ネオユニヴァース)は、今回は"ムーア様"への乗り替わりで馬場も渋るとなると、妙に吊り上げられた人気に推される可能性が高い。行きたがるところもあるだけに、ミッキーアイルにつられて・・・の可能性もある。

昨年はモーリスがあまりにも強すぎたため、好走の4着ながちっとも惜しい感じがしなかったサトノアラジン(父ディープインパクト)が人気するくらいなら、いくら絶好調のルメールでも、同馬やネオリアリズム、ミッキーアイルらの間に割って入る、さらにはまとめて負かす組を探したい。

中心は大ベテランの8歳馬スノードラゴン(父アドマイヤコジーン)にした。スノードラゴンといえば、新潟で行われたスプリンターズSを一昨年勝ち、春の高松宮記念準優勝も加味されて、この年最優秀短距離馬に選出された。

しかし長欠を挟んだ今年は、前回のスプリンターズSではおそらく「8歳秋」という年齢のイメージもあってまったくの人気薄で5着。実はこのときも私はスノードラゴンに本命を打っていた。その根拠は、実はいろいろあった。

近年ではやや異色のイメージがあるがベストスプリンーターの1頭であることは間違いない。ここまで実に43走も無事に走り抜いてきたわけだが、このうち芝のマイルはデビューからの3戦のみ(すべて2着)。ダートのマイル戦1走(7着)を含め、勝ち鞍はない。

年齢のイメージとスプリンターの資質の高さから、おそらく一気の2F延長で、力は認めつつ馬券では嫌われることになる。少しズブさが見えたから・・・という理由でマイルのチャンピオンレースを勝てるほど甘くはない。

母の父はサンデーサイレンス産駒第1号のダービー馬となったタヤスツヨシ。タヤスツヨシ自身はどちらかといえばスピードタイプを産駒に送ったこともあって、スノードラゴンの短距離適性が高いのはわかる。ただ、ポイントはズブさとかタヤスツヨシとか、そういうことではない気がする。

スノードラゴンの父アドマイヤコジーン(その父コジーン)は、早熟とされたとおり2歳の王者に輝き、その後は大けがもあって長く低迷した馬。しかし、実は本格化を示したのが、今は亡き後藤浩輝騎手の涙の安田記念以降のことだったように思う。

母方は4代父ミルリーフ、今はやりのアルゼンチン血脈を継ぐ同エルセンタウロ(日本ではノーザンポラリスの母父シポールを輩出、しか私は知らない)、5代父に日本のスピード血統の祖となったバックパサーの影響がそれぞれスノードラゴンに現れている印象がある。

父母両系統から、古馬になっても衰えないどころか、しぶとく成長する血が集結しているのが、実はこのスノードラゴンなのである。事実、スノードラゴンは未勝利を勝ちあがるまでに4戦、1000万を勝ちあがるのに都合7戦、準オープンを勝ちあがるまでに計6戦という、実はそのキャリアの半数近くを条件馬として過ごした異色のGTホースなのだ。

そのスノードラゴンが、キャリアを重ねながら時計の短針が進むように少しずつ進化を続け、ついにGTタイトルを手にした。そういうシブくも優れた成長力は、少しくらい年齢を重ね、少しくらい距離が延びてもビクともしないと私は考えている。

前走も、人気薄の追い込み馬だから「嵌った」印象があるかもしれないが、いや、あれはむしろ脚を余していたように感じた。今回も意外とペースは上がらないかもしれないが、再び充実期に入りそうなスノードラゴンとベストパートナーの大野騎手に託す価値は十分あると考える。

相手は手広く買うが、お兄さんのマルカシェンクとのコンビが思いだされるガリバルディ(父ディープインパクト)と福永騎手をまず挙げたい。単穴は、血統的に道悪はむしろ歓迎のマジックタイム(父ハーツクライ)、あとは当然ネオリアリズム、そしてディサイファとフィエロ、サトノルパンのディープ牡馬3頭、もちろんサトノアラジンも押さえるが、大穴ではいつ激走があってももうすっかり慣れっこのクラレントを挙げておきたい。

◎ スノードラゴン
〇 ガリバルディ
▲ マジックタイム
△ ネオリアリズム、ディサイファ、フィエロ、サトノルパン、クラレント
   
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