2016年11月11日
日曜京都〜第54回エリザベス女王杯(GT)/日曜福島〜第52回農林水産省賞典福島記念(GV)
土日で5重賞というのもなかなかやっつけな感じがするが、競馬ファンにとっては楽しくて仕方がない週末であることは間違いない。個人的にも、過去に1度しか的中したことがないエリザベス女王杯と、はじめて買った1回だけしか的中がない福島記念が行われる今週は非常に楽しみ。
問題は天気、おそらく京都は好天に恵まれ良馬場で行われることになると思うが、福島は果たしてどうだろう?関東地方の一部(ウチの屋根の上)では今朝がたかなりの雨量を記録していたが、今調べてみたところ、福島も土日は天気に恵まれそう。日曜日は東西ともに良馬場で行われそうだ。
まずはエリザベス女王杯から見ていくことにする。
久々になるミッキークイーンと前走オールカマー5着を叩いたマリアライトのディープインパクト牝馬2騎が1枠を占めた。これがひとつ大きなポイントになる。ミッキークイーンはちょっと足元に不安が出た影響で、ここがぶっつけになる。ということは、宝塚記念を勝ったマリアライトが少し抜けた人気になる組み合わせか。
マリア陣営も「牝馬同士なら負けられない」とコメントしているが、確かに、ポテンシャルの比較でいえば、マリアライトの能力は頭1つ以上おそらく抜けているだろう。しかし外を回すと届かない京都でしかも外回り、前が残りやすいコースであることも事実。
今年は多少外差しも決まってはいるが、コーナーで外を回すとやっぱり可能性は低くなる。昨年のようにシブればよいが、良馬場だと、不器用で大外を回さざるを得ないタイプのマリアライトにとって、少なくともプラスになるコースではない。
そしてどうにも気になるのが、「牝馬同士」という点。今は中長距離でも牝馬のレベルは決して低くない時代であるということもそうだが、それ以上に、このエリザベス女王杯というレースは、落ち着いたベテラン牝馬によるレースという意味で、同じ芝の2200mのレースではあっても、他に似ているレースがまったくないという点がカギになる。
つまり、勝負どころに差し掛かるまで誰も動かず、非常に静かなレースになるのが、このエリザベス女王杯の特徴である。それだけに、底力勝負に持ち込みたいマリアライトにとって、実際のところ、あまり歓迎できる材料はないとさえ思える。
ミッキークイーンとしては、やはりマリアライトをじっと見る位置での競馬、おそらく最後方付近からの競馬になる。隣同士だからどうしても互いを意識しあうはず・・・今回は共倒れも十分考えられる。というか、そうなりそうなファクターが意外にも多いのである。
中心は、武豊騎手が非常にこころ強く感じられる芦毛の4歳馬マキシマムドパリ(父キングカメハメハ)にした。現在日本にはさまざまな系譜を継ぐ芦毛がいるが、快速ゼダーンの系統とはいえ、ハイエストオナーを経由した芦毛はリヴァーマンの影響で非常にタフな芦毛に出る場合がある。
昨年は幸騎手で秋華賞3着、馬体減が激しかった春のオークスでも、いつ止まってもおかしくないような手応えながらそれでもジリジリ伸びるのは、いかにもリヴァーマンの影響を受けたステイヤーのイメージがある。
武豊騎手はこのマキシマムドパリで先行したり追いこんでみたり、いろいろな経験を積ませている。自身はその中でこの馬にとってベストの乗り方をおそらくもうとっくにイメージできているはずである。私は――もちろん他の出方もあるが――武豊騎手は逃げの手を考えていると思う。
昨年の秋華賞では超強気な競馬で、幸騎手がこの馬の良さをフルに発揮して見せた。内回り10Fの秋華賞に対し、今回は外回り11F、多少大逃げになったとしても秋華賞ほど厳しいラップを踏む必要はない。どうせ勝負どころに差し掛かる前から手応えが怪しくなるのがマキシマムドパリ、おそらく3−7くらいの比重で後ろに意識がある有力どころは、その瞬間すべての意識を後ろ(マリアとミッキー)に集中させることになる。
同じ芦毛のメジロマックイーンがあそこまで大スターになったのは、武豊騎手が「ふつうの先行馬」ではなく、「まくり」という武器をマックイーンにさずけたから。こういう感覚の鋭さは、やっぱり武豊なのである。その研ぎ澄まされた感覚のすべてを、どうかマキシマムドパリの力に、なんとか注いでもらえないだろうか・・・
相手も、くしくも同じグレイソヴリン系で、しかしこちらはカロの系統の血をひくシャルール(父ゼンノロブロイ)にした。マキシマムドパリはケンマール経由の芦毛、こちらは黒鹿毛ながらも、ケンマール(その父カラムーン)と同じく発展した芦毛カルドゥンの血を引いている。名牝ファビラスラフインにも流れる血である。
・・・と、血統のことをゴチョゴチョ言えば多少はもっともらしく聞こえるかと思って書いたが、なんのことはない、クイーンスプマンテとテイエムプリキュアが演出した「大逃走劇」の再現を狙っているだけである。だって、後ろはみんな「もっと後ろ」を意識しているわけでしょ?だったらあの日の再現は十分可能なのである。
だいぶ外差しが決まってきてはいるが、だからこそ前のマークは薄くなる。それに先行勢が残していないわけではない。もともと残りやすいコース形態だけに、久々の「行った行った」がイメージできる。人気薄のときはやってくれる福永騎手、大先輩の背中を見て、今年の大逃走劇の助演男優賞を目指してもらいたい。
位置取りは後ろになるが、この馬も早目からまくるような競馬が合うヒルノマテーラ(父マンハッタンカフェ)の成長にもちょっと期待してみたい。単穴。押さえはムーアのタッチングスピーチ(父ディープインパクト)のこちらも成長に期待、力つけたアスカビレン(父ブラックタイド)、距離延長は明らかに吉と出そうなシュンドルボン(父ハーツクライ)、そして人気のディープ産駒2頭、大穴としてプロレタリアト(父ハーツクライ)あたりまでを押さえる。
◎ マキシマムドパリ
〇 シャルール
▲ ヒルノマテーラ
△ タッチングスピーチ、アスカビレン、シュンドルボン、ミッキークイーン、マリアライト
荒れるハンデ戦の福島記念(芝2000m)のほうは、ディープ産駒のゼーヴィントが人気すると思うが、とりあえずの予想だけ。
◎ マルターズアポジー(枠絶好、ハニーは外枠、単騎なら)
〇 マイネルラクリマ(ここ狙っていた感、復活ある)
▲ マイネグレヴィル(ハンデ魅力、イメージ的にこの時期の福島で一発)
△ マーティンボロ、ゼーヴィント、ダイワドレッサー、プロフェット、マイネルハニー
問題は天気、おそらく京都は好天に恵まれ良馬場で行われることになると思うが、福島は果たしてどうだろう?関東地方の一部(ウチの屋根の上)では今朝がたかなりの雨量を記録していたが、今調べてみたところ、福島も土日は天気に恵まれそう。日曜日は東西ともに良馬場で行われそうだ。
まずはエリザベス女王杯から見ていくことにする。
久々になるミッキークイーンと前走オールカマー5着を叩いたマリアライトのディープインパクト牝馬2騎が1枠を占めた。これがひとつ大きなポイントになる。ミッキークイーンはちょっと足元に不安が出た影響で、ここがぶっつけになる。ということは、宝塚記念を勝ったマリアライトが少し抜けた人気になる組み合わせか。
マリア陣営も「牝馬同士なら負けられない」とコメントしているが、確かに、ポテンシャルの比較でいえば、マリアライトの能力は頭1つ以上おそらく抜けているだろう。しかし外を回すと届かない京都でしかも外回り、前が残りやすいコースであることも事実。
今年は多少外差しも決まってはいるが、コーナーで外を回すとやっぱり可能性は低くなる。昨年のようにシブればよいが、良馬場だと、不器用で大外を回さざるを得ないタイプのマリアライトにとって、少なくともプラスになるコースではない。
そしてどうにも気になるのが、「牝馬同士」という点。今は中長距離でも牝馬のレベルは決して低くない時代であるということもそうだが、それ以上に、このエリザベス女王杯というレースは、落ち着いたベテラン牝馬によるレースという意味で、同じ芝の2200mのレースではあっても、他に似ているレースがまったくないという点がカギになる。
つまり、勝負どころに差し掛かるまで誰も動かず、非常に静かなレースになるのが、このエリザベス女王杯の特徴である。それだけに、底力勝負に持ち込みたいマリアライトにとって、実際のところ、あまり歓迎できる材料はないとさえ思える。
ミッキークイーンとしては、やはりマリアライトをじっと見る位置での競馬、おそらく最後方付近からの競馬になる。隣同士だからどうしても互いを意識しあうはず・・・今回は共倒れも十分考えられる。というか、そうなりそうなファクターが意外にも多いのである。
中心は、武豊騎手が非常にこころ強く感じられる芦毛の4歳馬マキシマムドパリ(父キングカメハメハ)にした。現在日本にはさまざまな系譜を継ぐ芦毛がいるが、快速ゼダーンの系統とはいえ、ハイエストオナーを経由した芦毛はリヴァーマンの影響で非常にタフな芦毛に出る場合がある。
昨年は幸騎手で秋華賞3着、馬体減が激しかった春のオークスでも、いつ止まってもおかしくないような手応えながらそれでもジリジリ伸びるのは、いかにもリヴァーマンの影響を受けたステイヤーのイメージがある。
武豊騎手はこのマキシマムドパリで先行したり追いこんでみたり、いろいろな経験を積ませている。自身はその中でこの馬にとってベストの乗り方をおそらくもうとっくにイメージできているはずである。私は――もちろん他の出方もあるが――武豊騎手は逃げの手を考えていると思う。
昨年の秋華賞では超強気な競馬で、幸騎手がこの馬の良さをフルに発揮して見せた。内回り10Fの秋華賞に対し、今回は外回り11F、多少大逃げになったとしても秋華賞ほど厳しいラップを踏む必要はない。どうせ勝負どころに差し掛かる前から手応えが怪しくなるのがマキシマムドパリ、おそらく3−7くらいの比重で後ろに意識がある有力どころは、その瞬間すべての意識を後ろ(マリアとミッキー)に集中させることになる。
同じ芦毛のメジロマックイーンがあそこまで大スターになったのは、武豊騎手が「ふつうの先行馬」ではなく、「まくり」という武器をマックイーンにさずけたから。こういう感覚の鋭さは、やっぱり武豊なのである。その研ぎ澄まされた感覚のすべてを、どうかマキシマムドパリの力に、なんとか注いでもらえないだろうか・・・
相手も、くしくも同じグレイソヴリン系で、しかしこちらはカロの系統の血をひくシャルール(父ゼンノロブロイ)にした。マキシマムドパリはケンマール経由の芦毛、こちらは黒鹿毛ながらも、ケンマール(その父カラムーン)と同じく発展した芦毛カルドゥンの血を引いている。名牝ファビラスラフインにも流れる血である。
・・・と、血統のことをゴチョゴチョ言えば多少はもっともらしく聞こえるかと思って書いたが、なんのことはない、クイーンスプマンテとテイエムプリキュアが演出した「大逃走劇」の再現を狙っているだけである。だって、後ろはみんな「もっと後ろ」を意識しているわけでしょ?だったらあの日の再現は十分可能なのである。
だいぶ外差しが決まってきてはいるが、だからこそ前のマークは薄くなる。それに先行勢が残していないわけではない。もともと残りやすいコース形態だけに、久々の「行った行った」がイメージできる。人気薄のときはやってくれる福永騎手、大先輩の背中を見て、今年の大逃走劇の助演男優賞を目指してもらいたい。
位置取りは後ろになるが、この馬も早目からまくるような競馬が合うヒルノマテーラ(父マンハッタンカフェ)の成長にもちょっと期待してみたい。単穴。押さえはムーアのタッチングスピーチ(父ディープインパクト)のこちらも成長に期待、力つけたアスカビレン(父ブラックタイド)、距離延長は明らかに吉と出そうなシュンドルボン(父ハーツクライ)、そして人気のディープ産駒2頭、大穴としてプロレタリアト(父ハーツクライ)あたりまでを押さえる。
◎ マキシマムドパリ
〇 シャルール
▲ ヒルノマテーラ
△ タッチングスピーチ、アスカビレン、シュンドルボン、ミッキークイーン、マリアライト
荒れるハンデ戦の福島記念(芝2000m)のほうは、ディープ産駒のゼーヴィントが人気すると思うが、とりあえずの予想だけ。
◎ マルターズアポジー(枠絶好、ハニーは外枠、単騎なら)
〇 マイネルラクリマ(ここ狙っていた感、復活ある)
▲ マイネグレヴィル(ハンデ魅力、イメージ的にこの時期の福島で一発)
△ マーティンボロ、ゼーヴィント、ダイワドレッサー、プロフェット、マイネルハニー
投稿者:ASHIGE2|16:49