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2023年11月24日

こんな上司悩みのもと「あなたバカなの?」「顔と目もうざい」、土下座を強要

「あなたバカなの?」「顔と目もうざい」、土下座を強要…ベビーシッター大手ポピンズ74歳「元女子アナ」会長が猛烈パワハラで告発されていた

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デイリー新潮
轟麻衣子社長(左)と中村紀子会長(右)(ポピンズのHPより)

 国内最大手のベビーシッター派遣事業や全国約300カ所の保育園の運営、介護事業などを行う株式会社ポピンズ(東京都渋谷区)が揺れている。創業者であり会長の中村紀子氏(74)とその娘で社長の轟麻衣子氏(47)に、会社の私物化と社員へのパワハラ疑惑が浮上している。

【写真をみる】パワハラで告発された、「元女子アナ創業者」の素顔 なんと「安倍昭恵さんを慰める会」を主催していた

元テレ朝のアナウンサーが創業
 まずは創業者の中村紀子氏の華々しい経歴をご紹介しよう。彼女がポピンズの前身となるジャフィ・サービス株式会社を創業したのは1987年のことだった。

「テレビ朝日のアナウンサーだった中村さんは、『アフタヌーンショー』のアシスタントを務めるなど活躍しましたが、出産を機に退職。再び働きだそうとした時に『子どもの預け先がない』という問題に直面したことが創業のきっかけだったと言います。ベビーシッターの派遣や企業内託児所の開設など先駆的な事業を次々と展開し、会社を発展させていきました」(経済紙記者)

 2018年には娘の轟麻衣子氏が社長に就任。さらに、20年には東京証券取引所の第一部(現・スタンダード市場)に上場を果たした。

「中村氏は、保育士不足の解消のための規制緩和の必要性を厚生労働省に訴えるなど、政治家との結びつきも強い。週刊文春の報道によると安倍昭恵さん(61)とも昵懇で、18年には、当時、首相夫人だった昭恵さんを山口県の割烹旅館に招き、『安倍昭恵さんを慰める会』を主催。ポピンズは、年間60億円以上の補助金を受け取っていたことから、“第二の森友問題”とも囁かれました」(同)

安倍昭恵氏、森雅子議員と昵懇
 昭恵氏だけでない。中村氏は自民党の参議院議員で元法務大臣の森雅子氏(59)の東京後援会会長を務めたこともある。森議員は品川区長らと共にポピンズの保育所を見学、今年6月に開かれた「森まさこさんを励ます会」では麻衣子氏と子育てについてパネルディスカッションを行ったことを自身のSNSで発信している。

「今年9月には文春オンラインが、森議員が次女同伴で、アメリカのボストンで行われたポピンズが主催する幼児教育研修に参加していたと報じました。地元の福島が台風13号で被災した直後ということもあり、渡航費や研修費など計100万円を超える豪華ツアーに参加した森議員は大きな批判を浴びました」(同)

 中村氏が政界にも顔がきく敏腕経営者であることは間違いないだろう。12歳からイギリスに留学し、25年間の海外生活を経て社長を引き継いだ麻衣子氏も、新たに不妊予防事業を始めるなど事業拡大に励んでいる。


「あなたバカなの?」
 社内事情に詳しい関係者が明かす。

「2021年以降、ポピンズのグループ会社の社員が、社長と会長の自宅で家事や身の回りの世話などを行うようになったのです。親子は港区のマンションで隣り合った部屋に住んでおり、中村会長は1人で、麻衣子社長は2人の子どもと夫と共に住んでいます」

 会長や社長のお世話係となった社員たちは、業務の合間に苛烈なパワハラの被害に遭っており、退職者が続出しているというのだ。

 別の関係者が明かす。

「やり手の経営者ですから、中村会長はもともとはっきりものを言うタイプで、社員に対してきつい言葉をかけることもあった。しかし、最近は度を超えているようです」

 耐え切れなくなった社員らは被害状況をメモに残しており、デイリー新潮はその一部を入手した。

▼中村紀子氏から「あなたなんか呼んでいない! 役に立たないから今すぐ帰りなさい! いても何の役にも立たない、鬱陶しい」と言われ退出させられた。

▼朝一番から「あなたの存在そのものが煩わしいのよ。顔と目もうざいの。何度も言っているでしょう! 隣に掃除に行きなさい!」と言われて、轟麻衣子氏の自宅へ移動した。

▼中村紀子氏は朝から不機嫌のスイッチが入っており、「どうしてきちんと動けないの。あなたバカなの? 報告報告と紙に10回書きなさい」と言われ、紙にマジックで「報告」という文字を繰り返し書かされた。

 さらに、「デブ!」などの暴言を吐かれたり、土下座を強要されたとの証言もある。

「問題なのは、麻衣子社長も母親である中村会長のパワハラを把握しておきながら対処しなかったことです。さらに、パワハラに耐え切れず退職者が出て、中村会長のお世話係がいなくなってしまった際には、麻衣子社長が社員に対し『能無し』などと暴言を吐いたとの証言もあります」(前出の関係者)

 パワハラを受けた社員らは、会長や社長による被害内容を会社に報告しており、現在、対応に追われているという。

私物化の疑い
 会長や社長が利用している家事支援サービスの料金に関しても不透明な部分がある。家事支援事業を行っているのは、グループ会社のポピンズファミリーケア。同社は、子どものお世話と教育を行うナニーサービスやシッターの派遣、家事支援業務などを行っている。

 公式ホームページによると、料理や買い物などの家事もオプションで付けられるといい、料金は1時間4400円、他に入会金が11万円と月会費1万1000円がかかる(首都圏のプレミアムコースの場合)。

「会長と社長は、ほぼ毎日このナニーサービスを利用しています。利用料は社員割引ということで半額になっているそうですが、割引制度は掲示されているものの、利用している社員はおらず、実質的に会長と社長のための制度と化しています」(別の関係者)

 さらに、問題がある。

「麻衣子社長は割引後の料金を支払っているようですが、中村会長はそれすら払っておらず、会社が肩代わりしている疑いがあります。事実であれば会社の私物化と言われてもおかしくありません。現経営陣はこれらの事情を把握しておきながら、数年間にわたり放置してきたのです」(同)

 今年8月には、ポピンズのベビーシッターとして派遣された60代の女性が、1歳の男の子に暴行した容疑で書類送検される事件もあった。

「ポピンズは働く女性の支援を謳っていますが、自社で働く社員にトップ自らがパワハラをしていたというのであれば、会社の信用にかかわります」(同)

 ポピンズ社に事実関係を質問したところ、以下の回答があった。

「(パワハラ問題などの)内部通報について、調査をしているのは事実です。詳細につきましては回答を控えさせていただきます」

 会社に取材を申し込んだ翌日、中村氏の取締役および会長職の辞任が発表された。辞任の理由は、「健康上の理由」とされている。

 ***

「週刊新潮」および「デイリー新潮」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記の「情報提供フォーム」まで情報をお寄せください。

情報提供フォーム: https://www.dailyshincho.jp/confidential/
タグ:パワハラ
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