悩みを解決する方法を探る

お金が貯まる夫婦になるには？「家と親を見ればわかる」夫婦のお金の問題

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「彼の実家からお金の価値観がわかることも。情報収集はすごく大事です！」【共働き夫婦のお金の増やし方vol.28】
共働き夫婦の“お金あるある悩み”を解決する連載、【共働き夫婦のお金の増やし方】。「共働きなのにお金が貯まらない」「家を買うならペアローン？」「想像以上に教育費用がかかって将来不安」「夫婦でお金の話ができない」「忙しくて家計管理ができない」……親にも聞きづらい〈お金知識の基本のキ〉から、共働き夫婦の悩みをたっぷり聞いてきたベテランFP山中伸枝さんに教えていただきます。

第28回目のお悩みは、結婚を目前に控えた女性から。共働き夫婦になるにあたって、生活費の分担から家計管理法、貯金ペースまで…… お金まわりのあれこれは何をどうやって決めればいい？ 確認し合っておくべきことは？　お金が貯まる夫婦になるための最初の一歩。その心構えと意外なチェックポイントを教えてもらいました。

前回の記事はこちら
「金利が上がるって本当？」住宅ローン選びの正解が知りたい！〈残りの返済期間が長い人の対策〉
　
【今回のお悩み】
「もうすぐ結婚します。結婚生活がスタートするにあたり、決めておいたほうがいいお金のルールってありますか？ やってしまいがちなNGパターンなどもご指南ください！」

「２人のあいだでのルール決めより、もっと大事なことがあるんです。まずは重い腰をあげて、彼の実家に行きましょう」（山中先生）
――幸せいっぱいのなかで、お金のことについて考えているのは偉いですよね。山中先生、そんな相談者さんにぜひ、とっておきのアドバイスをお願いします。

ご婚約おめでとうございます！　本当ですね。新生活に向けて楽しみなことばかりだと思いますが、こうしてお金の相談を送ってくださったのですから、ぜひ心に留めておいてほしい本音の話をしますよ。

共働きの場合、生活費はお互いで出し合うことになるのでしょう。支出が大きく変わるわけでもないですし（むしろ、一人暮らしと比べると住宅費や光熱費の１人あたりの負担は軽くなります）、夫婦ともにそこそこの収入があるので、お金について深刻に考えたり、情報開示する機会がないまま生活がスタートしがちです。でも、ちょっと待って。

「結婚＝家計を一にする」という感覚が希薄なのは、共働きならではといえるでしょう。それでも当面は困ることがないのですが、子どもができてどちらかの収入が減ったり、住宅ローンを組んだり、という段になって、考え方や貯蓄額の違いに愕然とするケースも。少なくとも、現在の収入と貯蓄額くらいは共有しておきたいですね。
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――家計管理のやり方などは決めなくていいですか？ 共通名義の口座を作るとか。

家計専用の銀行口座をつくるかどうかといった細かいことは、暮らしながら方法を模索していけばいいのであって、実はそれほど重要ではありません。それよりも、お金の話を切り出したときに、ちゃんと話し合いに応じてくれる相手かどうかというのが一つ目のポイントです。

「そんなの適当で大丈夫だよ」とか「貯蓄額なんて言いたくない」という態度だと、先々がちょっと心配。今はよくても、どちらかが病気になったり、精神的に辛くなって働けなくなってしまったときに、どうやって助け合っていくかを話しておいたほうがいいと、私は思います。

結婚式のスピーチでよく言われる“三つの坂”（＊）のひとつ、「まさか」は、やっぱりあるのです。それに、「まさか」でもなんでもなく、出産後には育休や時短勤務で収入が減ること、子どもを大学まで進学させるのにどのくらいお金がかかるのかといったことを、漠然とわかっているつもりでも現実として直視できていない男性はけっこういます。そのあたりの意識について、結婚という節目にすり合わせしておくことが必要ではないでしょうか。

（＊）結婚生活における三つの坂、とは「上り坂・下り坂」そして「まさか」。楽しいこと（上り坂）や辛いこと（下り坂）のほか、予想外のこと（まさか）が起こる、ということを表す話。