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「ホオズキ」には脂肪肝・生活習慣病・がんを予防するビタミンが豊富【時間栄養学と旬の食材】


【時間栄養学と旬の食材】ホオズキ

　ホオズキは日本では観賞用として知られ、浅草のほおずき市などが有名です。先祖を迎える灯籠に似ていることから、お盆の行事で飾られることを記憶している方も多いと思います。

　じつはこのホオズキ、ヨーロッパなどでは独特の濃厚で甘酸っぱいベリーに似た実を食用としています。日本でも最近、食用ホオズキが知られるようになりました。秋田県上小阿仁村は、1998年ごろから食用ホオズキの栽培に取り組んだ先駆け的地域です。「恋どろぼう」というブランドもこの地方のものです。そのほか、現在では「ストロベリートマト」「フルーツホオズキ」「ほおずきトマト」「オレンジチェリー」などさまざまな名前・地域で出荷されています。

　食用ホオズキはアメリカではデザート向けの果実として扱われていますが、日本では主に野菜としても扱われることが多いそうです。果実はオレンジ色の球形からイチゴ形で、皮は柔らかく、中には小さな白い種がありますが、気になるほどではありません。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　そんなホオズキに含まれる栄養素には健康に役立つ成分が豊富です。まずは、ビタミンの仲間であるイノシトール。細胞内の情報伝達や神経伝達に関わるだけでなく、脂肪肝を予防し、コレステロール値を正常の値に調整するために役立つ栄養素です。また、目の健康だけでなく、活性酸素を抑制したり、生活習慣病やがん予防に役立つビタミンA、貧血の予防に役立つ鉄分も豊富に含まれています。

　北海道の日高町で栽培するゴールデンベリーの栄養価が公表されています。ビタミンAや鉄分が一般的なトマトの約4倍、イノシトールは一般的なトマトの約2.5倍多く含まれていることからも、ホオズキに含まれる栄養価の高さがわかります。その他にも、ビタミンC、そして女性に不足しがちなカルシウムやマグネシウムなども豊富なんです！

　さらに、ホオズキの香りの中には、ピーチアルデヒドという香気成分が含まれます。ピーチアルデヒドは桃やココナツにも含まれるにおい成分で、リラックス効果が高いことがわかっています。夜ご飯に取り入れることで、良質な入眠を促すとともに、豊富なビタミンミネラルで体のメンテナンスをしてみてはいかがでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
（古谷彰子／愛国学園短期大学准教授）