2017年08月29日
進化する北海道ワイン フランス産に迫るピノ・ノワール〈AERA〉
ヤフーニュースより引用
進化する北海道ワイン フランス産に迫るピノ・ノワール〈AERA〉 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170815-00000024-sasahi-life
広大な自然。おいしい食べ物。人懐っこくて温かい人たち。長く寒い冬の後にやってくる、輝くような短い夏。北海道に魅せられた移住者たちが、この土地の新たな1ページを開いている。
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日本海を望む北海道余市町。小高い丘にブドウ畑が広がる。7月でも肌寒い。それでも、畑を営む曽我貴彦さん(44)は確かに夏を感じ、SNSに綴った。
「みーつけた。開花したピノ・ノワールの花」
ピノとは、ワイン好きが憧れるフランスの高級ワイン用ブドウ。「冷涼な北海道が栽培に適する」とささやかれる。
曽我さんは約2.5ヘクタールの畑すべてにピノを植える。収穫し、自ら醸造。「ドメーヌ タカヒコ」の名で飲食店や酒販店に出荷する。有機栽培にこだわるワインはすこぶる好評。出荷は年1万5千本。「幻のワイン」の域だ。
北海道でのワインづくりの歴史を塗り替えたのは、北海道の内陸、空知地方の三笠市にある「YAMAZAKI WINERY」。02年産ピノで造った赤ワインが「フランス産に迫る」と注目された。
岩見沢市には、米カリフォルニアでワイン醸造を学び世界のワイナリーを渡り歩いた米国出身のブルース・ガットラヴさんが移住。ブドウ栽培と醸造を始めた。ガットラヴさんが明かす。
「空知は昼間暑くても、夜は気温が下がる。それがブドウの糖度を高め、うまみを増す」
札幌市で開かれた日本農業気象学会などでは、「空知の有効積算温度は右肩上がり。フランス北部のワイン産地とほぼ同じ気温」との調査結果が報告された。余市などでも傾向は同じだ。
ワインづくりを地域再生に生かそう、との機運が高まる。余市町と仁木町では「ワインバレー構想」が持ち上がる。
広告会社、DACグループ(東京都)はこの構想を盛り上げる。農業生産法人を設立するなどして仁木町の丘陵地に約7ヘクタールのブドウ畑とワインの醸造所、貯蔵庫を整備。レストランや研修所の建設も進めている。地元の農業を活性化させる一方、観光客を呼び込むワインツーリズムに力を入れる考えだ。
「この地を多くのワイナリーが集積する世界的なワイン産地に成長させたい」(石川和則社長)
(ジャーナリスト・綱島洋一)
※AERA 2017年7月31日号
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