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2017年04月27日

【糖質制限】ダイエット「糖質制限やめたほうがいい」理由 炭水化物を抜くと食物繊維の摂取量も低下する

【糖質制限 結局いいのか、悪いのか】ダイエット「糖質制限やめたほうがいい」理由 炭水化物を抜くと食物繊維の摂取量も低下する
zakzak 2017.04.25
http://www.zakzak.co.jp/health/doctor/news/20170425/dct1704251530002-n1.htm

 「糖尿病の患者さんが血糖値を抑えるために糖質制限がある程度必要なのはわかります。ただし、ごはんなどの炭水化物には糖質だけでなく、食物繊維も含まれています。炭水化物を抜くと、食物繊維の摂取量が減り、必然的に高脂肪や高タンパクの食事になる。腸にとってはまったくいいことがありません。ダイエットとしての糖質制限はやめたほうがいい」

 こう忠告するのは、『「炭水化物」を抜くと腸はダメになる』(青春出版社)の著者で、4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた松生クリニックの松生恒夫医師だ。

 食物繊維は三大栄養素、ビタミンやミネラルに次ぐ第6の栄養素といわれる。便通をよくしたり、余分なコレステロールをぬぐい取り、大腸がんのリスクを下げるほか、HA1c(ヘモグロビン・エーワンシー=糖尿病の血液検査で重要な数値)の改善効果もあるといわれている。

 しかし、近年は日本でも肉類や乳製品を多くとる北欧米型の食事が定着し、多くの日本人が厚生労働省の推奨する食物繊維摂取量を下回っているのだという。

 「ただでさえ、食物繊維の摂取量が減っているのに糖質制限でさらに炭水化物をとらないのは、大腸がんや慢性便秘症など他の疾患の原因を自らつくるようなものです」(松生医師)

 現実に、食物繊維の摂取量低下が進むに従い大腸がんは急増し、がん死の死亡要因では2015年現在で女性で1位、男性では3位まで上昇している。食事文化の大きな変化により、今の日本人の腸内環境が一昔前に比べて悪化しているのは明らかであろう。

 これを改善していくには、食物繊維の多い大麦や雑穀などを白米に加えるなどして昔ながらの食事に戻し、不溶性食物繊維(穀類や根菜類など)と、水溶性食物繊維(海藻類など)を2:1くらいのバランスでとることだという。

 「特に大麦は、不溶性食物繊維であるβ−グルカンが多く含まれ、β−グルカンには血中コレステロール抑制低下、血糖値上昇抑制等も認められているので、血糖値が気になる方を含めお勧めです」(松生医師)

 なかでも大麦のもち米版ともいえる「もち麦」は食感がもちもちしていて味もおいしいと、静かなブームになっている。

 「糖質制限を推進している人たちは、食物繊維のことなど都合の悪いことは一切語りません。ご自身で人体実験をやるのは一向にかまいませんが、糖質制限ですべて解決するかのように話し、大腸の病気の人を増やすようなことはやめてもらいたい」と松生医師。

 肥満や糖尿病は避けたいが、食物繊維を抑えて高脂肪、高タンパクの食事をとり続けたすえ、命にかかわる病気になってしまっては元も子もない。やはり何事もバランスが大事ということだろうか。 (吉澤隆弘)

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