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2016年01月15日

自分で膝の痛みを改善する方法

膝の痛みを引き起こす病気や障害の中には、下記のような膝の動きに関する何らかの異常が現れるものがあります。

画像:ひざの動作に違和感を感じる

膝がこわばって動かしにくい
膝をある範囲以上曲げ伸ばしできない(関節の動く範囲がせまい・駆動域の制限)
膝を動かした時にひっかかる感じがする
膝に何かが挟まったように突然動かなくなることがある(ロッキング現象)
※文中では病気によって現れる可能性のある症状を記載しています。症状の強さや内容には個人差があります。
1.様々な原因により発生するもの

◆関節ねずみ・関節内遊離体(かんせつないゆうりたい)
関節の骨や軟骨が一部欠けたりはがれたりして、破片が関節内を動きまわるもの
【主な症状】
突然、膝の曲げ伸ばしができなくなり、膝に激しい痛みを感じる
膝に何か挟まっているような感じがして動かしずらい
【主な原因】
スポーツや事故による骨折、骨の破壊・変形を伴う病気などで発生
◆関節水腫(かんせつすいしゅ)
関節内にある「関節液(滑液)」の量が異常に増える病状で、いわゆる"膝に水がたまる"状態のこと
【主な症状】
膝の腫れや痛み、ひざのだるさを感じる
膝の皿を押した時にプヨプヨと浮いているような感じで形が分かりにくい
膝の表面が柔らかくなり、中に何か入っているような異物感がある
膝のぐらつきや動きの悪さ
【主な原因】
膝の軟骨や骨がすり減ったカスや、骨が表面からはがれたカケラによる刺激
【その他の特徴】
水(関節液)の代わりに血がたまるケースもある
2.主にスポーツ、怪我(けが)、事故などを原因とするもの

◆半月板損傷(はんげつばんそんしょう)
膝関節でクッションの役割を果たす軟骨組織「半月板」が、大きな負荷がかかることで欠けたり断裂したりするもの
【主な症状】
膝が引っかかったような痛みを感じる
膝の曲げ伸ばしができない(ロッキング状態)
膝に力が入らない
膝関節部がはれて膨らんでいる
【主な原因】
スポーツや事故による膝への負担の蓄積
【その他の特徴】
若い人に比較的多い
◆離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)
骨の先端にある軟骨部分が壊死して骨の一部といっしょにはがれるもの
【主な症状】
急に膝の動きが悪くなり(一定以上曲げ伸ばせない、全く動かないなど)、同時に膝に激しい痛みを感じる
膝を動かした時に痛み、安静時はほとんど痛まない
膝に何か挟まっているような感じがする
【主な原因】
運動やスポーツによる膝への負担の蓄積
【その他の特徴】
10〜20代の若年層に多く見られ、特に10代成長期の男子に多い
◆タナ障害(タナ症候群)
膝の皿と大腿骨(太ももの骨)の間にあるヒダ状の膜(通称「タナ」)が炎症を起こしたもの
【主な症状】
スポーツ時などに膝の皿の内側に痛みやひっかかり感がある
膝を動かした時に何か挟まるような感じがする。その際に「コキッ」「コツッ」といった音がすることもある
膝の皿のあたりに違和感や重苦しさを感じる
【主な原因】
膝の曲げ伸ばしの繰り返しで「タナ」が骨のでっぱりとこすれ合うことによる
【その他の特徴】
10〜20歳代の若い人に多く発症し、男性よりも女性の割合が高い
◆膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)
ひざの皿の裏側の軟骨が、大腿骨(太ももの骨)とこすれてすり減り、炎症を起したもの。軟骨の軟化・膨隆・亀裂などの変形を生じる
【主な症状】
膝を動かす時に、ひざの皿周辺に痛みを感じる。ゴリゴリと音がすることもある
ひざの皿を押すと痛む
ひざの皿の違和感・不安定感(皿が引っかかる感じや、膝を伸ばす時にきしむ等)
【主な原因】
膝蓋骨への負担の蓄積(膝の使いすぎ、外傷(ケガ)、筋力不足、X脚(内股)、不自然な歩き方など)
【その他の特徴】
10〜20代の若い女性に多く発生する
3.主に加齢や長年の膝の使用による骨の劣化を原因とするもの

◆変形性膝関節症(へんけいせいしつ(ひざ)かんせつしょう)
膝関節の骨や軟骨がすり減ったりもろくなって変形したりする疾患
【主な症状】
膝を動かしはじめる時の痛み(立つ、座る、歩くなど)
膝の動きの制限(こわばって動きが悪い、一定以上曲げ伸ばしできない等)
膝がきしむ、膝に水がたまる
【主な原因】
加齢や膝への負担の蓄積による骨の劣化
【その他の特徴】
中高年の膝の痛みの原因として最も多い
◆膝蓋大腿関節症(しつがいだいたいかんせつしょう)
ひざの皿と太ももの骨による関節(膝蓋大腿関節)に炎症が起こるもの
【主な症状】
ひざの皿(膝蓋骨)の上部あたりに痛みを感じる
ひざの皿が大きく動くようなズレているような感じがする
ひざの腫れやこわばりが見られる
【主な原因】
加齢や膝の使い過ぎによる骨の劣化。膝蓋骨の脱臼(だっきゅう)により起こることもある
4.主に病気や生体機能の異常を原因とするもの

◆骨軟骨腫(こつなんこつしゅ)
骨の表面にできる良性の腫瘍
【主な症状】
膝の周辺に骨のように硬い腫れやこぶが見られる
膝の痛みや、膝関節の動きの悪さ
【主な原因】
腫瘍ができる原因は不明。一度にたくさんの腫瘍ができる「多発型」は遺伝的な要因もある
【その他の特徴】
10代の成長期の若者に多く見られる(全体の約半数)
◆色素性絨毛結節性滑膜炎(しきそせいじゅうもうけっせつせいかつまくえん)
関節の内側を覆う「滑膜」の組織が異常に増殖して塊ができ、出血を繰り返す病気
【主な症状】
ひざの関節が腫れてズキズキと鈍い痛みが見られる
関節がひっかかるような感じや、一定以上曲げ伸ばしできない等の動きの制限がある
関節内に血がたまり、膝に熱感やだるさが見られる
【主な原因】
原因不明です
◆大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)
大腿骨(太ももの骨)の先端が血行悪化で破壊され変形する病気
【主な症状】
膝を動かした時の痛み(歩行、階段の上り下りなど)
膝の動きの制限(動きが悪い、一定以上曲げ伸ばしができない)
足をひきずって歩く(跛行(はこう))
【主な原因】
原因は不明なものが多く、ステロイド薬やアルコール摂取量が関係しているケースも
【その他の特徴】
中高年以上に比較的多い
◆神経病性関節症(しんけいびょうせいかんせつしょう)・シャルコー関節
脊髄の中を通る神経に障害が起こり、下半身の感覚が鈍って痛みなどを感じにくくなる病状
【主な症状】
関節が異常に腫れる
関節がぐらつき、不安定感がある
高度な関節の変形・破壊が見られる
膝に水がたまる
これらの症状があるにもかかわらず痛みをあまり感じない
【主な原因】
糖尿病、梅毒、脊髄の病気など、神経障害を起こす病気にかかることで起こる
◆結核性関節炎(けっかくせいかんせつえん)
結核菌が関節内に侵入して炎症を生じさせる病気
【主な症状】
膝関節の軽い痛み(特に夜間に痛みが増す)
膝がこわばり動きが悪くなる
膝に水がたまる
発熱、全身の倦怠感(だるさ)、食欲不振、体重減少など風邪(かぜ)のような症状
【主な原因】
肺結核の合併症としての発症、過去に患った結核の後遺症、結核患者との接触による感染など
◆滑膜骨軟骨腫症(かつまくこつなんこつしゅしょう)
関節内の滑膜に腫瘍(しゅよう)ができ、骨化したカケラ(遊離体)を大量に発生させる疾患
【主な症状】
突然、膝の曲げ伸ばしができなくなり、膝に激しい痛みを感じる
膝に何か挟まっているような感じがして動かしずらい
膝に水がたまる
【主な原因】
詳しい原因は不明。滑膜組織の遺伝子の突然変異との説もある
【その他の特徴】
発生頻度の少ない珍しい病気
◆血友病(けつゆうびょう)
遺伝子の異常によって、「出血時に血液が固まって止血する身体機能」が失われている先天性(生まれつき)の疾患。わずかなケガでも出血しやすく、一度出血すると自然に止血することが困難。出血は皮膚上だけでなく、筋肉内、関節内、皮下など体内でも繰り返し起こる。
治療は、血液を凝固させる因子を静脈注射する「補充療法」が採られる。
【主な症状】
外部からの刺激によって出血しやすく、血が止まらない
関節内で何度も出血が起こると、関節の曲げ伸ばしができなくなることがある
【主な原因】
血友病の病的遺伝子を持った女性から産まれた男性に発病するケースがほとんど。
染色体の構造から女性に発症することは極めて稀で、患者の99%は男性。

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