2017年08月30日
野菜長雨の影響
東北の太平洋側と関東を中心に続く日照不足と低温、長雨で、農作物への影響が出ている。テレビ番組などでは「野菜値上がり家計ピンチ」と“消費者目線”で取り上げるが、農産物の出荷量は減り、収益は伸びないなど、一番困っているのは農家だ。「天候不順」の背景にあるのは農家の苦悩。農業の現場からは「実態を知ってほしい」との声が上がっている。
長雨による日照不足などの天候不順が続いた影響で、野菜の小売価格が上昇し、「キュウリ」や「トマト」は、平年より1割以上高くなっている。 農林水産省によると、先週の野菜の全国平均小売価格は、「キュウリ」が1kgあたり560円と、平年より14%高くなったほか、「トマト」は1kgあたり647円と、平年より13%高くなった。
Zenlogic
長雨による日照不足などの天候不順が影響したもので、前の週と比べると、「キュウリ」は19%、「トマト」は12%値上がりしている。 また「キャベツ」は、平年との比較では4%の上昇にとどまったものの、前の週と比べると26%高く、1kgあたり155円だった。 農水省は、「日照不足の影響を受けやすいキュウリやトマトの価格は、今後、さらに上がる可能性がある」としていて、天候不順による野菜の高値は、しばらく続くとみられる。 8月の日照不足と低温で、青森県内でも野菜の出荷量が減少し、卸売価格がじわりと上昇している。盆明け以降、八戸市中央卸売市場ではネギが2倍近く、トマトやキュウリは2〜4割、平年と比べて高くなっている。高値が長引けば、今後は家庭の食卓にも影響が広がりそうだ。 Zenlogic
同市場では、各産地の入荷が重なり野菜全般が安値となった7月から一転、日照不足が目立ち始めた8月10日頃から入荷が減少し、盆明けは入荷量が全体で平年より3〜4割少ない状況となっている。 ネギの主な規格の高値は盆前まで平年並みの5キロ1500円程度だったが、盆明けは3千円と2倍近くに上昇。雨が続いて生産者の収穫作業が遅れ、入荷量は平年の6、7割に落ち込んでいる。Zenlogic
キュウリ、トマトも入荷量は平年の6、7割にとどまる。キュウリの高値は平年の5キロ1500円に対し、2300〜2500円に上昇。日照不足で着色が遅れ気味のトマトは平年より300円ほど高くなり、高値が4キロ1500円程度となっている。 一方、大幅に安くなった品目も。夏の風物詩とも言えるスイカは寒さが響き、平年の半額以下と苦戦を強いられている。 こうした状況だが、関係者の間では、入荷量が少ない割に高値にはなっていない―との見方もある。卸売会社・八戸中央青果の横町芳隆社長は「本来ならもっと高値になっていてもおかしくない。この天候で経済全体が冷え込み、購買意欲の低下につながっているのでは」と語った。
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