2017年08月29日
北ミサイル発射 早朝の警報、飛び起き 道民ら緊張、学校休校
p> 鳴り響くサイレンと「ミサイルが通過したもよう」とのアナウンス。「逃げろと言われても、どこに逃げれば…」。北朝鮮が弾道ミサイルを発射した29日早朝、北海道から関東甲信越までの各地で警報が鳴り、住民は不安を募らせた。上空を通過した北海道では緊張が高まり、新幹線や鉄道も一時運行を見合わせたほか、学校も休校するなど影響は国内に広がった。
北朝鮮の弾道ミサイルが29日早朝に上空を通過した北海道では、7月末、奥尻島の沖合約150キロに北朝鮮のミサイルが落下したばかり。この日、全国瞬時警報システム(Jアラート)が発令され、関係機関が早朝から対応に追われた。
道庁では緊急会議を開き、高橋はるみ知事が「道民の安全に関し、これまでにない重大かつ深刻な事態」と語気を強めた。危機対策課には職員が続々と集まり、電話で情報収集に当たった。辻井宏文危機対策課長は「直接の被害はなくても、何かが落ちてきた恐れもある」と緊張した様子で語った。
ミサイルが上空を通った襟裳(えりも)岬を抱えるえりも町。防災担当職員数人が役場に集まり、テレビやインターネットなどに見入った。担当者は「ミサイルの目撃情報はない」と語った。陸上自衛隊北部方面総監部も、各駐屯地などを通じて情勢把握に努めた。
室蘭(むろらん)市によると、子連れの夫婦ら住民4人が「ミサイルが発射されたので避難してきた」と不安そうな表情で市防災センターに一時避難してきたという。
漁業関係者らにも動揺が広がった。約170人の漁師が所属する広尾町の広尾漁業協同組合は、ミサイル発射の一報を受けロシア海域付近に出ていたサンマ漁船5隻の安全を確認した。担当者は「通過したのが近い場所なので、不安です」と戸惑った様子を見せた。
新ひだか町のひだか漁協は出漁を一時見合わせる措置を取った。漁協職員の堀内秀俊さん(40)は「今日はたまたま漁をしていなかったが、通常は船が出ている時間で海上にいたら避難もできない。漁に影響が出るので困るし、遺憾に思う」と話した。
北海道と同様にJアラートが出された東北にも緊張が走った。宮城県では110番が相次ぎ、福島県では職員が原発に影響がないかの確認に追われた。青森県では七戸町などの小中学校9校が登校時間を繰り下げたほか、県立六ケ所高で休校措置が取られたという。
Jアラートによる緊急速報で飛び起きたという仙台市青葉区のサービス業、佐藤祐二さん(43)は「非常に怖い。(ひと昔前と比べ)携帯電話で情報が早く届くのはありがたいが、脅威をより身近に感じるようになった」と話していた。
■防衛省 対応追われ
北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、防衛省は関係幹部会議を開くなど対応に追われた。
防衛省幹部は「列島を通過する形で発射され、今までにない緊張感があった」と話した。また、別の幹部は「米国本土方向に向けて飛ばしており、米国への強烈なメッセージだ」と危機感を募らせた。
北朝鮮は米領グアム沖へのミサイル発射計画を予告し挑発している。ある幹部は「米韓両軍が演習中で、ある意味準備万全。トランプ米大統領がどういう行動に出るか分からないので、グアム方向には撃てなかったのだろう」と分析。一方で「長い距離を飛ばせることを国内外に誇示するとともにデータを蓄積する必要があったのではないか」と語った。
■コリアタウン「理解苦しむ」
弾道ミサイル発射に、大阪・生野のコリアタウンの在日韓国・朝鮮人らからも憤りの声が漏れた。
韓国飲食店を営む女性(57)は「なぜこんなことをするのか理解に苦しむ。制裁を強め、何とか平穏な日々を過ごしたい」と話した。また、長女が韓国の江原道(カンウォンド)にいるという在日韓国人3世の無職男性(67)は「はっきりいって日本はなめられている。しっかりした軍をもって対抗したほうがいい」と憤った。
一方、JR大阪駅前では通勤客らが不安の声を漏らした。
大津市の男性会社員(47)は「関西の近くに飛んできたら影響は大きくなる。発射の予兆があれば早めに知らせてほしい」と話した。夏休みで大阪に遊びに来たという兵庫県小野市の女子高生(16)は「万が一の際には地下に避難しろというが、ちゃんと避難場所をつくってほしい」と話していた。
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