電力会社の不正行為の付けを国民・利用者に押し付けるのは許せない。経営者・会社が責任を負うべきである
対抗できるのは電気代節約か、日本の蓄電池生産は何故か少ないのは、電力会社の狙いもありそうだ。
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電力カルテルで広がる国や自治体の指名停止…競合減り電気代増の懸念、ツケは消費者に
4/22(土) 15:20配信
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読売新聞オンライン
カルテル問題で公取委から再発防止の申し入れ書面を受け取る電事連会長の池辺九電社長(右)(3月30日、東京都千代田区で)
九州電力など大手電力4社のカルテル問題で、国や自治体による指名停止の処分が広がっている。カルテルは電力自由化を骨抜きにする違法行為で、自社の利益を優先したコンプライアンス(法令順守)意識の希薄さを露呈した。指名停止で公共施設の電気代が上がる懸念が出ており、消費者がそのツケを払わされることになる。(姫野陽平)
【写真】記者会見で不正閲覧問題について陳謝する九州電力の池辺社長
過去最大1010億円の課徴金
「規定に沿って指名停止にしたのに住民に負担を負わせるのは心苦しい。入札で手を挙げる新電力会社が現れるのを願うだけだ」。ある自治体の担当者は、九電に対する処分に複雑な心境を打ち明けた。
公正取引委員会は3月、九州、中国、関西、中部の4電力のカルテルを認定し、課徴金減免(リーニエンシー)制度で全額免除の関電を除き、3社側に計約1010億円と過去最大の課徴金納付を命じた。これを受け、経済産業省は4社の入札参加や補助金交付を停止。福岡県と福岡市、北九州市、宮崎県、鹿児島県は、庁舎や学校など公共施設で電力を購入する入札に九電を参加させない処分を決めた。
指名停止について、熊本県は「公取委の処分内容と県の要綱を精査し、決定する」とし、大分県も検討している。中国電に対しても山口県が検討を始めており、大手電力への処分は広がる見通しだ。
入札不調なら2割高く
福岡県は、九電を指名停止にする6か月間で、県立美術館や合同庁舎など116施設の入札を予定している。いずれも2年契約で、前回入札は九電が全て落札し、落札価格は計約7億5000万円。九電には経営の痛手となるが、深刻なのは利用者の負担増につながる恐れがあることだ。
大手の入札不参加で競合が減れば、落札価格が高くなる可能性がある。最大のライバルである新電力は燃料価格の高騰で、どこも経営が厳しいのが実態だ。電力を売れば売るほど赤字が膨らむ事業者も少なくない。
最も危惧されるのは、入札にどこも参加しない事態だ。実際、福岡県の2年前の入札に応じたのは九電だけだった。入札が不調に終われば、自治体は原則、大手の送配電会社から「最終保障供給」として割高な電気を買うことになり、通常より約2割高くなる。
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そもそもカルテルで競争を制限し、高止まりした電気代がさらに高くなる可能性がある。
根深い地域独占意識
電力自由化は大手電力の地域独占を崩し、電気料金を下げるのが狙いだ。今回のカルテルは、自由化前の営業エリアを越えた顧客の奪い合いを避けて互いの利益を守るためで、地域独占意識の根深さを表した。
公取委の処分を受け、中国電は社長と会長が引責辞任し、関電と中部電は社長ら役員報酬の一部を返上する。一方、電気事業連合会会長を務める九電の池辺和弘社長は14日の記者会見で、「公取委と一部見解の相違がある。取り消し訴訟を検討している」とし、経営責任についても「私が自主的に報酬を返納することはない」と明言した。
電力業界に詳しい東京大の松村敏弘教授(公共経済)は「大手は、電力自由化の意識があまりにも低い。かつては『暗黙の紳士協定』で互いの領域を侵さない関係だった。電事連など大手中心の業界体制の見直しが必要だ」と指摘し、電力各社の説明責任を求めている。
競合事業者の顧客情報、不正閲覧も
電力自由化をないがしろにする不祥事はカルテルだけではない。競合事業者の顧客情報を不正閲覧したとして経産省は17日、九電など5社に対し、業務改善命令を出した。法令順守体制を見直し、5月12日までに業務改善計画を提出するよう求めている。
沖縄電力を除く大手電力は2020年、電気を家庭や会社に運ぶ送配電部門の分社化を義務づけられた。新規参入した事業者は自前の送電網を持たず、大手の電線や電柱を借りないと電気を送れない。大手と新電力を平等に扱うことで競争を促し、電気料金の引き下げを狙ったもので、送配電会社と大手小売り部門の情報共有は禁じられた。
しかし大手の有利な立場を利用した不正閲覧は中国電が約11万件、九電が約4万4000件に上る。九電は「営業活動に利用していない」としたが、経産省は「顧客情報を小売り業務に用いることを認めたもので、計画的な会社の組織判断」と指摘した。
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タグ:電力カルテル