2010年06月04日
DJ-ドル高相場が始まろうとしている
ダウ・ジョーンズ
2010/06/04 22:26
DJ-ドル高相場が始まろうとしている
(ダウ・ジョーンズ)
ドルを買うべき理由が、一段と増えている。ユーロや円などの主要通貨との金利差がドルに有利な方向へ向かい続けているからだ。
今週はすでに、ユーロ圏のソブリン債務危機国に対する支援に伴う経済的および政治的リスクが懸念され、ユーロはドルに対して4年ぶりの安値を更新した。デフォルト(債務不履行)の可能性は依然として高く、ユーロの先行きがかなり疑問視され、状況はとても明るいとは言えない。
ユーロを売る理由としてこれだけでは不十分ならば、ユーロ圏経済には期待はずれな材料がいつでもそろっている。
3日に発表されたユーロ圏4月の小売売上高が前月比1.2%減となったように、ユーロ圏の景気回復は依然として輸出に頼っており、個人消費は低水準にとどまっている。こうしたなかで今後、大半のユーロ圏加盟国が年内に緊縮財政を打ち出さなければならない。
そこで、何とか乗り切るだろうとユーロ圏の回復力に信頼を置いていた楽観主義者たちでさえ、まもなくいらだち始めるだろう。
一方、欧州中央銀行(ECB)は、金融市場の流動性確保に向けた量的緩和策を余儀なくされたものの、現時点で利上げを検討し始める可能性はまったくない。
対照的に、米国の経済指標は予想以上に堅調だ。消費者物価は低水準にとどまっており、米連邦準備制度理事会(FRB)に利上げを求める圧力はまだ弱い。ただ、カナダが今週に利上げに踏み切ったように、利上げ圧力は徐々に強まってきている。
日本については、こうしたことがほとんど当てはまらない。鳩山氏の辞任を受け、新首相はより緩和的な金融政策を模索する見通しだ。4日に首相に指名された菅直人前副総理兼財務経済財政相は、輸出主導の景気回復を後押しするため、円安政策を支持する立場を長らく明らかにしてきた。
また、来月の参議院選を前にした政治的な不安定や、財政赤字問題をめぐるソブリン格下げ懸念を加えると、円を売る理由はさらに増える。
そして、米国で金融規制が強化され、信用が絞られ、米住宅市場を対象とした景気対策が解除され、住宅市場の回復が後退するとしても、米国は世界経済の明るい部分であり、米ドルは買うに値する主要通貨なのだ。
2010/06/04 22:26
DJ-ドル高相場が始まろうとしている
(ダウ・ジョーンズ)
ドルを買うべき理由が、一段と増えている。ユーロや円などの主要通貨との金利差がドルに有利な方向へ向かい続けているからだ。
今週はすでに、ユーロ圏のソブリン債務危機国に対する支援に伴う経済的および政治的リスクが懸念され、ユーロはドルに対して4年ぶりの安値を更新した。デフォルト(債務不履行)の可能性は依然として高く、ユーロの先行きがかなり疑問視され、状況はとても明るいとは言えない。
ユーロを売る理由としてこれだけでは不十分ならば、ユーロ圏経済には期待はずれな材料がいつでもそろっている。
3日に発表されたユーロ圏4月の小売売上高が前月比1.2%減となったように、ユーロ圏の景気回復は依然として輸出に頼っており、個人消費は低水準にとどまっている。こうしたなかで今後、大半のユーロ圏加盟国が年内に緊縮財政を打ち出さなければならない。
そこで、何とか乗り切るだろうとユーロ圏の回復力に信頼を置いていた楽観主義者たちでさえ、まもなくいらだち始めるだろう。
一方、欧州中央銀行(ECB)は、金融市場の流動性確保に向けた量的緩和策を余儀なくされたものの、現時点で利上げを検討し始める可能性はまったくない。
対照的に、米国の経済指標は予想以上に堅調だ。消費者物価は低水準にとどまっており、米連邦準備制度理事会(FRB)に利上げを求める圧力はまだ弱い。ただ、カナダが今週に利上げに踏み切ったように、利上げ圧力は徐々に強まってきている。
日本については、こうしたことがほとんど当てはまらない。鳩山氏の辞任を受け、新首相はより緩和的な金融政策を模索する見通しだ。4日に首相に指名された菅直人前副総理兼財務経済財政相は、輸出主導の景気回復を後押しするため、円安政策を支持する立場を長らく明らかにしてきた。
また、来月の参議院選を前にした政治的な不安定や、財政赤字問題をめぐるソブリン格下げ懸念を加えると、円を売る理由はさらに増える。
そして、米国で金融規制が強化され、信用が絞られ、米住宅市場を対象とした景気対策が解除され、住宅市場の回復が後退するとしても、米国は世界経済の明るい部分であり、米ドルは買うに値する主要通貨なのだ。