2021年01月07日
要介護になっても維持しておきたい筋肉部位とは
優先する筋肉はどこか
「介護職」から見て高齢者の筋肉維持は非常に大切です。しかし、「どこを優先して筋肉を残したいか?」という部分に関しては療法士と介護士で違ってきます。実際に現場では「食事をするための口と腕を」と思っていても、リハビリでは「身体の基本である下半身を」と判断されるケースも多々あります。立ち上がりや関節可動域の維持・拡大が必要なことは理解できますが、それでは「生活できる状態」に回復はしにくいのではないか、と感じます。
実際に介護現場では立ち上がりや更衣が自分できる事は助かります。しかし噛む力や握力が減少した場合に依頼される、「食事介助」はリスクも高く可能であれば避けたいもの。また生命活動にも影響が大きいのもこちら。階段を上るよりスプーンを持てる、長距離歩けるより長くお箸を使える方が優先かと感じるのは私だけではないと思います。
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食事するのに必要な筋肉とは
まずは口から。咀嚼・嚥下機能の低下は舌・喉の筋肉低下が大きな原因です。
舌・喉
舌は重い物を持つ特性は持っていませんが、筋肉の塊です。日常的に動かすことで維持が可能です。左右の頬を内側から舌で押します。特に後方の頬を押す方が筋肉を使います。喉の運動は簡単で、顔をゆっくり上下向く事です。カラオケ等の声を出すことも効果的ですが、上下することで喉が開く・閉じるを繰り返しますので、筋肉が刺激されます。上下する際に唾液を飲み込むこともすれば十分に効果あります。
腕・指
腕は肘から先の筋肉が必要になります。肘をテーブルに置いて曲げれば口元には届くため、肘から先は必須となります。指は親・人指し・中を使いますが、通っている神経が重複する事もあり、指全体の力が必要になります。ペットボトル300〜500mlの上下で食事する程度なら十分です。指先の細かい動きよりも、握れること・自分の肩を触れる筋力があれば十分です。
高齢者で廃用症候群等のリスクがある方には最低限の運動として上記をお勧めします。下半身含めた歩行能力等は療法士が専門的に行ってくれますので、サポートで良いと思いますが、これらの「食事」に関わる運動は積極的に「介護」で行うほうが良いと考えています。各療法士との相談・連携ができればよいのですが、お互いに「決められた時間内」でおこなうため、各々が優先と考える部分は各々の分野で行っていきましょう。
「連携だけ」が大事なわけではない
「連携は大事」ですが、「連携だけ」では不足してしまいます。各専門分野で各々が能力維持に必要と考える部分をリハビリしていくことで、利用者の身体や精神全体の筋力アップに繋がっていきます。下半身は大事、しかし上半身筋力を維持しておけば、食事も車いすも排泄介助も負担は大幅に減ります。高齢=全身マッスル化には時間がかかりますので・・・
介護の際に「可能な限り利用者自身の力で」と教わります。介助力・量は最低限で利用者の力の邪魔をしない、自身の力を使い続けることが本人にも介助者にも後に大きな利益となるという教えです。高齢化していく自分のためにも、食事は自分で摂る、そのための筋トレ!と思って頂きながらペットボトルをそっと手渡しましょう・・・
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