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2021年09月27日

総裁選とキングメーカーの盛衰



 総裁選とキングメーカーの盛衰


 自民総裁選の中で細田派に不満のマグマ 

 若手が安倍氏に世代間闘争仕掛ける


 
 9-27-1.png 9/27(月) 7:05配信 9-27-1



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            若手議員達の不満続出?(写真 共同通信社)9-27-2


 〔総選挙の顔〕を選ぶ筈の自民党総裁選。出馬した4人は、今後の日本を占う上で重要な役割を担うが、現実的には4人の候補より〔安倍晋三・前首相と麻生太郎・副総理〕と云う2人のキングメーカーの方が政治的存在感を発揮して居る。
 特に安倍氏はツイッターで高市早苗・前総務相との2連ポスターを公開したり、議員に電話を掛け捲る等自分の総裁選以上の熱の入れ様で「高市が票を伸ばして居る事に上機嫌」(安倍側近)なのだと云う。


         9-27-5.jpg

                   長老 麻生太郎氏
 

 安倍・麻生の2Aが取ったのが〔3股作戦〕だ。安倍氏の出身派閥・細田派は高市氏と岸田文雄・前政調会長を支持、麻生派は河野太郎・規制改革相と岸田氏への支持を夫々打ち出し「誰が勝っても2Aの権力は残る」(安倍側近)と云う計略を巡らせた。
 だが、そうした計略が逆に2Aの権力基盤を脅かして居る。自民党で繰り返されて来た派閥の〔世代間闘争〕を呼び起こしたからだ。

 「安倍さんの遣り方は田中角栄・元首相に似て居る。闇将軍に為る積りなら細田派は危うい」  

 そう語るのは同派の長老だ。こう続けた。

 「過って最大派閥・田中派を率いた田中氏は、総裁選では自分の派閥から総裁候補を出さず、数の力で大平正芳氏⇒鈴木善幸氏⇒中曽根康弘氏等を順番に首相に据え、キングメーカーと呼ばれた。しかし、派内の不満が溜って最後は子分だった竹下登・元首相にクーデターを起こされた。安倍さんも同じ道を辿ろうとして居る」  

 確かに、自分の派閥から総裁候補を出馬させ無いと云う手法は似て居る。安倍氏は前回の総裁選で無派閥の菅義偉・首相を支持し、今回もワザワザ無派閥の高市氏を担ぎ出した。細田派では安倍側近の下村博文・政調会長が出馬を希望して居たにも関わらず、安倍氏は後押ししようとはし無かった。
 細田派から総裁候補が出馬すれば、派内の世代交代が進んで実権を失う・・・派閥の後継者を作ら無いのはキングメーカーの常套手段と言って好い。  

 そうした手法は細田派内に大きな〔不満のマグマ〕を生み、遂に若手議員の〔決起〕を招いた。福田康夫・元首相の長男で〔細田派のプリンス〕と呼ばれる達夫氏が〔長老支配打破〕を掲げて派閥横断的な若手グループ〔党風一新の会〕(約90人)を旗揚げし、細田派からも1〜3回生議員16人が参加した。達夫氏は衆院当選3回と未だ若手だが、安倍氏に取ってはキングメーカーとしての地位を脅かす存在だ。


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                  福田赳夫・元首相


 細田派は、達夫氏の祖父の福田赳夫・元首相が作った福田派がルーツで、云わば派閥のオーナー家と言える。3代目の達夫氏も、祖父・父に続く〔将来の総理・総裁候補〕の呼び声が高い。党内では、小泉進次郎・環境相の〔兄貴分〕としても知られる。
 「安倍家と福田家には3代に渉る確執が在る」と指摘するのは両家に詳しい政治ジャーナリスト・野上忠興氏だ。

 「派閥の創立者である福田赳夫さんは、安倍氏の父・晋太郎さんが初めて総裁選に出馬した時、子飼いの中川一郎氏を出馬させてワザと晋太郎さんの票を削った。晋太郎さんに後継者として力を着けさせ無い為だった。
2代目の康夫氏と安倍氏も肌が合わず、小泉政権時代に官房長官と副長官として北朝鮮政策を巡って激しく対立した。
 因果は巡るで、今は攻守所を変えて安倍氏が派の実権を握って居るが、派閥を奪い返され無い為に福田家の3代目に絶対に力を着けさせたく無い筈です」



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                      福田達夫氏


 一方の達夫氏は安倍氏が派閥に君臨して居る限り、自分の出番を邪魔される事が分かって居るから、この機会に若手を結集して安倍氏に世代間闘争を仕掛けた。最大派閥の細田派では、達夫氏に近い若手と父・康夫氏シンパの中堅・ベテランが一定の勢力を占めて居り、安倍氏に対抗する力も在る。危機感を募らせた安倍氏は派内を猛烈に引き締めに出たと云う。

 「達夫の旗揚げを聞いて安倍さんの目の色が変わった。それ迄は高市応援と云っても総裁選は高みの見物だったが、自分の力を見せ着け様と、総裁選に深く介入して行った」(前出・安倍側近)  

 派内は安倍系と福田系とに大きな亀裂が入った。安倍氏のキングメーカーとしての力の源泉は、最大派閥・細田派の〔数の力〕だ。細田派が分裂状態に為れば、誰が総裁選に勝利しようと安倍氏の力は衰退に向かう。


 週刊ポスト2021年10月8日号



  2A+2Fの長老政治に反旗 

 〔若手派閥〕「党風一新の会」70人リスト提出


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                      9-27-3


 若手議員の声は 長老政治に楔を打つ事が出来るか

 自民党の若手議員が遂に決起した。河野太郎・規制改革相が出馬表明した9月10日の夜、同党の当選3回以下の議員達の「党風一新の会」がオンラインで設立総会を開いた。呼び掛け人に名を連ねて居るのは70人。細田派16人・岸田派13人・麻生派と竹下派が各10人・二階派6人・石破派4人・石原派1人・無派閥10人と文字通り派閥横断的なグループだ。
 オンライン総会には約60人が参加したが、入会希望者は増えて居り、現在90人が参加を決めたと発表して居る。自民党1〜3回生(126人)の7割を超える大勢力だ。

 代表世話人に就任した細田派の3回生・福田達夫氏は、父の康夫氏、祖父・赳夫氏とも元首相と云う政界のサラブレット。達夫氏は7日に党本部で開いた若手の会合で「地元で〔密室政治、長老政治ではないか〕〔派閥で物事が決まっていないか〕と云う厳しい意見を頂いて居ると思う」と声を上げる等、長老支配を批判して総裁選では派閥の締め付けに依ら無い自主投票の実施を求めて居る若手リーダーの1人だ。

 因みに〔党風一新の会〕の名称は、過つて福田氏の祖父・赳夫氏が時の池田勇人首相の経済政策に反対して党内に立ち上げた議員グループ〔党風刷新連〕と好く似て居り、党風刷新連盟は後に福田派(現在の細田派)と為った。
 ベテラン議員の間には「福田さんの孫は〔細田派のプリンス〕と呼ばれる将来の細田派の会長候補だが、安倍(晋三)前総理とは折り合いが悪い。祖父に見習って、安倍さんや麻生(太郎)副総理・二階(俊博)幹事長等の長老支配に対抗する自前のグループ作りを始めたのでは」(二階派幹部)との見方も在る。

 同会がこの日の設立総会で採択した〔緊急提言〕文書では、安倍長期政権以来の自民党の現状を厳しく批判。

 〈過つて政権の座を奪われ下野する事と為った我が党は、その反省の下、党改革を実行し、 国民の信頼回復に努め、平成24年12月に3年3ヶ月振りに政権を奪還した。しかし、その後の安定政権が続く中で、 強引とも取られる政権運営や、 国民意識と乖離した言動や行動も散見される等 「自民党は過つての反省を忘れて再び驕りが生じているのでは」 との批判も聞かれるに至った〉

 その上で、総裁選に向けて次の3項目の緊急提言を行なった。

 1.新型コロナ感染症対策と経済対策を明確に打ち出すこと 。
 2.党改革を通じた政治改革を断行し、国民政党としての信頼回復を図ること 。
 3.本会との意見交換の機会を設けて頂くこと 。


 特に3番目の項目は、同会メンバーが直接、各総裁候補と議論することで、誰に投票するか判断しようと云う事だ。


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             党風一新の会が出した緊急提言案 9-27-4


 確かに党風一新の会のメンバーのうち48人は3回生、その中には自民党の勉強会で「福岡の青年会議所理事長の時、マスコミを叩いた事が在る。日本全体で遣らなきゃいけ無無い事だが、広告の提供(スポンサー)に為ら無い無いと云う事が一番(マスコミには)応える」等と報道規制発言をして厳重注意を受けた井上貴博議員や、復興政務官時代に被災地視察に行って部下に負んぶされて水溜まりを渡った事で批判を浴びながら、政治資金パーティで「長靴業界はこれで大分儲かったのではないか」と発言して官房長官だった菅義偉・首相から厳重注意を受けた務台俊介議員、1回生には「女性は幾らでも嘘を着けます」発言で注意を受けた杉田水脈議員ら〔国民意識と乖離した言動や行動〕で批判された議員達も名を連ねて居る。

 党内には、呼び掛け人70人の内比例代表が23人を占める事も在って「総選挙後に、国会に戻って来る事が出来るのは半分も居ないのでは」(同前)と云う声迄在るが、果たして若手議員達は総選挙直前の〔最後っ屁〕で自民党の長老支配、派閥政治を変える事が出来るのだろうか。




 〜管理人のひとこと〜

 自民党内の若手から現在の党の支配者・長老に対する批判が出るのは、遅過ぎた位なので至極当然なのだが、それにしても過去に問題行動を起こしマスコミからクレームの起こった人達が多い様な気がする。何か挙って右派ぶる安倍晋三シンパの感じがしたのだが・・・安倍氏の力が衰えたと観ての行動かも知れない。
 それにしても安倍氏と云い麻生氏と云い二階氏と云い、もう政治の表からは消えて欲しい人材ばかりだ。元総理の森氏に似た老害に近い存在に為って来て居り、若手からの不満も高まり此処迄なのだろう。それにしても、余りにも世襲議員が多過ぎる。右を見ても左を見ても、前も後ろも全てが世襲議員なのだ。それも、マスコミを賑わす発言力・行動力も在る人達ばかりなのだ。これで新たな政治の道を志せられるのだろうか・・・矢張り統一野党に期待するしか無いのだろうか。






















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