2021年03月03日
丸川氏、7回続けて答弁拒否 選択的夫婦別姓の反対理由
丸川氏、7回続けて答弁拒否 選択的夫婦別姓の反対理由
朝日新聞社 3/3(水) 15:04配信
参院予算委で社民党の福島瑞穂氏の質問に答弁する丸川珠代男女共同参画担当相=2021年3月3日午後1時40分、恵原弘太郎撮影
3日に始まった参院予算委員会で、社民党の福島瑞穂党首は選択的夫婦別姓を巡り、丸川珠代男女共同参画担当相の姿勢を追及した。丸川氏は選択的夫婦別姓制度への反対を呼び掛ける書状に名前を連ねて居た事から、野党から女性の社会的地位向上を担う閣僚としての資質を疑問視する声が挙がっている。
福島市は「何故選択的夫婦別姓に丸川さんは反対なのか」と質問。丸川氏は「3月8日の国際女性の日にちなみ、福島先生がこれ迄男女格差の解消、男女共同参画の推進に取り組んでくださったことに心から敬意と感謝を表したいと思う」と前置きして答弁を始めた。
だが、夫婦別姓については「私には私の考えがあるのは確かですが、それはそれとして、私は大臣の任があるので大臣として確り務めを果たしたい」として答弁を拒んだ。福島氏は「何故選択的夫婦別姓に反対なんですか。答えてください」と改めて質問。丸川氏は「(男女共同参画担当の)職員にも、実は私の個人としての考えを伝えて居ない。私の意見に左右され無いで国の政策を進めて頂きたい」と説明した。
福島氏は「明確に答えて下さい。大臣の資質に関わる質問をしている。菅総理も上川大臣も夫婦別姓に賛成とかつて言ってますね・・・と云う事で答弁されて居る。丸川さんだけ答え無いのは可笑しい」と重ねて追及。
委員会室にも「担当大臣でしょう」とヤジが飛び、質疑は度々中断した。丸川氏は改めて答弁に立ったが「国民の皆さんが全てを理解されて居る訳では無い。先ず自分事として捉えて頂ける議論を後押ししたい」
福島氏は納得せず、選択的夫婦別姓に反対の理由を、7回に渉り丸川氏に質した。それでも丸川氏は「大臣として反対した訳では無いので、反対かどうかの答弁は出来ません」等と答弁を避け続けた為、福島氏は、過つて反対した理由を質問。丸川氏は「家族の一体感に付いて議論があって、コレは家族の根幹に関わる議論だなと云う認識を持った」と答弁した。
又、福島氏は「一般の人は通称も使え無い」として、通称使用による不便さも指摘。丸川氏も「大臣に就任して驚いた事がある。閣議でサインした時、本名・大塚珠代でした。(丸川と云う)旧姓で選挙をして居るので、非常に違和感があり内閣総務官室に可笑しいのではとお願いし、数年掛かったが、丸川珠代と書かせて貰った。通称使用の拡大はこれからも取り組んで行きたい」と答弁した。
これに付いて福島氏は「一般の人は通称使用するのも難しいんですよ」と指摘したが、丸川氏は「人格権の問題だと受け止めている人も居る。便利か不便かと云う話と人格権とは重さが違う」との認識を示した。
朝日新聞社
処でここで問題に為っ要るのが「選択的夫婦別姓」の問題です。それでは、夫婦同姓の不都合な点と選択的夫婦別姓の問題点を取り上げてみましょう。
2014/09/08 の議事より
選択的夫婦別姓とは
現行民法は、夫婦が婚姻前に決めた夫又は妻の氏を称する事としている(変更は出来ない・民法750条)その為、夫婦の別姓は原則出来無い。
しかし、選択的夫婦別姓は、夫婦が、婚姻の時に
〇 夫又は妻の氏を称する(同姓)か、
〇 各自の婚姻前の氏を称するか
を決めて、夫婦の氏に付いて夫婦の選択を認める制度である。
夫婦同姓の現状と選択的夫婦別性の課題
夫婦同姓の現状は、以下の通りである
旧姓を名乗りたい妻は、旧姓を通称使用して夫婦別姓と同じ状況として居る。又、夫の姓を選択する妻が夫婦の約9割を占めるが、夫又は妻のドチラかしか姓を選択出来無いのは、姓を選択する権利を侵害するとして、法改正を望む者が居る。
そして、夫婦共々が夫々受け継がれて来た氏を大切にしたいと思って居る人が増えて来て居り、氏の変更が結婚の障害と為って居るのが現状である。
選択的夫婦別姓にした場合の課題は以下の通り
@ 別氏夫婦の子供の氏はどう為るか
A 別氏夫婦の子供は一旦決めた氏を変える事が出来無いのか
B 選択的夫婦別姓の導入の前に結婚した夫婦は、別氏夫婦に為る事が出来るのか
選択的夫婦別姓の課題の検討とコメント
@に付いて、平成8年の法制審議会の答申によれば、夫婦が予め子供の名乗る氏を決めるとされ、又、子供が複数居る時には子供の氏は統一される。また、
Aに付いて、平成8年の法制審議会の答申によれば、子供に氏を変更する特別の事情が在る事と、家庭裁判所の許可が必要と為る。そして、
Bに付いて、平成8年の法制審議会の答申によれば、一定期間内に戸籍法の定めに従って、届出ることによって氏の変更が出来るとされている。
夫婦同姓は、氏が夫婦共同体を示すものと考えられて居た為、民法上夫婦同姓を原則としたものと考えられる。しかし、妻が一人っ子で夫の姓を名乗る事と為れば、旧姓を名乗る者が居なくなってしまい、旧姓を残して行きたい妻の意志を無視する事と為ってしまう。
又、旧姓に愛着のある者は、結婚に踏み切れ無く為り、事実婚を選ぶ夫婦が生じ、婚外子の遺産差別の問題を生じさせる事に繋がってしまう。従って、選択的夫婦別姓の法改正をしても好いのではないか。
夫婦別姓で問題と為ることは何か?
村上 臣(電脳コラムニスト) 2019/03/27 18:56
今日は、電脳コラムニストの村上です。個人的に注目していた訴訟ですが、25日に東京地裁で退けられました。2015年に最高裁が合憲と判断した「夫婦同姓」を巡り、別の論点から国相手の訴訟を起こして居たソフトウエア開発会社「サイボウズ」の青野慶久社長(47)等の訴えが25日東京地裁で退けられた。家族の在り方が多様化する中、司法判断の確定後も夫婦別姓を求める声は止まず議論は燻り続けている。(略)
夫婦の姓を巡って最高裁は2015年12月「夫婦同姓は日本社会に定着して居り、合理性がある」等として「夫婦は婚姻の際に夫又は妻の氏を称する」とする民法の規定を合憲と判断した。
そこで青野氏らは民法では無く戸籍法に着目。同法の規定では、日本人が外国人と結婚した場合、同姓か別姓かを選べる事に為って居るのに日本人同士の結婚で選択出来ないのは不平等だと主張した。
「夫婦同性は日本社会に定着して居る」のは確かにそうでしょう。しかしながら、近年のライフスタイルも変化して居り、家族の在り方も多様化しています。そもそも「夫婦同性」は明治期に施行された旧民法で規定され、今の民法にも継承されて居るものです。流石に明治期と現在では可成り時代が変化した訳で、改定の議論があるのも当然だと思います。
Memo 夫婦同姓何時から? 旧姓使用は徐々に拡大(Q&A) 2018年8月17日 20:34
夫婦の姓を巡る制度の歴史や最近の動きをまとめた
Q 夫婦が同じ姓を名乗る様に為ったのは何時からか。
A 江戸時代は武士等に限られて居た姓の使用が、明治時代に入って広く認められる様に為った。「夫婦同姓」は明治期に施行された旧民法で規定され今の民法にも継承された。
Q 旧姓が使え無い場面にはどんなものがあるか。
A 旧姓は飽く迄通称の為、運転免許証や健康保険証等では使え無い。パスポートでは外国で旧姓での活動実績がある場合等に、書類提出等を経て認められれば旧姓を併記出来る。
Q 職場での旧姓使用は広がって居るか。
A 2016年の内閣府の委託調査では、回答企業約4600社の内旧姓使用を認めて居るのは45.7%に上り、従業員が1千人以上の企業では67.0%に上った。国家公務員は2001年以降、職場での旧姓使用が認められて居るが、政府は2017年、対外的な文書 でも旧姓使用を原則認めると発表した。
Q 選択的夫婦別姓を巡る法改正の動きは。
A 女性の社会進出等に伴い、法制審議会が1996年に選択的夫婦別姓制度の導入を答申した。だが、家族の在り方や子供の姓の扱い等を巡って慎重意見が多く寄せられ、法案の国会提出には至ら無かった。 以上
例えば、ここ30年余りで共働き世帯は600万世帯から1200万世帯弱とホボ倍増して居ますし、都内に絞ってみれば49%の世帯が共働きと為って居ます。現状では法として夫婦別姓が認められて居ませんが、職場での運用状況はどうでしょうか。
結婚後も職場での呼び名に旧姓が使えた職場は約75%、使え無かった職場の5.6倍もあって可成り多い。旧姓を使い続ける事にした人と新姓に変更した人の割合は大体半々。旧姓を名乗ることは珍しく無く為っている。
何と、半分の人は旧姓を利用し続ける事を選択して居ました。
意外と多いと感じる方も多いのでは? 新姓を選択した人も「職場で認められ無かった」「結婚を報告したら自動的に戸籍名に変更された」等、職場環境や職場の方針等を理由とする回答が多くを占めました。
旧姓を利用するメリットとしては
⊡ 改姓前から付き合いの有る仕事関係者に同一人物と認識して貰える為
⊡ 取引先・顧客等社外の人に姓が変わった事を伝え無くて好い為
⊡ 結婚・離婚等のプライベートな情報を知られたく無い為
等が挙げられて居ます。個人的にはキャリア育成上もメリットが多く、寧ろ急姓と新姓で分断されてしまうと不都合が生じる局面もあります。
⊡ 掲載されたインタビューや論文等の実績が名前の違いで分かれてしまう
⊡ 特許は戸籍名が必須の為、旧姓利用をしている場合は説明が面倒
⊡ ホテルの予約をクレジットカードですると戸籍名に為ってしまい、出張時には困ることがある
⊡ 旧姓と新姓を繋げる証明書が、戸籍謄本しか無い(最近はパスポートに併記出来る様には為りましたが)
デメリットに付いては幾らでも書けそうです。何故なら、私も提訴した青野さんと同じく、旧姓・村上でズッと仕事をして居るからです。状況としては女性と結婚し子供が居ると云う家族ですが、家では新姓・職場では旧姓で使い分けています。
仕事関係の友人と子連れで遊ぶ時は、当然旧姓で呼ばれる訳ですが、子供に取ってみれば聞き慣れ無い名前で呼ばれる訳です。それで何か問題があるかと云うと全く無く「お父さんは仕事では結婚前の名前のママなんだよー」とスンナリ理解して居ます。
私の経験上、夫婦同性を強制された事によるデメリットは山程ありましたが、別姓で課題を感じたことは皆無です。今回の議論も「選択的夫婦別姓」ですので、同性が好い人はそうすれば好いですし、別姓が好い人はそれを選べる様にするだけ。これだけ旧姓利用が一般的に為っている現在においては、十分に「日本社会に定着して居る」と言えるのではないでしょうか?
以上
政治家として活躍されている丸川珠代氏が大臣就任前に「選択的夫婦別姓」反対の署名を地方議員に「賛成しないでください」と送ったそうです。彼女としては、右側の支持者へのサービスの意味も在ったのでしょうが、彼女が反対する筈も無い(男女共画担当大臣)に関わる別姓使用の自由を、敢えて封じたのは特に不自然な行動だった・・・と、男女共画担当大臣に相応しく無いと福島瑞穂氏は追及した訳です。
彼女の本名は「大塚珠代」さんで、前職の放送関係時代から選挙にも別姓の「丸川珠代」を通していたそうです。二枚舌とも取れる今回の二重スタンダードに付いては、彼女の腰と口の軽さを露呈してしまった様です。何かと言葉尻を取られ無い様にとの可笑しな言動が、国民にも異様な雰囲気を与えてしまった様です。
菅総理の又しても失点と為りました。これではナカナカ挽回も困難な様です。恐らく農水相・総務相・オリンピック相の辞任と続き、延いてはオリンピック中止の責任を取らされて・・・との腹を括ら無ければ為らないかも知れません。
以上
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