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ハナブサチロロ
世田谷区出身。
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2018年12月04日

標榜語をモットーと読む

先日、午後、上野に向かった。
旧博物館動物公園駅駅舎を舞台にした鑑賞型のインスタレーション「アナウサギを追いかけて」(作・演出:羊屋白玉)を観たかったからだ。しかし、予想はしていたがその日の定員に達していたため入れず。

近くの国立国会図書館国際子ども図書館にて展示会「『赤い鳥』創刊100年―誌面を彩った作品と作家たち」を観た。
1918年(大正7年)に創刊された雑誌「赤い鳥」で活躍した作家や作品が紹介されている。
当時の標榜語(モットー)を読むと檄文のような強い文章である。大人に成長していく少年少女を思う気持ちが漲り、単なる雑誌ではなく文学運動の一環であることを知った。
貴重な作品が並ぶ中、「一に十二をかけるのと十二に一をかけるのと」(久保田万太郎著)という面白いタイトルが目に入った。1948年(昭和23年)に文学座で上演されている(作:久保田万太郎 演出:戌井市郎)。どんな物語なのだろう。

夜は日暮里の焼鳥屋「助平」。旨い。
店を出て西日暮里まで散歩。
途中、24時間営業の「一由そば」が気になったが帰宅。

2018年11月26日

飾らない美しさ

先日、初めて箱根の大涌谷を訪れた。
名物の黒たまごを食べたいと思ったからだ。
景色はさほど期待していなかった。
黒たまごは確かに美味しかったが、大涌谷の姿に目を奪われた。
地球の命を感じる。安全に整備された場所ではあるが怒らせてはいけない、とただただ思う。
やはり人間は小さいのだ。

写真 2018-11-24 14 15 51.jpg

強羅の太陽山荘に一泊。湯もいいし、飯が旨い。華美に飾らない感じがとてもいい。
いたるところに草花が配置されて、癒された。

翌日は箱根菜の花展示室で「阪口鶴代の絵。」を見る。
アルシュ紙に天然岩絵具で塗られ、そして削られた作品の佇まいが美しかった。
まるで土壁のような風合いだ。アルシュ紙はコットン100%のとてもポピューラーで版画にも適しているという。
青色が何かを発しているようだが、それが何だかわからず、何周か回って作品を見る。
時間さえあれば、ずっと回ってしまうのではないかと思った。
自ずと、いつか何かを見た感覚、印象がふっと寄ってはまた遠ざかってゆく。

このギャラリーもとても素敵な空間だった。何かを祝っているような空間だ。
演奏を聴きながら食事をしながら喜びを分かち合うような空間だった。
来て良かった。

写真 2018-11-25 11 17 48.jpg


2018年11月18日

HOPE

昨日はインフルエンザ予防接種のため下北沢へ。
お昼は久しぶりに淡島通り沿いの蕎麦屋・富田屋へ行き、牡蠣南蛮せいろを食べる。
牡蠣はぷりぷりで旨い。蕎麦は当然旨い。

渋谷へ移動してCASE TOKYOで浜口タカシ追悼特別展を見る。
報道写真であると同時に映画のワンシーンのような衝撃。
ダイナミックな遠近。近づく、離れるのフットワーク。炎と煙のロック感。
表情が写っていない機動隊員に笑みを浮かべたような学生が煙草を差し出す一枚がある。挑発なのかジョークなのか。
時代の一瞬、人間の呼吸を感じる。(煙草の銘柄はHOPEだった。)

夜は豪徳寺の太勇へ。
相撲を見ながらの熱燗が心地良い。

2018年11月09日

絵が躍る

ギャラリーゴトウにて蟹江杏展。

丁寧にしっかり色が塗ってある。色がエネルギーを発している。
いつもの版画以上に躍動感を感じた。筆が躍っているのか。
動いているようで音楽が鳴っているようで。それこそアニメーションのようでもある。
いや、みんなが寝静まった頃、動いているに違いない。

夜は下北沢のLADY JANE、祖師ヶ谷大蔵の古代楼で少し飲み過ぎた。

2018年09月18日

モネと

横浜美術館にて「モネ それからの100年」を見る。
配置なのか、順路なのか、モネに集中できない。

ただ企画展としては、鈴木理策「水鏡」、アンディ・ウォーホル「花」「フラッシュ」、荒木経惟「複写美人」シリーズ、井上安治「銀座商店夜景」、ウジェーヌ・アジェ「ヴェルサイユ」、アンドレ・ケルテス「ムードン」「割れた板ガラス」などを見ることができて良かった。

ウォーホル作品はやはり色のメリハリで絵画とグラフィックのギリギリを攻めている感じがする。
アラーキーは複写でさらに作品の質感をアップさせている。
明治の浮世絵師・井上安治は相当暗かったであろう銀座の店の灯りが見事に描かれている。凄い技法だ。
ウジェーヌ・アジェ、アンドレ・ケルテス作品は共に映画のスチールのようだった。

心に残る印象というものが真に美しく鮮やかなものなのだろうな、と感じた。

2018年09月12日

GLORIA*Heaven

先日は伊勢丹新宿店アートギャラリーにて寺門孝之絵画展「GLORIA*Heaven」を見た。
透明感ある色が美しく、身に纏えそうなデザイン感。繊細で大胆で優しく、暗い世界に天使がじんわりと舞い降りそうな灯を感じる。
wakka (伊藤真澄・Chima・SAyA)とのライブペインティングも楽しいひと時だった。

夕飯は久々に千歳船橋のすがやで。また旨くなってる。

2018年06月24日

血とエレジー

昨日はしっかりとした雨が降っていた。
しかし、もうすぐ梅雨は明けるという。
ゾッとするような暑さを想像する。
靴がびしょびしょになりながらも松陰神社前のnostos booksに行き、上村一夫原画展「血とエレジー」を見た 。
描かれている女性の目、眉、睫毛、唇、黒髪、さらにはタバコの煙、影にゾクゾクした。
浮世のスローな1カットという感じ。
確かに昭和のイメージが強い。
一方で、この雰囲気は消えていきそうで消えていかないような気もする。
こんな雨の中、路地を歩けばまだ出会えるのでは、と思った。

この辺りの呑み屋はなかなか入りづらそうなので
豪徳寺の太勇へと逃げた。

釜揚げシラスとすりおろした大根が旨く、酒が進む。
炒めたズッキーニって旨いなと、しみじみ。

店を出る時、雨は上がっていた。

写真 2018-06-23 17 38 51.jpg

2018年06月04日

DAYS

三軒茶屋の生活工房にてDAYS JAPAN 写真展2018を見た。
恐怖と不安の中で人々が逃げる。逃げることのできない人もいる。枯れることのない涙。
そんな中で異質なのは豪華絢爛なドバイの写真。異質過ぎて気味が悪い。
いずれも地球の「今」なのだ。
写真は残酷にもクリアに情報を全世界に発信している。
人々の瞳は何も語らないが気持ちが迫ってくる。

暑くて茶沢通りの西友でお茶を買ってぼーっと立ち尽くすしかない。

2018年04月15日

氾濫

昨日はCASE TOKYOにて中平卓馬「氾濫」。
少しづつ朽ち果てて新たに生まれてくるはずの街。
入り組んだ見えづらいものを排除し、一気に整備しキレイキレイに見せていく世の中。
そこにカメラを向けてもつまらない今。
情報だけはあふれ続け、拾う気にもなれない。

やはりさすが「カメラになった男」。
とても昔の写真なのに時代の先端を行く勢いを感じた。

夕飯は豪徳寺のいつもの太勇。
カツオ刺し、竹の子煮、ふき煮、里芋とイカ煮、から揚げ、
どれも旨くて思わず食べ過ぎてしまうのだった。

2018年03月29日

試写室をちょっと抜けてアールグロリューギャラリー・オブ・トーキョー(GINZA SIX 5F)にて『 杏 』蟹江杏20周年新作展を見る。
今まで以上に大胆にして繊細、最高に色鮮やかで深度が増していた。
喜びも悲しみも溶け合っている。
百貨店、劇場、レストラン、酒場、人のドラマが繰り広げられる場所に飾って欲しい作品たち。
スゴイの一言。
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