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<みんなの意見は案外正しい> ジェームズ・スロウィッキー





知的好奇心をくすぐるタイトルの一冊です。

何かのノウハウが得られるわけではありませんが、読み物としてはなかなか面白い一冊で、
みんなの意見が個人の意見よりも優れた結果を残したパターンや逆によくない結果を残したケースなどを分析して説明しています。

全体を通しての印象は、普通の人がたくさん集まったものは「大衆」「群衆」といったそれほど大したものではないというイメージだが、そんな「みんなの意見」は「案外」正しい、といったところでしょうか。

賛否両論あるかと思いますが、「みんなの意見」や人の心理を学ぶことができる一冊です。



印象に残った点は以下の通りです。



専門家を追いかけることは間違いであり、その代わりに集団に答えを求めるべきである


ある程度の規模があって、多様な人々を集めた集団の多くは素晴らしい意思決定を下す


ただ、集団にも色々なタイプがあり、集団の知恵が奏功するのはケースバイケースである


1.意見の多様性があり、
2.他者の考えに左右されない独立性があり、
3.身近な情報に特化し、それを利用できる分散性があり、
4.個々人の判断を集計して集団として一つの判断に集約する集約性

この4つの要件を満たした集団は正確な判断を導きやすい



専門家の決定は深刻な間違いをはらんでいる

専門家は自分の見解がどれくらい正しいかを推し測ることが驚くほど下手である


すばらしい専門家なら確度の高い予測ができる、という証拠はない



集団の論理:自分の意見が正しいと確信していても集団の論理に従ってしまう


集団の知恵が成功したケース
・パソコンのOSであるリナックス
・SARSの原因であるウィルスの発見(各研究所が独自に研究し、その結果や意見を共有・交換した)



映画は昼の時間と夜の時間では料金が異なっているが、映画そのものによって料金が異なることはない
映画館は需要と供給のバランスをとることができていない



人間は完全には理性的な存在ではない

自分にとってはまったくメリットがないのに、悪い行いには制裁を加えたいといった気持ちを持つ



税金を負担してもらうためには3つの信頼が必要である
1.人々が周りの人間をある程度信頼し、正しいことを行ない、相応の義務を果たすと信じられていること
2.税金で得た資金を賢く、国益にかなう形で使ってくれると信じられていること
3.国家が悪者を探し出して罰してくれる一方で、罪のない市民を罰しないと信じられていること



「民主主義は最悪の政体である。これまでに試された過去のあらゆる政体を別にすれば」(チャーチル)



※昨日の巨大地震の被害状況にただただ驚くばかりです。
千葉に住んでいる知人の安否確認ができ、ひとまずほっとしておりますが、
多くの方々が被害に遭われていることも報道されており、胸が痛い思いです。


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