2010年05月30日
<即戦力の人心術> マイケル・アブラショフ
上司が部下とどのように付き合っていったらよいかについて、
元アメリカ海軍艦長がその実践経験をさまざまな功績、効果とともにかきつづった一冊です。
アメリカ海軍と聞けば世界有数の力を誇っていますが、
海兵には様々な背景を持った人で構成されており、
その内実には多くの問題を抱えています。
本を読めばよくわかりますが、
まさにマニュアルや規律に縛られた大企業病の状態です。
その環境に風穴を空けてきた著者のストーリーが書かれています。
基本姿勢は、部下の話を聞きいれて、その能力を最大限に引き出すというものです。
軍隊と言うと一見特殊な環境かと思ってしまうが、
この本を読んでみると決してそんな事はありません。
ビジネスとの違いは、海軍には売上がないということくらいでしょうか。
それを除いては企業となんら変わりません。
人心術というテクニック・ノウハウがあるというよりも
部下との付き合い方で持つべきマインドが書かれています。
リーダーとして持つべき心構えとして参考になる一冊です。
印象に残ったポイントは以下の通りです。
上司から大切に扱ってもらえないことが離職理由になる
部下に呼びかける言葉
「何をするにも必ずもっと良い方法があると考えよ」
「君がしている仕事で、もっと良いやり方はないか」
絶えず繰り返すべき3つの自問自答
1.目標を明確に示したか
2.その任務を達成するために、十分な時間と資材や材料を部下に与えたか
3.部下に十分な訓練をさせたか
人の名前を覚える
相手の話を聞く姿勢を持つ
部下に魅力的な仕事の理想像、仕事に誇りを持つに足る理由を与える
「知っているはず」という思い込みほど恐ろしいものはない
悪い知らせほどすぐ伝わるシステムを築く。
大切なのはお互いの信用を築いておくこと
(部下)上司にトラブルを報告すれば感情的にならず、解決に動いてくれる
(上司)何かうまくいっていないことがあれば、部下は必ず報告してくる
規則は「厳然たる法」ではなく、「指針」として扱われるべきである
マニュアルの中で立ち止まってはいけない
マニュアルはすぐ腐る
マニュアルは及び腰な行動の原因になる
称賛は懲罰よりもはるかに生産的である
この事実を口先だけではなく、実行することが大事である
前向きで直接的な励ましこそが効果的なリーダーシップである
部下の評価が正しく行なえたかどうかを見極めるカギは自分の部下に点数を与えた時、部下が驚くかどうかでわかる
驚いたのならば、それは部下とのコミュニケーションが不足していたことに他ならない
(訳者:吉越浩一郎より)
働く環境をオープンかつフェアなものにすること
「ボトムアップ」が良いか、「トップダウン」が良いか、という議論はナンセンス
トップがボトム(現場)に情報を取りに行く姿勢とプロセスが重要である
すべての仕事にデッドライン(締め切り)をつける
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