2018年12月14日
ピッケル 最初の1本には「ブラックダイヤモンド レイブン」を勧める理由
リクエストを受けて2月に書きかけたまま・・・
すでに夏が過ぎ、秋も過ぎて雪山シーズン突入。
仕事の遅いほーちゃんです。。。
本格的な雪山をやろうと思えば必要となってくるのが、山屋の魂とも言われる「ピッケル」
(乗鞍岳をバックに)
古くからアルピニストの象徴ともなってきたピッケル。
元々は杖としての役割が大きかったのが、用途に応じて「縦走用」や「登攀用」など、その姿も細分化されてきています。
さて、初心者が選ぼうと思った時にはどう選んだらいいでしょう?
まず最初に買ったのがブラックダイヤモンドの「レイブン プロ(70cm)」
次に買ったのが、同じくブラックダイヤモンドの「ベノム・アッズ(57cm)」
タイトルに書いたレイブンよりプロの方が軽いので、軽さ重視で買いました。
後述しますが、ピッケルの場合は軽ければいいと言うわけではありません。
また、見てのとおりシャフトを短く切り落としています。
「手に持って、先端がくるぶしくらいの長さ」を忠実に守って買ったのが「70cm」
次に買ったベノムは「57cm」
この長さも色々意見が分かれるところ。
何故、このピッケルを選んだか?
何故、シャフトを切っちゃったか?
2本目はどういう基準で選んだか?等々の切り口で選び方を見ていきたいと思います。
何故ブラックダイヤモンドのレイブンがおすすめなのか?
一言で言えば、「シンプルで万人向け、価格がお手頃」だから。
初めの1本を選ぼうとしている人は、いきなり「アイスクライミングをしよう!」と言う人はまず居ないでしょう。
大抵は一般的な雪山登山を考えていると思います。
っで、経験を重ねながら「こんな山にも登ってみたい」「もっとレベルアップをしたい」と自分の進む方向性を見極めていく人が大半だと思います。
それであれば、いきなり特化したものを手にするよりかは、オーソドックスなものを選ぶ方が適用範囲も広く、長く使えます。
ピッケルの用途は色々ですが、初心者がまず臨む雪山では「杖」としての役割が大きいでしょう。
平坦な所であればストックの方がバランスをとって歩きやすいですが・・・
ピッケルは傾斜地で滑らないように、主にシャフトを雪に刺して支持力を得て体を支えます。
ならば曲がったシャフトよりも真っ直ぐなシャフトの方が扱いやすいです。
と言うことでストレートシャフトの代表格「レイブン」もしくは「レイブンプロ」
他のメーカーでもストレートシャフトの物はありますが、私がおすすめする理由は3つ。
@ 価格が手ごろで買い替えを考えた時に後悔しにくい
A 長さのラインナップが55cm〜80cm(レイブンプロは50〜75)まであり、最適な長さを選びやすい
B 握り手にくびれがあり、握りやすい。
特にこのBは重要!
手の大きい人はあまり気にならないかもしれませんが、お店で握り比べてみてください。
シャフトにくびれがなく、太いものは指の股に結構違和感があります。
ピッケルは行動中ずっと手に握っています。
私は末端冷え症なので、このちょっとした食い込みでも血流が悪くなります。
レイブンの持ち手
握った感じ
グローブをして撮ったら全然わからなくなったので素手で撮りましたが・・・
くびれが無いと中指と薬指に結構圧迫感があります。
「レイブンプロ」を買っておきながら「レイブン」がおすすめと言っているのは、単純に「レイブン」の方が安いからです。
どっちでもいいです。
なんて言ったら怒られそうですね(^^;
「レイブン」と「レイブンプロ」の違いは
@ 重さ
A ヘッドの大きさ
B 価格
です。
「レイブンプロ」は「レイブン」のヘッドとスパイクを小型化した軽量モデルです。
ピックが短いと言うことはピックを刺した時の制動力に影響します。
ブレードが小さいと言うことは足場カットなどの作業性に影響します。
スパイクが小さいと言うことは雪への刺さりやすさに影響します。
ただ、「レイブン」と「レイブンプロ」であればこの大きさの違いはそれほどでもないと思います。
後はヘッドの重さ。
「軽ければいいと言うものではない」と言いましたが、ヘッドはある程度の重量がある方が振りやすいです。
ブレードを使ってカッティングする場合、ヘッドが重ければ振り子の原理であまり力を入れなくても雪に食い込みます。
ヘッドが軽いと腕の力で振り込まないといけません。
以前に色んなピッケルで振り比べをしたことがありますが・・・
やっぱり重たい物の方がカッティングはしやすい。
レイブンプロは腕力を使うと感じました。
ちなみに、シャフトの形状もストレートシャフトの方がカッティングしやすいです。
ベントシャフトは思っている所にうまく命中しづらい。
曲がっている分を考慮しないといけません。
山を始めたころの私はとにかく体力が無くて・・・
扱いやすさどうこうよりも、とにかく「軽さ」重視で「レイブンプロ」を買いました。
っで、カッティングするような場面はほぼ無く・・・
十分、満足しています。
ただ「レイブン」の方がオールラウンダーで価格も安いです。
そう言う意味合いで「まず最初の1本」には「レイブン」がお勧め。
「いや、見た目にカッコイイものがいいんだ!」
と言う方は、そういう選び方もありますよ(^^)
「軽ければいいと言うものではない」の理由として「強度」にも影響します。
強度のあるものは必然的に重くなります。
シャフトやヘッドに刻印されている「B」とか「T」と言うアルファベット。
気になっている方もいるかと思います。
「B」は「ベーシック」
「T」は「テクニカル」
の略で、ピッケルの使用における耐久性の規格を示したものです。
★アルテリア(ぺツル)のカタログの抜粋
「T」の方が「B」より耐久性は上で重量も重くなります。
ただし、ほとんどの縦走用のピッケルは「B」です。
アイスクライミングをするとか、MIXルートで岩の割れ目にピックをかけて登るとか、ピッケルをアンカーに使うとか・・・
相当な負荷が想定される場合は「T」が必要になりますが、普通に(何をもって普通と言うかは色々ありますが・・・)「雪山に登る」と言う用途であれば「B」で十分です。
ピッケルの長さはどうやって選べばいいのか?
一番色んな意見が飛び交っている項目ですよね。
長い方がいいとか、いやいや短い方がいいとか・・・
基本として言われているのは「手にぶら下げて先端(石突)がくるぶしくらい」の長さと言われています。
っで、その通りに買ったのは70cm。(身長167cm)
持って歩いている分には「こんなもんかなぁ〜」と思っていました。
ザックに取り付けた状態は・・・・長い!
石突が上に飛び出ていました。
ザックが初代タロンだ。懐かしい。。。
障害物がある所ではこの飛び出した長いシャフトが引っ掛かる。。。
「傾斜地で使うことが多いから、そんなに長いのは要らないよ」
と言われました。
確かに「杖」と言えども緩やかな地形ではピッケルの先端が地面に届かず、手に持って歩いている。
地面に着いたところで、ストックみたいにバスケットが無いからずぶずぶと雪に刺さっていく。
(ピッケルに装着するバスケットもあります)
要はストックのような役割をするわけではないんです。
ピッケルが力を発揮するのは滑落の可能性のある傾斜地。
片流れ斜面のトラバースであったり、急斜面の上り下りだったり。
傾斜がきつければきついほど、ピッケルを持った手を高く上げないと雪に刺せない。
取り回しのしやすさはやはり短めに軍配が上がります。
滑落停止の体勢を取るにしても長すぎると体の幅からはみ出し引っかかりやすくなります。
短すぎるのも滑落停止の体勢を取りにくくなる。
なので、買替を考えた時に収まりのいい長さとして57cmを選びました。
上記でも若干触れましたが、シャフトには真っ直ぐなものと曲がっているものがあります。
どのようなメリットとデメリットがあるでしょう?
・シャフトを刺して使うときに使いやすい
雪に刺しやすく、杖として荷重をかけやすい。
スタンディングアックスビレイ等アンカーにした時に力が真っ直ぐにかかる(回転しない)
・カッティング等振って使うときに使いやすい
曲がっていると命中しにくい
・耐風姿勢を取りやすい
曲がっているとバランスを取りにくい
・急斜面では扱いにくい
ダガーポジションがしにくい
シャフトの上部(ピック下)を持ってピックを打ち込む時、雪に拳がもろ当たる
ベントシャフト(曲がったシャフト)のメリット、デメリットは基本的にストレートシャフトの逆となります。
簡単に言うと
ストレートシャフトは縦走向け
ベントシャフトはテクニカルルート向け
とも言えます。
ハッキリと目標にする山が決まっているのであれば、最初からベントシャフトでもいいと思います。
これから雪山を始めたいけど、何がいいかなぁと思っているのであれば、基本動作がしやすいストレートシャフトを選ばれる方がいいと思います。
2本目に「ベノム・アッズ」を買った理由。
それはまさしく先述したストレートシャフトのデメリットでした。
行く山のグレードが上がり、急傾斜やミックスルートを行くときにピックやシャフトに不満を感じたから。
ベントシャフトだとシャフト上部を握ってピックを打ち込みながら登る時の拳の負担がかなり減りました。
レイブンだともろに雪を殴りながら登っている感じ。
でも、ベノムくらいの曲がり具合であればストレートの扱いやすさも残しつつ、テクニカルでも使える感じです。
ダガーポジション
写真では分かりにくいですが・・・
右手に持っているのがストレートシャフトで左手に持っているのがベントシャフト。
右手は拳が雪に当たり、石突は雪に刺さっていない。
左手は拳は雪に触れているが、シャフトに空間があり、石突が雪に刺さっている。
ちなみにリーシュはハーネスにつないでいます。
また、アイスや岩が出てきたときにレイブンプロのピックではちょっと弱い。
ベノムのピックは鋭く刺さりやすいですが、反面、柔らかい雪だとほとんど効かないと言うデメリットもあります。
でも、そう言う雪ならピックよりスピッチェ(石突)を使う場面の方がほとんどかな。
上がベノム
下がレイブンプロ
次に買ったベノムも割とオールマイティなので・・・
レイブンプロは山スキー用に短く切っちゃいました。
スピッチェ側も鉄鋼関係の仕事をしている知人にヘッドを付けてもらって沢バイルに変身。
と言うことで・・・
初心者におすすめなのは癖のない、オーソドックスで、お手頃価格なもの。
安さで言えば・・・
オクトス・オリジナルピッケルなどもありますが。
やっぱり持ち手にくびれのあるブラックダイモンドのレイブンをお勧め!
あと付属品としてはリーシュやカバーが必要になります。
カバーはポケットにくちゃっと入れられるマジックマウンテンのアックスヘッドカバーが好き。
お値段もお手頃です。
樹脂製の物と違って劣化もしません。
リーシュはブラックダイヤモンドのロックダウンリーシュを使っています。
テンションがかかると手首にきゅっと締まります。
スライダーリーシュは締め忘れのすっぽ抜けが気になって。
肩掛けにしたい時はこれにカラビナでスリングとつなげて使います。
長くなってしまうので、付属品について詳しくは別の機会で。
いつになるかな・・・
登山ランキング
すでに夏が過ぎ、秋も過ぎて雪山シーズン突入。
仕事の遅いほーちゃんです。。。
本格的な雪山をやろうと思えば必要となってくるのが、山屋の魂とも言われる「ピッケル」
(乗鞍岳をバックに)
古くからアルピニストの象徴ともなってきたピッケル。
元々は杖としての役割が大きかったのが、用途に応じて「縦走用」や「登攀用」など、その姿も細分化されてきています。
さて、初心者が選ぼうと思った時にはどう選んだらいいでしょう?
私のピッケル
まず最初に買ったのがブラックダイヤモンドの「レイブン プロ(70cm)」
次に買ったのが、同じくブラックダイヤモンドの「ベノム・アッズ(57cm)」
タイトルに書いたレイブンよりプロの方が軽いので、軽さ重視で買いました。
後述しますが、ピッケルの場合は軽ければいいと言うわけではありません。
また、見てのとおりシャフトを短く切り落としています。
「手に持って、先端がくるぶしくらいの長さ」を忠実に守って買ったのが「70cm」
次に買ったベノムは「57cm」
この長さも色々意見が分かれるところ。
何故、このピッケルを選んだか?
何故、シャフトを切っちゃったか?
2本目はどういう基準で選んだか?等々の切り口で選び方を見ていきたいと思います。
初心者におすすめの1本 ブラックダイヤモンド「レイブン」
何故ブラックダイヤモンドのレイブンがおすすめなのか?
一言で言えば、「シンプルで万人向け、価格がお手頃」だから。
初めの1本を選ぼうとしている人は、いきなり「アイスクライミングをしよう!」と言う人はまず居ないでしょう。
大抵は一般的な雪山登山を考えていると思います。
っで、経験を重ねながら「こんな山にも登ってみたい」「もっとレベルアップをしたい」と自分の進む方向性を見極めていく人が大半だと思います。
それであれば、いきなり特化したものを手にするよりかは、オーソドックスなものを選ぶ方が適用範囲も広く、長く使えます。
ピッケルの用途は色々ですが、初心者がまず臨む雪山では「杖」としての役割が大きいでしょう。
平坦な所であればストックの方がバランスをとって歩きやすいですが・・・
ピッケルは傾斜地で滑らないように、主にシャフトを雪に刺して支持力を得て体を支えます。
ならば曲がったシャフトよりも真っ直ぐなシャフトの方が扱いやすいです。
と言うことでストレートシャフトの代表格「レイブン」もしくは「レイブンプロ」
他のメーカーでもストレートシャフトの物はありますが、私がおすすめする理由は3つ。
@ 価格が手ごろで買い替えを考えた時に後悔しにくい
A 長さのラインナップが55cm〜80cm(レイブンプロは50〜75)まであり、最適な長さを選びやすい
B 握り手にくびれがあり、握りやすい。
特にこのBは重要!
手の大きい人はあまり気にならないかもしれませんが、お店で握り比べてみてください。
シャフトにくびれがなく、太いものは指の股に結構違和感があります。
ピッケルは行動中ずっと手に握っています。
私は末端冷え症なので、このちょっとした食い込みでも血流が悪くなります。
レイブンの持ち手
握った感じ
グローブをして撮ったら全然わからなくなったので素手で撮りましたが・・・
くびれが無いと中指と薬指に結構圧迫感があります。
レイブンとレイブンプロの違い
「レイブンプロ」を買っておきながら「レイブン」がおすすめと言っているのは、単純に「レイブン」の方が安いからです。
どっちでもいいです。
なんて言ったら怒られそうですね(^^;
「レイブン」と「レイブンプロ」の違いは
@ 重さ
A ヘッドの大きさ
B 価格
です。
「レイブンプロ」は「レイブン」のヘッドとスパイクを小型化した軽量モデルです。
ピックが短いと言うことはピックを刺した時の制動力に影響します。
ブレードが小さいと言うことは足場カットなどの作業性に影響します。
スパイクが小さいと言うことは雪への刺さりやすさに影響します。
ただ、「レイブン」と「レイブンプロ」であればこの大きさの違いはそれほどでもないと思います。
後はヘッドの重さ。
「軽ければいいと言うものではない」と言いましたが、ヘッドはある程度の重量がある方が振りやすいです。
ブレードを使ってカッティングする場合、ヘッドが重ければ振り子の原理であまり力を入れなくても雪に食い込みます。
ヘッドが軽いと腕の力で振り込まないといけません。
以前に色んなピッケルで振り比べをしたことがありますが・・・
やっぱり重たい物の方がカッティングはしやすい。
レイブンプロは腕力を使うと感じました。
ちなみに、シャフトの形状もストレートシャフトの方がカッティングしやすいです。
ベントシャフトは思っている所にうまく命中しづらい。
曲がっている分を考慮しないといけません。
山を始めたころの私はとにかく体力が無くて・・・
扱いやすさどうこうよりも、とにかく「軽さ」重視で「レイブンプロ」を買いました。
っで、カッティングするような場面はほぼ無く・・・
十分、満足しています。
ただ「レイブン」の方がオールラウンダーで価格も安いです。
そう言う意味合いで「まず最初の1本」には「レイブン」がお勧め。
「いや、見た目にカッコイイものがいいんだ!」
と言う方は、そういう選び方もありますよ(^^)
強度も重さに影響 ヘッドの「B」と「T」の違い
「軽ければいいと言うものではない」の理由として「強度」にも影響します。
強度のあるものは必然的に重くなります。
シャフトやヘッドに刻印されている「B」とか「T」と言うアルファベット。
気になっている方もいるかと思います。
「B」は「ベーシック」
「T」は「テクニカル」
の略で、ピッケルの使用における耐久性の規格を示したものです。
★アルテリア(ぺツル)のカタログの抜粋
「T」の方が「B」より耐久性は上で重量も重くなります。
ただし、ほとんどの縦走用のピッケルは「B」です。
アイスクライミングをするとか、MIXルートで岩の割れ目にピックをかけて登るとか、ピッケルをアンカーに使うとか・・・
相当な負荷が想定される場合は「T」が必要になりますが、普通に(何をもって普通と言うかは色々ありますが・・・)「雪山に登る」と言う用途であれば「B」で十分です。
長さはどう違う?
ピッケルの長さはどうやって選べばいいのか?
一番色んな意見が飛び交っている項目ですよね。
長い方がいいとか、いやいや短い方がいいとか・・・
基本として言われているのは「手にぶら下げて先端(石突)がくるぶしくらい」の長さと言われています。
っで、その通りに買ったのは70cm。(身長167cm)
持って歩いている分には「こんなもんかなぁ〜」と思っていました。
ザックに取り付けた状態は・・・・長い!
石突が上に飛び出ていました。
ザックが初代タロンだ。懐かしい。。。
障害物がある所ではこの飛び出した長いシャフトが引っ掛かる。。。
「傾斜地で使うことが多いから、そんなに長いのは要らないよ」
と言われました。
確かに「杖」と言えども緩やかな地形ではピッケルの先端が地面に届かず、手に持って歩いている。
地面に着いたところで、ストックみたいにバスケットが無いからずぶずぶと雪に刺さっていく。
(ピッケルに装着するバスケットもあります)
要はストックのような役割をするわけではないんです。
ピッケルが力を発揮するのは滑落の可能性のある傾斜地。
片流れ斜面のトラバースであったり、急斜面の上り下りだったり。
傾斜がきつければきついほど、ピッケルを持った手を高く上げないと雪に刺せない。
取り回しのしやすさはやはり短めに軍配が上がります。
滑落停止の体勢を取るにしても長すぎると体の幅からはみ出し引っかかりやすくなります。
短すぎるのも滑落停止の体勢を取りにくくなる。
なので、買替を考えた時に収まりのいい長さとして57cmを選びました。
シャフトの形状は?(真っ直ぐか、曲がったものか)
上記でも若干触れましたが、シャフトには真っ直ぐなものと曲がっているものがあります。
どのようなメリットとデメリットがあるでしょう?
ストレートシャフトのメリット
・シャフトを刺して使うときに使いやすい
雪に刺しやすく、杖として荷重をかけやすい。
スタンディングアックスビレイ等アンカーにした時に力が真っ直ぐにかかる(回転しない)
・カッティング等振って使うときに使いやすい
曲がっていると命中しにくい
・耐風姿勢を取りやすい
曲がっているとバランスを取りにくい
ストレートシャフトのデメリット
・急斜面では扱いにくい
ダガーポジションがしにくい
シャフトの上部(ピック下)を持ってピックを打ち込む時、雪に拳がもろ当たる
ベントシャフト(曲がったシャフト)のメリット、デメリットは基本的にストレートシャフトの逆となります。
簡単に言うと
ストレートシャフトは縦走向け
ベントシャフトはテクニカルルート向け
とも言えます。
ハッキリと目標にする山が決まっているのであれば、最初からベントシャフトでもいいと思います。
これから雪山を始めたいけど、何がいいかなぁと思っているのであれば、基本動作がしやすいストレートシャフトを選ばれる方がいいと思います。
「ベノム・アッズ」を買った理由
2本目に「ベノム・アッズ」を買った理由。
それはまさしく先述したストレートシャフトのデメリットでした。
行く山のグレードが上がり、急傾斜やミックスルートを行くときにピックやシャフトに不満を感じたから。
ベントシャフトだとシャフト上部を握ってピックを打ち込みながら登る時の拳の負担がかなり減りました。
レイブンだともろに雪を殴りながら登っている感じ。
でも、ベノムくらいの曲がり具合であればストレートの扱いやすさも残しつつ、テクニカルでも使える感じです。
ダガーポジション
写真では分かりにくいですが・・・
右手に持っているのがストレートシャフトで左手に持っているのがベントシャフト。
右手は拳が雪に当たり、石突は雪に刺さっていない。
左手は拳は雪に触れているが、シャフトに空間があり、石突が雪に刺さっている。
ちなみにリーシュはハーネスにつないでいます。
また、アイスや岩が出てきたときにレイブンプロのピックではちょっと弱い。
ベノムのピックは鋭く刺さりやすいですが、反面、柔らかい雪だとほとんど効かないと言うデメリットもあります。
でも、そう言う雪ならピックよりスピッチェ(石突)を使う場面の方がほとんどかな。
上がベノム
下がレイブンプロ
次に買ったベノムも割とオールマイティなので・・・
レイブンプロは山スキー用に短く切っちゃいました。
スピッチェ側も鉄鋼関係の仕事をしている知人にヘッドを付けてもらって沢バイルに変身。
まとめ
と言うことで・・・
初心者におすすめなのは癖のない、オーソドックスで、お手頃価格なもの。
安さで言えば・・・
オクトス・オリジナルピッケルなどもありますが。
新品価格 |
やっぱり持ち手にくびれのあるブラックダイモンドのレイブンをお勧め!
ブラックダイヤモンド(BlackDiamond) レイブン グレー 65cm BD31020 新品価格 |
あと付属品としてはリーシュやカバーが必要になります。
カバーはポケットにくちゃっと入れられるマジックマウンテンのアックスヘッドカバーが好き。
MAGICMOUNTAIN(マジックマウンテン) アックスヘッドカバー 新品価格 |
お値段もお手頃です。
樹脂製の物と違って劣化もしません。
リーシュはブラックダイヤモンドのロックダウンリーシュを使っています。
ブラックダイヤモンド(BlackDiamond) ロックダウンリーシュ BD32310 新品価格 |
テンションがかかると手首にきゅっと締まります。
スライダーリーシュは締め忘れのすっぽ抜けが気になって。
肩掛けにしたい時はこれにカラビナでスリングとつなげて使います。
長くなってしまうので、付属品について詳しくは別の機会で。
いつになるかな・・・
登山ランキング
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ピッケルが必要な山と言ってもピンキリ。
状況によっては去年行った明神平でも必要になりますよ。
ピッケルが必要な山=危ない山
ではなく
山を安全に楽しむ=ピッケルなどのツールを活用する
だと思っています。
今年の冬はいっぱい雪降ってくれるかなぁ〜
目安として、
ヘッドを握って腕を横に伸ばした時、
シャフトの先端(スピッチェ)が腕の付け根に来るくらい。
ま、腕の長さプラス握りこぶし分位ってとこかしら。
HIROさんなら55cm〜60cm位かな?
時間があれば写真かイラストか追記しておきますわ〜
まず、雪山の写真がカッコイイ!
こんな場所に、私も行きたいです。
自分が冬に雪山に登るなんてこと、登りたいと思うようになるなんてこと、10年前の私は想像もしてなかったなー
今年も冬が来ましたね。ワクワクしてます。まぁ……ピッケルを使うレベルの山は、まだ少し、かなり、遠い気がしてますが……
で、長さなんよねー
そう、長さwww
何センチがいいのかなぁ??