2019年04月09日
悲しい事実?エナジードリンクもコーヒーも3日以上の寝不足に効果なし
眠気を覚ますものと言われると、コーヒーを思い浮かべる人が多いだろう。コーヒーに含まれるカフェインが頭を覚醒させてくれる効果は薬理学的にも証明されている。
確かに眠気を飛ばして睡眠不足の味方になるカフェインだが、3日以上の睡眠不足には効果がないという研究結果がアメリカで報告された。
□カフェインは2日続けての寝不足には効果があるが…
カフェインの睡眠不足への効果を見る研究を行ったのは、アメリカの研究施設であるウォーターリード軍研究所。
48人の健康な被験者に、1日5時間睡眠で5日間生活してもらい、実験を行った。48人は2つのグループに分けられ、一つのグループは200rのカフェインを、もう一方のグループはプラセボ(何の薬理作用も持たないもの)を、それぞれ1日2回投与された。認識力に関するテストをするため、いくつかの作業を被験者にしてもらった。
その結果、プラセボ軍に比べて、カフェイン投与群は最初の2日は有意に覚醒度が高かったが、3日目以降はその効果が見られなかった。
□カフェインは睡眠物質アデノシンをブロックする
カフェインの覚醒作用を少し説明しよう。脳内にはアデノシンと言われる睡眠物質があり、アデノシンA2A受容体を介して体を睡眠へ導いている。カフェインを摂取すると、アデノシンの代わりにアデノシンA2A受容体にくっついてしまい、睡眠物質がたまっていても作用できず、目が覚めるというのがカフェインの覚醒作用である。
しかし、アデノシンはなくなるわけでなく、どんどんたまり続けてしまうため、そのうちカフェインの効きが悪くなるようである。
□カフェインを取りすぎることで睡眠の質が落ちる
このカフェインだが、250mg/日取ると興奮症状が明らかとなり、1日に摂取する量が600mg以上になると、イライラや不眠などの症状が出るとされる。
さらに、カフェインを取って徹夜した際、翌日の夜の睡眠の質が落ちてしまうというデータも出ている(※2)。
やはり、短期的に目を覚まさせるにはいいようだが、日常的な睡眠不足による眠気を覚ます目的でカフェインを取るのは、効果が期待できないだけでなく、睡眠の質に影響してさらなる睡眠不足をもたらすという負のスパイラルを引き起こしてしまう可能性すらある。
日常的に睡眠時間が確保できず、コーヒーやエナジードリンクなどカフェイン入りの飲料で眠気をだましながらがんばっている人は少なくないだろう。ただし、カフェインが脳をだませるのはせいぜい2日であることを頭に入れておいた方がいいだろう。
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