2019年04月08日
大人も赤ちゃん返りする!?「幼児退行」の原因と症状を解説
何らかの原因で、大人が赤ちゃん返りのようになってしまうことを「幼児退行」というようです。
日々のストレス社会の中で、不意に恋人や家族に甘えたくなることもあるかと思いますが、大人の幼児退行にはどのような症状があるのでしょうか?
今回は幼児退行について、症状・原因・治療法、さらにはセルフチェックまで、医師に詳しく解説して頂きました。
幼児退行とは
幼児のように何も分からず、自分では何もできないように振る舞うことを指します。子どもに年下の兄弟ができた時に起きる赤ちゃん返りが有名ですが、大人や高齢者でも見られます。
大人の幼児退行の原因
精神的ストレス
責任や自立を求められるストレスなどから、子ども時代のように許され守られたいという欲求が生じます。
無力な子どものように甘やかし守ってほしいという願いは多くの方が持つもので、風俗業界には「赤ちゃんプレイ」と称して、甘えた行動を取ることを許容するサービスがあります。
赤ちゃんプレイについてはストレス解消のために意図的に行っている行動ですが、幼児退行の一種と言えるかもしれません。
許されたい・守られたいという無意識的な意図
仕事などの社会活動はできても、家族の前では幼児退行のように振る舞うこともあります。わざとそうしようという意図によっての行動というより、許されたい・守られたいという無意識的な意図によると言われています。
脳のダメージ、病気
特にどの脳部位の損傷が幼児退行につながるということはありませんが、外傷後にこのような状態が生じた場合や、急に異常行動が起こった場合には、脳炎や脳出血・脳腫瘍などを疑い、MRIなどの画像検査を行うのが一般的でしょう。
精神疾患
認知症の症状の一つとして、自分が幼児や若かったころのように振る舞うこともあります。うつ病や統合失調症でも、幼児退行のような行動が見られることがあるようです。
大人の幼児退行の症状
軽度
・恋人や配偶者に赤ちゃん言葉で話したたり甘えた行動を取る
・問いかけに対して、正しい答えを知っているのに、的外れな回答をする
中度〜重度
・家族に食事を一匙ずつ口に運んで欲しがる
・哺乳瓶でミルクを飲みたがる
・指をしゃぶったり、おしゃぶりを欲しがる
・衣服の脱ぎ着や入浴も自分でせずに誰かにやって欲しがる
・おもらしをし、おむつを履きたがる
大人の幼児退行の治療内容
生活に支障を来すような異常行動がある場合、問診やカウンセリングで原因を考え、必要に応じて血液検査やMRIなどの画像検査を行うこともあるでしょう。
特に確立した治療内容はないため、ストレスの少ない環境を整え、周囲が見守る中で改善を期待するということになります。
背景に何らかの疾患がある場合、それに対する治療を行うことで、幼児退行も改善する可能性があります。
大人の幼児退行セルフチェック
□ 大人として責任や自立を求められて社会生活をすることにストレスを感じている
□ 赤ちゃんのように守られたい、許されたい、母の腕の中で安らぎたいという思いがある
□ 家族や恋人など、甘えさせてほしいと思う人・受け止めてくれる人がいる
□ 状況によっては、自分にできるはずのことができなくなり、人にやってもらうことがある
幼児退行は珍しい症状ですが、自分が特定の相手に子どもっぽく甘えてしまうと悩んでいる方もいれば、家族の行動が急におかしくなったと困っている方もいます。
生活に支障が出るようであれば、精神科・心療内科でご相談ください。
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