2019年03月19日
「お尻ニキビ」の原因と対策を教えて!
お尻は、圧迫、ムレ、摩擦などの刺激などにさらされています。炎症を伴うお尻ニキビができると痛くて厄介です。
今回は「お尻ニキビ」ができる原因と、その対策について、医師に詳しい話を聞いてきました。
ニキビができるメカニズム
ニキビは、皮膚を乾燥から守るために、皮脂の分泌が過剰になることで毛穴が詰まって、皮膚表面にもともといるアクネ菌や他の雑菌がそこに感染して、皮脂を栄養分にして繁殖するために生じます。
【白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビの進行】
1.ニキビのできはじめは、毛穴近くが詰まり、患部は薄い皮膜で覆われ、表面はまだ閉じています。発疹の状態は、白から乳白色の「白ニキビ」の状態です。
2.白ニキビを放置すると、毛穴が閉じて皮脂が盛り上がり、穴があきます。患部を覆う被膜が開くので、内容物が酸化して黒っぽく変色し「黒ニキビ」の状態になります。
3.黒ニキビがさらに進むと、毛穴に詰まった皮脂に雑菌やアクネ菌が繁殖し、炎症を起こして「赤ニキビ(赤色丘疹)」となります。そしてさらに悪化すると、内部に膿が溜まった膿疱(のうほう)になってしまうのです。
お尻にニキビができやすい原因
1.皮脂腺が多い
顔以外にも皮脂腺は全身にありますので、ニキビは体のあらゆるところに発生する可能性があります。ただ、お尻は、わきの下、頭皮、陰股部(いんこぶ)とならんで皮脂の分泌が多いところなので、ニキビができやすいのです。
2.角質化しやすい
お尻は、イメージ的に柔らかい皮膚だと思われがちですが、実は皮膚表皮はやや分厚く硬いという特徴があります。
椅子などに座っている時間が長いと、お尻の皮膚への物理的な刺激・圧迫が強いので、お尻の皮膚は角質化しやすくなります。皮膚の角質化が進むと、毛穴をふさぐ領域が広がるのです。
さらにお尻は着衣で汗をかき、湿度・温度が高くなりやすく、清潔に保つことが難しくなり、アクネ菌をはじめ、皮膚にもともと住みついている細菌が増殖しやすい環境が揃ってしまうのです。
お尻のニキビを、放っておくとできるシミになる?
放置したニキビが炎症を起こしてしまうと「ケミカルメディエイター」という体内のシグナルによりメラニン色素を持つ「色素細胞(メラノサイト)」が活性化しすぎてしまいます。すると、皮膚がもともと持っている色素の代謝処理能力を超えてしまうことがあります。その結果、メラニン色素が溜まった状態となり、シミのように見えるのです。
一般的には炎症が治まれば、メラノサイトも鎮静化し、皮膚の代謝機能も改善するので、シミや色素沈着は徐々に薄くなっていきますから、それほど心配する必要はないでしょう。
お尻ニキビを治すには
1.皮脂分泌のバランスを正す
・皮脂分泌過剰に結び付く脂質の多いピーナッツや肉類、揚げ物、チョコレートなどの高カロリー食品の摂取を控えめにする。
・サプリメントで、皮膚の新陳代謝を促す「ビタミンB2」、皮膚の抵抗力を高める「ビタミンB6」、色素沈着を防ぐ「ビタミンC」を摂取する。
・適度な運動と水分摂取により、血行を改善し、発汗状況の調整を促すことで皮脂を排出させ、毛穴の近くで詰まらないようにする。
・汗・熱がこもらないよう、なるべく通気性のいい服装を心がける。
2.正しいスキンケアをする
・1日に1〜2回、低刺激性の石鹸で洗浄し、皮脂や古い角質、皮膚に付着している細菌を除去する。
・1日に何回も入浴して洗ったり抗菌石鹸やスクラブ入り洗浄剤を使用することは、有用な皮膚常在菌を過剰に洗い流して皮膚のバリア機能を損なうほか、皮膚を刺激し、悪化させる可能性があるので避けること。
・刺激の多い化粧品(尿素などの保湿効果成分を含むローションなど)の使用を避ける。
3.ストレス負荷や睡眠不足を避ける
過度な精神的ストレスや睡眠不足は免疫力が低下するので、アクネ菌や他の雑菌が感染しやすくなってしまいます。
対策をとってもお尻ニキビが悪化してゆく場合は、毛穴よりも奥深くの、毛包と呼ばれる部分に細菌が入り込んでしまってできる「炎症性粉瘤」などの可能性があります。
デリケートゾーンは診察を受けるのに気後れするかもしれませんが、皮膚科の診断をできるだけ早めに受けるのが、きれいに治す方法です。
タグ:健康
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