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緊急時に便利! 紙コップでお湯がわかせるってほんと?

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いざというときに頼りになるのが「防災グッズ」。停電したので懐中電灯を出したら電池が入っていなかった…なんてことがないよう、ぬかりなく準備したいものです。

停電でお湯がわかせない! なんてときは、紙コップを鍋代わりにロウソクでわかせばOK、水が入っていれば燃えることなくお湯がわかせます。石灰入りの乾燥剤に水をかければ「カイロ」になり、知恵次第で防災グッズを作ることができるのです。

■アルミの鍋はなぜ溶けない?

紙コップでお湯をわかすなんて話をすると、多くのひとは燃えないの?と思うでしょう。ご指摘もっともなのですが、水さえ入っていれば問題なし。もちろん特殊な紙コップを用意するわけでもなく、コピー用紙を折った「鍋」でも燃えずにお湯をわかすことができるのです。

コピー用紙、紙コップ、鍋に使われるアルミニウムの温度特性を比較してみましょう。

 ・コピー紙 … 300℃前後で燃える

 ・紙コップ … 110℃ほどで内側の樹脂が溶ける

 ・アルミニウム … 660℃前後で溶ける

と、火にかける道具としてはアルミニウムのほうがはるかに適しています。しかし、家庭用のガスコンロでも炎の温度は1,700〜1,800℃と高温なため、アルミ製の鍋を溶かすこともできるのです。

それでもアルミ製の鍋が使われているのはなぜでしょうか? これには水や食材が入っていることが重要で、炎の熱を別のものに逃がすため、アルミニウムが溶けずに済んでいるのです。これは紙コップも同じで、熱を水に渡すため紙は燃えず、沸とうしても100℃までなので樹脂が溶け出すこともありません。実際に「紙なべ」も存在するほどですから、キャンプで鍋が足りない!なんてときに試してみると良いでしょう。

■乾燥剤で「ほかほかごはん」

お菓子やせんべいでおなじみの「乾燥剤」もいざというときに役立つグッズで、水をかけると高温になり、レトルト食品を温めることができます。

乾燥剤に用いられる生(き)石灰は水と反応して熱を放つ性質があり、アルミニウムや塩を混ぜるとさらにパワーアップし、100gの生石灰で、

 ・最高温度 … 105℃前後

 ・100℃以上 … 約5分間

 ・90℃以上 … 約12分間

と、1食分を温めるには充分な熱を放ちます。これらをチャック付きのビニール袋に入れ、加熱したい食材を上に置く、たったこれだけでレトルト食品も良い感じに温まるので、ガスも電気も使えないときでも温かい食事にありつけるのです。アルミニウムを使わなくてもそれなりに発熱し、反応後は消毒用に使われる消(しょう)石灰に変わるだけですから、処理にも困りません。

使い捨てカイロの原理は鉄がさびるときの熱なので、掃除用のスチールウールと食塩水で代用することも可能。ただし食塩水に浸された状態では酸素が不足しうまく反応しませんので、製品には木粉や活性炭が使われています。これらがなくても、食塩水が触れる程度にすればOKですので、自家製カイロにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


 ・水が入っている限り、紙コップは燃えずになべ代わりに使える

 ・乾燥剤や園芸用の生(き)石灰に水を加えれば、レトルト食品を加熱できる

 ・スチールウールと食塩水で使い捨てカイロもどきが作れる





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