日本が世界に誇るヘルシー食文化、和食。その中でも特に大豆を使った食品の健康効果は日本人の長寿を古くから支えてきました。低カロリーなわりに多くの有用な健康成分を含み、豆腐や味噌、醤油など日常生活に欠かせない大豆のこと、もっと詳しく知ってみませんか?
大豆とは?
畑の肉とも称される大豆は、全体の30%の高タンパク質食品です。タンパク質は筋肉を維持するために必要な栄養素で、タンパク質が不足しがちな人は筋肉が衰えて基礎代謝が減り、太りやすくなってしまいます。
筋肉とはスポーツ選手など一部の人にだけ必要なものではなく、年齢を問わず適度にタンパク質を取らないと一気に体のバランスが壊れてしまうものです。大豆は肉や卵に比べると消化が良くタンパク質の摂取源といては大変優れた食品といえるでしょう。
また、ダイズサポニンやイソフラボンといった他の食品では取りづらい栄養素も多く含んでおり低カロリー。ヘルシーな食品の1つといってもいいでしょう。
大豆の健康効果
1、肥満防止
大豆に多く含まれるダイズサポニンは腸から吸収されるブドウ糖が脂質に変わるのを抑制してくれるためにダイエット効果を持っています。また、βコングリシニンが脂肪の分解を促すホルモンの一種・FGF21の分泌を増やす効果も近年解明されてきました。
2、肝臓病
大豆のタンパク質は疲弊した肝臓の働きを修復する大事な役割を果たします。肉や卵から得られる動物性のタンパク質も肝機能を修復はしてくれるのですが、大量に摂りすぎるとコレステロールや飽和脂肪酸も同時に摂ってしまうために中性脂肪として蓄積されやすい欠点もあります。
その点、植物性のタンパク源である大豆はちょっと多めに摂っても弊害が出ないために肝臓によりいいといえるでしょう。
3、動脈硬化
動物性タンパク質も人間の体には欠かせないのですが、過剰に摂取してしまうとどうしてもコレステロール、中性脂肪を増やしてしまい、血圧が高くなってしまいます。
高血圧になると全身の血管が高い血圧に耐えようとして血管の壁を太く、厚くしようとしてしまい、その結果血液が流れにくくなるために余計に高血圧になるという悪循環を引き起してしまうのです。
大豆はコレステロールが低く、脂質が溜まりづらい性質の良質タンパク質でできています。血圧を抑え動脈硬化を軽減してくれます。
4、整腸効果
大豆そのものも腸の調子をよくしてくれますが、よりよいとされるのが大豆で作られた納豆です。納豆菌は乳酸菌など整腸効果がある善玉菌よりも強い作用を持っています。
5、疲労回復
毎晩へとへとになりながら帰宅、まともにご飯を作る元気も無くコンビニで買ってきた弁当を食べて寝るだけ。そんな疲れた人も大豆の持つペプチドで疲労を軽減できるかもしれません。
筋肉を中心とした肉体疲労はもちろんのこと、脳の自律神経に直接作用して疲れを抑えてくれる効果が期待できます。
6、薄毛改善
大豆は薄毛に悩む男性にとっても強力な援軍となります。AGA(男性型脱毛症)の原因の1つは、ジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンが髪の毛の生え変わりサイクルを邪魔してしまうこと。
このDHTは女性も持っているホルモンなのですが、女性の場合は女性ホルモンの一種であるエストロゲンを多く持っているために、DHTの影響を抑えてくれるのです。
そして、大豆に多く含まれているイソフラボンはこのエストロゲンに似た働きを持っているために、薄毛を誘発するDHTを抑えると考えられています。
どうやって大豆を摂取する?
明日から大豆をたくさん食べようと決意したあなたに、大豆が含まれている食品と、なるべく効果的な大豆食品の摂り方を紹介します。
・一日の適正量
大豆に含まれるイソフラボンは男性があまり多く取りすぎると逆に体のホルモンバランスを崩してしまいます。豆腐であれば1丁(300g)、納豆は1パック程度に抑えておきましょう。
・豆腐
大豆食品の代表格がこの豆腐です。豆腐の素晴らしいところは消化が良く、栄養分の吸収効率が極めて高い点です。しかも、製造過程で消化に時間のかかる部分を取り除いているので腸に負担がかかりません。
コンビニでも150g3パックが100円程度で売られているので食生活に取り入れやすいです。
おすすめの食べ方
大豆150gパックの上に鮭フレークやにんにくラー油を少々乗せるだけのお手軽一品。 時間がない朝や職場でのランチ、はたまた夜のお酒のおつまみにも大活躍すること間違いなし。
・納豆
こちらも大豆食品の代表格の1つ。ただ、豆腐と違って豆本体がそのまま残っていてあまり消化が良くないために、結構がんばって噛まないとあまり栄養が吸収されないという弱点があります。しかし豆腐には無い食物繊維や納豆菌なども含むために、こちらも定期的に食べるようにしてみましょう。
・豆乳
豆乳の強みはその手軽さです。紙パック入りの豆乳がコンビニなどで売られており、その場で摂取できます。ただし、本格的に大豆食品を摂ろうとしている男性陣はちょっと待って下さい。手軽だからこそ、栄養分が少ないという落とし穴が豆乳にはあるのです。
例えば豆腐と比べるとタンパク質が60%程度に落ちてしまっています。手軽に摂れる分、栄養素も落ちてしまっているという事を念頭に入れておきましょう。
・他の大豆食品
醤油や味噌、きな粉なども大豆から作られた食品です。醤油と味噌は塩分を多く含むためにあまり多く摂ると高血圧を引き起こすため、注意が必要です。
まとめ
大豆の凄さ、わかっていただけたでしょうか。日本の長寿を支えてきた大豆ですが、段々と食生活が欧米化するに伴い大豆を食べない人が増えてきています。食べやすくて栄養素が高く消化もいい豆腐を中心にぜひ明日からでも大豆生活を始めてはいかがでしょうか。