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2022年07月28日

裏S区 3


その後、学校に行こうと思い出したころに、Aの存在を思い出した。
俺がそもそもこんな事になったのもAのせいだ。
あいつがあんなイジメをしなければ、こんな目にも遭わなかった。
あいつは俺をこんな目に遭わせるような奴だから居なくなればいい。
そうだ、この「どーん」って言う音に頼もう。って本気で思ってた。

俺は本当におかしくなってたんだと思う。
本気でこの『音』の主にお願いしてた。


次の日に学校に行った俺は、昼休みの時に早退したいと先生に言った。
先生も俺がどういう状況か知っていたから、すぐにOKを出してくれた。Aはその日も休みだった。
その帰りがけに、先日部落差別を無くそうという話を学校でしていた(講義で)、おじさんに出会った。
そのおじさんはAのおじさんに当たり、何度か会って話したこともあった。
だけどそのおじさんが、俺を見た後からの様子や態度が明らかにおかしい。
最初見かけた時は普通に挨拶をしたのに、その後俺を二度目のような感じで見て、いきなり、「あ〜…」とかいいだした。
俺は「こいつもAに何か言われてんのか?」って感じで被害妄想を爆発させて、怪訝な態度のこのおじさんを無視して横切ろうとしてた。

そのときに急にそのおじさんが、ブツブツブツブツお経のようなものを唱え始めた。
俺はぎょっ?!っとして、そのおじさんを見返した。
いきなり、あって「あ〜」などとわけのわからない態度を取り出し、それだけならまだしも、俺にお経を唱えたのだ。

生まれて初めて自分から人をぶん殴った。

言い訳がましいけど、精神的におかしかったから、殴る事の善悪は全くなかった。
ただ、苛々だけに身を任した感じ。

いきなりでびっくりしたのか、そのおじさんもうずくまって「うぅ…」って言ってたが、無視して蹴りを入れてた。
Aの親戚ってだけでも苛々してたのもあり、

「こら、お前らの家族は異常者の集まりか?人を貶めるように生きてるのか??お前差別をどうのこうの言ってたが、自分がする分かまわんのか?あ〜??何とか言えや。こら!お前らは差別されるべき場所の生まれやんけ、頭がおかしいんか?」

って感じで蹴り続けた。

でも、ここで再度予想外のことが起きた。
以下会話。


おじさん「はははははははは」
俺「!?なんか気持ち悪い。いきなり笑い始めやがって!」
おじさん「あはははははは。お前か、お前がやったんか。はははは」
(未だ蹴り続けてたけど、この時は大分蹴りは弱くなってる)
おじさん「ははは、やっと会えたわ。はははそりゃAも*****やなー。ははは」
(何を言っているのか意味不明)
俺「は???お前ら家族で俺をイジメようとしよったんか?」
(この辺りで恐くなってから蹴らなくなった)
おじさん「おい、お前がどうしようが勝手やけど、〇〇(俺の名前)が痛がるぞ。アニキは許しても俺は見逃さなんぞ」
俺「は???マジでお前んとこはキチ〇イの集団なんか?おい?」
おじさん「〇〇君、ちょっと黙っとき。おじさんが良いって言うまで黙っとき」
俺「いや、意味わから‥」
「どーーーーーーん」


いきなり耳元で音が鳴った。
俺はビクっとして振り返ったら、目の前にのっぺりとした細面の顔が、血だらけのままビクビクしながら笑ってた。

俺はまた発狂した。

この顔の見え方がかなり異常で、通常ニンゲンの顔を見る場合に、半分だけ見えるって言うのはありえない。
でもこの目の前にある顔は、例えていうと、テレビ画面の中にある顔が、カメラのせいで半分だけ途切れてて半分は見えてる状態。

その瞬間に、Aのおじさんに力いっぱい殴られて、意識を失った。


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