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posted by fanblog

2022年07月19日

不思議な場所から帰れなかったかもしれない


不思議な場所から帰れなかったかもしれないとは、別世界に迷い込んだと思われる人物の書き込みである。
個人的な感想としては、安易にきさらぎ駅を出すな。


【内容】



もうかれこれ3ヶ月ぐらい経って落ち着いたら書く。
すまん、文才が無いので、ちゃんと伝えられるか不安だが、なるべく分かりやすく書くように努力する。
スペック 32歳
職業 IT系自営業

その日は俺は朝っぱからずっと自室に篭って書類を作ってた。
どうしてもお客さんに提出しなければならない書類があって、それを仕上げるのに四苦八苦していた。
そして、10時頃だったと思う。
俺の携帯電話が鳴ったんだが、それは別のお客さん(仮にT社とする)からのクレームの電話だった。

どうも俺が先日その日のお客さんのPCのローカルIPを変えた関係で、プリンターが動かねえよ。
というクレームだった。
しかもバツの悪い事に、そのPCはお客さんの会長のPCで、会長は案の定激怒していた。

俺は

「すみません、今ちょっと手が離せないので、コレが終わったらすぐに向かいます!」

と会長に謝りながら電話を切った。

なんだかんだと書類が書き終わり、俺は車に急いで飛び乗ったのだが、なんだかずっと集中していたせいか車を運転してお客さんの所まで行く自信が無かった。
お客さんの所までは35qくらい。普通に行けば車で1時間20分ぐらいで到着する場所。

ああ、もういいや。電車で行こう。
そう思って、俺は自宅の折りたたみ自転車を車に放り込み、そのまま車をすぐ近くのT駅まで走らせて、無料駐車場に車を停めて、駅のコンビニでパンを買って、そのまま自転車を引っ張って販売駅で切符を買った。
改札口で、自転車って電車に乗せてもらえんのかなー?と思いながら、自転車を折りたたんで抱えて改札口へ言ったら、駅員のオッチャンは苦笑いしながら通してくれた。

この時点で変だったのかもしれん。

後から人から聞いた話では、普通別料金が必要なはず。って言われた。

だが、その時は苦笑いしながらも駅員さんは普通に通してくれた。
俺はT社の方向に向かう電車のホームに突っ立って電車を待っていたんだが、電車は割とすぐに来た。
10分ぐらいだったと思う。

言っておくが、田舎ではいきなり電車を乗ろうと思って駅のホームに突っ立って、10分で電車が来るとかミラクルだからな。
50分待ちとか普通にあるもんだ。

で、俺は電車に乗ったのだが、運良く座席が一つだけ開いていた。
ラッキー!とか思いながら俺は自転車を前にデン。と置いて、俺は席に座った。
だが、そこで俺は奇妙な事に気がついた。
電車ってのは、個人が各々好き勝手な事をしているもんだ。
大抵の人間は携帯をいじってる。本を読んでる。音楽を聴いてる。寝てる。
そんな様子は微塵もなく、ただ、みんな真っ直ぐに前を向いて手に膝を置いて、まるでマネキンのような恰好で座ってた。
誰も何も話さない。ただ、みんな行儀よく真っ直ぐ向いてた。
そこでプシューとドアが閉じた。
電車は走り出したが、それも何か違ってた。物凄いスピードで走ってた。
これは新幹線かよ!って思うようなスピードで。

外の景色もよく判断できない位の速度で電車は突っ走り、しばらくしていたら、急にトンネルの中に入った。
トンネルの中は本当に真っ暗で、外の様子が全く何も見えない中を電車が走ってた。
そしたら車内アナウンスが鳴った。

「もうすぐ駅に到着します」


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