おっさん向けの懐かしネタやサブカル・オカルト系

『食事バランスは栄養を考えろ』とは銀魂38巻、293訓にて登場する山崎冬のパン祭りの祭典である。





冒頭は、メガネが人間をかけてること新八と同じく、どこか地味なツッコミ役の山崎が密偵としての仕事をする内容である。
後に山崎はツッコミだけではなく、ボケキャラとしてマウンテン・ザキだの、あんパン中毒、たまさんたまさん、ミントンの王子様だのといった様相を見せていくが割愛。

内容は本編に戻るとして監察の仕事として、自身のポリシーであるあんパンと牛乳を食らい尽くす毎日を過ごすのであった。
湧き上がる欲求として様々な食事にありつきたい思いはあるものの、あんパンと牛乳は八百万の神に捧げる供物だから仕方ないのだという。だから自滅したんだ。

山崎の監視対象としては、酒屋を生業とする女性を守るために向かいの部屋から見守っているのだが、その女性には弟がおり度々金を強奪しているらしい。その悪党を捕らえるべく、山崎は好きでもないあんパンを食らっているというわけなのである。


あんパン生活8日目
　昨日スーパーに行ったら遠くの方でアルバイトが
「アンパンマン来たマジできた」
　とかヒソヒソやっていたが
　相変わらずに娘に変わりはない
　彼女の一日はまるで機械のように規則的だった
　朝7時　店の前に水を撒く
　夕方6時　店ののれんを上げる
　そして夜12時　のれんを下げ眠りにつく
　たまに買い出しに出掛けることを除けばその繰り返しだ
　願わくば彼女のその平和な日常が続いて欲しい
　立場を忘れてそんな事を思いつつ、今日も俺はあんパンを食らう


あんパン生活12日目
　考えたらもうずっと誰ともしゃべっていない
　最後に放った言葉は
　三日前の「いや袋は一緒でいいです」だ
　だが相変わらず　娘に動きはない
　目を覚ました時一瞬　彼女がこちらを見ていた気がしたが気のせいだろう
　俺はゆるんだ気を引きしめるように今日もあんパンを食らう
　でも　半分残した


あんパン生活15日目
　昨日コンビニに行ったらバイトが
「袋一緒でいいですが来た　絶対また牛乳一緒に買うぜ　絶対一緒だぜ」
　とかヒソヒソやっていたが
　相変わらず娘には動きはない
　彼女の弟さんなんてもう全然違う所に逃げていたりとかしたら
　俺はどうなるんだろう
　まるで彼女の不幸を願うかのような邪念をふりはらうように
　今日も俺はあんパンを食らう
　そして全部吐いた


あんパン生活20日目
　相変わらず娘に動きはない
　毎日毎日飽きもせずにニコニコニコニコ
　一体何がそんなに楽しいんだろう
　毎日毎日のれん上げ下げしているだけなのに
　そんな事を考えながら
　今日も俺はあんパンを
　壁にたたきつける




あんパン生活22日目
　相変わらずのれんあげさげ機だ
　動きはない
　もういい加減にしてくれ
　流石に空気を読んでくれ
　いつになったら弟は来るんだ
　いつになったら俺はあんパンの呪縛から解きはなたれるんだ！
　弟ォォォォ!!
　早く来てくれェェ!!
　俺をこのエンドレスあんパンから救い出してくれェェ!!
　そんな願いをこめて今日も俺はあんパンを
　天空へむけてスパーキング!!




あんパン生活23日目
　スーパーのバイトへむけて　スパーキング!!


あんパン生活24日目
　コンビニのバイトへむけて　スパーキング!!


あんパン生活25日目
　副長にむけて　スパーキング!!


あんパン生活28日目
　ここ数日の記憶がない
　一体俺の身に何があったんだろうかしかし
　俺の変化とは裏腹にやはり娘には変化はない
　いつもと同じく朝7時に店の前にあんぱんをまき
　夕方6時に店のあんぱんをあげる
　そして夜あんぱん時にあんぱんをあんぱんしあんぱんするのだ
　あんぱんにあんぱんはあんぱんであんぱんかあんぱんをあんぱんだ
　あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん


あんパン生活30日目





あんパン生活31日目では、山崎はパンイチの姿で見知らぬ国にいた。身体中あんこだらけで、どうやら夢遊病のように徘徊していたらしい。
山崎は張り込み部屋に駆け出しながら、全てが嫌になり荷物を引き取ろうとするものの、部屋の前にあったのは、手作りの肉じゃがだった。
肉じゃがに添えられた手紙の内容から、見張り対象であった彼女は山崎が向かいであることを知り、「毎日あんパンばかりでは身体を壊すから」と差し入れをしたのであった。

山崎は涙ながらに肉じゃがを口にするのだが、そこでいきなり日数は飛んで「肉じゃが生活3日目」となる。

彼は気付けば病院で寝ており、傍らにいた副長から話を聞くとどうやら肉じゃがには一服盛られていただけではなく、弟とその姉である監視対象の彼女はグルであり、根競べで山崎が敗北してしまったのである。


土方は山崎のお陰で十分な成果が得られたというものの、自分のポリシーに負けあんパン以外のものを食べてしまったことに納得がいかないのか、独自調査を開始する。


そうして、あんパン生活63日目、山崎は悪党の首謀者といってもいい、姉弟の二人の捕縛に成功するのであった。


地味にどうでもいいが山崎はあんパンは好きではない。