2020年12月21日
魍魎の匣
魍魎の匣とはアニメ及び映画化された作品である。映画の方はメディア化される前にすでに内容の方は知っていたので見ていないが、アニメの作風は泥臭さのないやたら小綺麗なものになっているのが不満点。
姑獲鳥の夏に次ぐ、煉瓦本で有名な京極夏彦の第二作目である。
どうでもいいが、アニメ里村の演技力は異常。
キーワードは「箱」。
【内容】
大まかな粗筋としては、列車事故で瀕死の重傷を負う柚木加奈子の友人である楠本頼子が、「加奈子を殺した人がいる」と発言したのが、発端。
事件勃発当初、偶然加奈子を轢いた電車に乗り合わせていた木場が、頼りない巡査部長と共に調査していくのだが、(見たことはないが)ヨーヨーを扱うスケバンを元ネタにした映画の、加奈子の姉と名乗る女性・柚木陽子(芸名:美波絹子)、増岡、加奈子の保護者である雨宮の三名が出現する。
実は木場は美波絹子のファンであり、加奈子が搬送された先の病院で弁護士と共に現れた際は狼狽を隠せなかった。プロマイド持つレベルで好き。
木場は柚木陽子と共に来た弁護士・増岡の神経質でどこか辛辣とした質問を受ける中、加奈子に関する不穏な会話が為される。どうやら柚木加奈子には命を狙われるだけの理由があり、加奈子の友人である楠本頼子が「殺人者がいる」と発言した以上、何らかの関係があるのではないかと強い疑惑を抱いていた模様。
やや遅れておんばこさまを御神体とする新興宗教の一員となった楠本頼子の母親が出てくるのだが、我が娘を心配するよりも「夜中を出歩く不埒者」として叱責する。行き過ぎた我が子を心配する母親の姿であるのだが、怪しげな新興宗教に過剰なほどのめり込んでいる点や、娘である頼子からは身分に合わないお嬢様校と怪しげな男を家に度々連れて来ることから、反抗期云々を抜きにして愛娘から反発しか買っていない。
……しかし単純に頼子の母が過剰な心配性を有しているというわけではなく、列車事故に巻き込まれる前から、夜な夜な深夜の夜遊び(とはいっても、加奈子と軽くおしゃべりする程度)していたことから、事故を発端にフラストレーションが爆発して、感情的になったものだと思われる。
第三の立場である木場からは、「娘の心配はしないのか」などと制されているが、ブチキレても致し方のないかもしれない。
弁護士の増岡や頼子の親子関係でギスギスとした雰囲気の中、加奈子の姉である陽子が四肢欠損かつ臓器の半分以上が失われた彼女を生き永らえさせるべく「名医」の元へ赴くことになるのだが、これが不幸にして、あちら側である彼岸の彼方へ追いやる連鎖的殺人事件の発端になってしまった。
魍魎の匣 A
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