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タグ / 不死鳥

記事
不死鳥の槍 [2019/03/09 00:00]
男は愛する妻のため戦場へと赴く。戦火の中、男は胸を貫かれ腹を斬り裂かれても、決して膝をつくことはない。彼は不死の体を持つ戦士だった。不死でもなければ、体躯にも腕力にも恵まれない男がここまで生き延びることもなかっただろう。 男が不死の体となったのは、一羽の美しい小鳥に出会ったあの日からだった。妻を一途に想う男に心打たれ、小鳥は自らの羽根を一枚差し出しながら言う。「この羽根を身に着けている限り、あなたは愛する人と寄り添えるでしょう」 ひとつ戦争が終わるたび、男はそ..
不死鳥の槍 [2018/03/01 00:00]
とある戦士の伝説があった。その戦士は屈強で何者にも劣ることなく、さらに不死鳥から不老不死の体を授かったという。戦士は力を振るう場所を求め、何十年も戦場をさすらった。 止まることのない争いは、やがて戦士を孤独にした。死ねない体を持て余した戦士は、手にした槍で何度も己を貫いた。しかし傷はたちどころに癒え、痕すら残すことは無い。 崖から身を落とし、火の中に飛び込み、濁流に身を投げても、その身は滅びることはない。いつしか戦士は意識を閉じた。そして数百年の後、その傍に一羽の美しい小..
不死鳥の大剣 [2018/02/04 00:00]
ある日、森に一羽の鷹が迷い込んできました。大空を飛ぶ優美な翼は傷付き弱り果て、今にも死んでしまいそう。その姿を憐れに思った美しい小鳥は、必死に鷹の世話をしました。 美しい小鳥のおかけで、鷹は徐々に元気になりました。優々たる大きな翼に寄り添う、光輝く小さな鳥の姿は、森の動物たちの憧れの 的になりました。 傷が完全に治った鷹は、森の外へ帰ると言いました。けれど必ず戻ってくるとも。美しい小鳥は、友情の証としてその輝く羽根を一枚、鷹に与えました。 約束通り鷹は戻ってきました。そ..
不死鳥の短剣 [2018/01/04 00:00]
式のその日に親を殺され、愛を誓う男を殺され、それらの死骸の前で犯された娘がいた。「奴らを殺せるのなら死んでもかまわない」そう願う娘の前に光り輝く小鳥が現れた。 「叶えましょう。その剣に願い続ければきっと」小鳥は娘に短剣を授けた。娘はそれをかき抱き、涙ながらに呪詛を吐く。 時が経ち、復讐を果たした娘は老女になっていた。再び小鳥が現れる。「願いは?」そう言われても、老女には何の事だかわからない。そういえば、大事にしていた短剣はどこに? その夜、老女の家に強盗が押し入った。娘..
不死鳥の槍 [2017/03/08 00:00]
とある辺境の国に死をも恐れぬ戦士がいた。戦士の屈強な体は弓等では射抜けぬと思えぬ程に頑丈だった。その為、戦士は常に戦場の真っただ中に身を置いていた。 ある時戦士の夢に美しい小鳥が現れた。小鳥は、その勇猛な戦いを褒め称え「戦が終結し平和な世界となる事」か「不老不死の体」どちらかの願いを叶えようと囁いた。戦士は「不老不死の体」を欲した。 それからの戦士の戦いぶりは目を見張るものであった。敵を草を刈るようになぎ倒し、いくら弓を射たれてもいくら太刀を浴びても平然と敵の真っ只中を切..
不死鳥の大剣 [2017/02/07 00:00]
今は昔のお話です。ある所に光り輝く羽根を持つとても美しい小鳥が、森の奥深くで静かに慎ましやかに暮らしておりました。 ある日、森の奥に口減らしの為に捨てられた子どもが迷い込みました。飢え衰えた子どもを哀れに思った美しい小鳥は、自らの羽根を一枚啄ばみ子どもに渡しました。子どもはそれを持ち帰ると大層喜ばれ、再び家族と暮らせるようになりました。 それを聞きつけた人々が次々と森に押し寄せ、美しい小鳥に向かって自分が如何に貧しく不幸で報われぬかを訴えました。哀れに思った美しい小鳥は一..
不死鳥の短剣 [2017/01/12 00:00]
戦地に赴いた男と結婚の約束をしていた娘がいた。娘は信心深く、朝に昼に夜に祈りを捧げ、ただただその男の無事を願い続けた。娘の一途な祈りが通じたのか、ある夜、娘の夢に光り輝く小鳥が現れ言葉を託した。 「男は無事戻るでしょう。」小鳥が囀ったその言葉に、信心深い女は泣きながら喜んだ。「けれど、」光り輝く小鳥は美しい声で続けた。「心は戻らないでしょう。」 やがて小鳥の言う通り、男は生きて戻った。その逞しい体に無数の傷跡を残して。やがて小鳥の言う通り、男は確かに生きて戻った。その傍ら..
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