おびえる罪人: パチスロと怠惰に魅入られた男

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2016年09月23日

おびえる罪人

ずっと天気が悪くて洗濯できない。枕カバーが匂う(*'▽')

昔新聞の社説で読んだ、

『臆病な正義が一番の悪だ』

という言葉を思い出す。

良いことをわかっているのに、

行動に移せないで見て見ぬふりをする私のような人間のことだ。

精神保健福祉士の科目で

精神病院に実習に行ったことがある。

その病院は色んな病院を渡り歩いてきた患者さんが、

最後の砦としてたどり着くような場所だった。

患者さんの受け皿として機能していると言えば

素晴らしい病院なのかもしれないが、

患者さんが生活している病棟は古くて薄暗くて、

トイレからの悪臭が病棟内に立ち込めていた。

大部屋にはその広さに合わない数のベッドが並び、

プライバシーなどは皆無な空間だった。

5年10年の入院患者は当たり前で、

中には20年とか30年も入院し続けている患者さんもいた。

長期入院している人の入院したての頃の写真を見る機会があったのだが、

まだ20代で若々しい姿だった。

長期間に渡る入院は、

その人の容姿や社会性を完全に変えてしまっていた。

教科書での勉強では、

『以前は精神障がい者は差別の対象であったが、

現在は長期入院を避け、

なるべく地域に帰して自立した生活を送るように、

地域の支援が広がっている』とあった。

昔に比べればそうなのだろうが、

現実ではまだまだこういう人もいるのだと痛感し、

何か末恐ろしいものを感じたのを覚えている。

私の実習指導についてくれたその病院の職員さんは、

『何か思うことがあったら実習記録に書くように』

と言っていたが、

実習の単位をもらいたい私は上記した内容のことはほとんど触れずに、

当たり障りのない実習記録を書き単位を取得した。

今思えばその職員さんも、

外部から来た私にこの病院の現状を考えてもらいたかったのかもしれない。

もちろんこれは病院だけではなく、

家族や社会の問題でもある。

一言に精神障がいと言っても色んな症状があるのだが、

それに関わらずに生活している人にとっては、

漠然と『精神障がい者は怖い』

と思っている人も多いと思う。

しっかりと治療をしていれば怖いと感じる人なんていなくて、

今まで会った人は皆いい人ばかりだった。

そんなことを思いながらも今日も無駄に時間を過ごす。

私は本当に罪深い人間だ。