金曜日、ペットの日。今日は爬虫類飼育でもっとも気が滅入る作業、強制給餌の話です。
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強制給餌に使っている道具です。
爬虫類飼育において拒食はある意味、避けて通れない問題です。
恒温動物である哺乳類や鳥類は食べる事によってエネルギーを作り、それを自分の体温を保つ事に使います。言ってみれば常時体内でエネルギーを燃やしていなければ体温を作れないので代謝が早く、ある程度の時間内にエネルギーを摂取、つまり食事をしなければ死んでしまいます。つまり生きる為には食べる事が最優先事項になるわけですが、変温動物である爬虫類は違います。体温の維持を外気に頼る彼らは代謝まず気温や湿度などの生活環境が最優先事項であり、食事はその次となります。実際気温が低く、体温が十分に上がらないと食べても消化出来ないなんて事がざらにあります。
ではそんな時彼らはどうするか。話は簡単。食べるのを止めてしまいます。これが拒食です。腹が減れば食べる、なんて生易しいもんじゃありません。最悪の場合、文字通り死ぬまで食べません。
こんな時、まずやる事は環境の見直しです。
前記の気温、湿度の他にも、拒食の原因は多岐にわたります。飼育者の扱い方だったり、餌が気に入らなかったり、飼育容器の置き場だったり、身体を落ち着ける場所がなかったり・・・とにかく彼らのストレスになりそうなものを1つずつ確実に潰していきます。
そうやって思い当たる点を軒並み潰してなお食べない時、いよいよ強制給餌となるわけです。
何ぼ食事の必要性が哺乳類に比べて低いといっても生き物である以上、あまりにも食わないと流石に飢え死にしてしまいます。それに、食べなければ消化器が動かず、ますます重篤な拒食になる可能性もあるわけです。・・・と言う訳で強制給餌となるわけですが・・・。
強制給餌・・・ホントに気が滅入ります。ただでさえストレスがかからない様に気を使ってるのに、乱暴に言えばそれを引っつかんで口をこじ開けて餌を押し込む訳ですから、ストレスにならない訳がありません。ここが強制給餌の難しい所で、下手な所でこれをやってしまうと立て直すどころか逆に止めをさす事になりかねません。強制給餌は本当に最後の手段なわけです。
と、言う訳で小生の所の場合。前に紹介したウラノスコドンがしぶとく拒食をしています。大分環境の見直しをしたのですが、食べてくれません。それで仕方なく、強制給餌。
上のセットで行っています。
先の尖ったゴム製のチューブは口をこじ開ける為のもの。色々試しましたが、これが一番無難な様です。良く使われるテレフォンカードに比べて少々こじ開けにくいですが、硬かったり鋭利だったりしないので生体の顎を痛めずにすみます。小生はこれで口をこじ開けた後、接続した注射器で水(温い奴)を入れてやります。喉のすべりを良くするとともに、拒食に伴う脱水を防ぐためです。そして使う餌はハニーワーム、通称ブドウ虫です。本当は栄養価の高いピンクマウスを使いたいのですが、家族の反対があって使えませんので、脂肪分が多くカロリーの高いこれを使っています。これをチューブをくわえさせたまま口の奥に押し込んでやります。しっかり口に収まったのを確認して、そこでチューブを外してやります。後は自分で飲み込んでくれるのを待つだけです。
こんな具合で一週間に一度、5〜7匹のぶどう虫を与えています。
これで半年やっていますが、やっぱり自分では食べてくれません。
近いうち、もう一度環境の見直しをしようと思っています。
ちなみに明日が給仕日です。ああ、気が重い・・・orz
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