火曜日、遊戯王OCG二次創作・「霊使い達の宿題」の日です。
今日から霊使い最後の一人、光霊使いライナの出番です。
例によってというか、今回は激しくキャラ崩壊しています。そういうのに耐性のない方はご注意ください・・・と言うか、去った方が身のためです。自分の身はz(ry
それではコメントレス
お疲れさまです。
今回は珍しいキャラが出てきて面白そうです。
はい。結構好きなキャラなので使わせていただきました。
御期待に沿えるよう、頑張ります。
誕生日ですが、里香の誕生日は4月の23日となっていてそれに伴いpixiv等では半月祭と呼んでいる方もいます。
何・・・だと?え、マジで知らなかった!!うぇあ、どーしよ、恥ずかしい!!こんなんで半月ファン名のってたのか!?何てこった!!神よ、お許しください・・・。
・・・あの、ついでにお聞きしたいんですけど他のキャラは設定ないですよね。ググってもヒットしないんですけど・・・(戦々恐々)
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霊使い達の宿題その7・光霊使いの場合
―1―
ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・
彼は逃げていた。
必死に。
懸命に。
ただ空の果てを目指して。
ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・
呼吸が苦しい。
心臓が早鐘の様に鳴っている。
羽ばたく翼の筋肉がギシギシと悲鳴を上げている。
しかし、ここで止まる事は出来ない。
それは全ての終りを意味する。
ああ、何故こんな事になっているのだろう。
自分はただ、平穏な毎日をおくっていただけなのに。
それなのに、何故こんなにも恐ろしい目に会わなければならないのだ。
怖い。
恐ろしい。
あんなものがこの世に存在するなんて。
創造神(ホルアクティ)は、一体何を血迷ったのだろう?
もし会う事が出来るなら、小一時間恨み言を言ってやりたい気分だ。
・・・はて、先から後ろに気配を感じない。
あの耳障りな、甲高い声も聞こえない。
ひょっとして、振り切ったのだろうか。
希望的観測。
でも、今はそれにすがりたい。
速度を緩め、後ろを振り向こうとしたその時―
「アー、みつけましたーっ!!!」
破滅の声が、“頭上”から響いた。
―2―
霊使い達がすむ魔法族の里から東に数十キロ。そこに一際華やかな都市がある。
デュエルモンスター界でも特に古い歴史を持ち、常に上空に鮮やかな虹のかかるその都市は、畏敬と羨望の意を込めて、「虹の古代都市―レインボー・ルイン」と呼ばれていた。
その環境の穏やかさから住人は多く、またその景観の美しさから観光客も絶えない。必然的に土産物屋や宿屋等を経営する商売人達も多く集まり、その歴史の古さに反して、現在でも世界屈指の隆盛を我が物にしている稀有な都市でもあった。
しかし、その本来なら人々の喧騒に包まれている筈の都市の一角が、今日に限ってはシンと静まり返っていた。
人がいないわけではない。他の区画と同じく、ここも多くの観光客や住人であふれている。にも関わらず、その場所は静まり返っていた。
そこにいる人々は皆一様に顔を伏せ、何かから必死に視線を逸らしていた。それでも、時たまチラチラと視線を上げては“それ”の動向を確認する。その目にあるのは、明確な恐れと不安。「構ってくれるな。」「こっちくんな。」明確にそう訴える視線であった。
さて、いったいどんな恐ろしい存在がいるのかと思いきや、そんな視線の先にいるのは、以外にも可憐な少女だった。
・・・もっとも、問題はその「可憐」の前に「見た目は」、という前置きが付く事だったのだが・・・。
「う〜ん。ドラゴンさんですかぁ〜。」
静まり返る町の中を、光霊使いのライナはそんな事を呟きながらポテポテと歩いていた。
「こまりましたね〜。ドラゴンさんはライナのともだちにはまだいませんし、このまちはふあんないですし。どこにいけばあえるんでしょう〜?」
彼女が歩く先から、町の人々がザザーッと引いていくのだが、そんな事はまるで気にせずに、彼女はポテポテと歩いていく。
「だいたい、ダルクはつめたいですよね〜。せっかくいっしょにいこうっていったのに、だまってよるのあいだにいっちゃうなんて〜。」
彼女はブツブツ言いながら、手にした杖をクルクルと回す。周囲から降り注ぐ恐怖と畏怖の視線も、当の本人には届かない。
「さてはて、みなさんはどうおもいますかぁ〜?」
そんな言葉とともに、頭のてっぺんにピンと立った髪の毛もクルクルと回る。
『そうだね〜。』
『もけっもけけっもけもけけ〜(そうっすね〜)。』
『クリックリクリクリクリ〜(どうしたもんかね〜)。』
『ほわ〜ほわほわほわ〜(こまったね〜)。』
『シュワッシュワシュワッシュワッチ(我、思案)。』
複数の声が、彼女の背後から答える。
一つは羽の生えた球体。額に大きなハートマークがついている。
ライナの使い魔、ミニ天使の「ハッピー・ラヴァー」である。
一つは羽の生えた立方体。申し訳程度の手足が付いている。
名は「もけもけ」。一見空飛ぶわらび餅にしか見えないが何故か天使族である。
一つはやっぱり羽の生えた毛玉。クリクリした目が可愛い、かもしれない。
名は「ハネクリボー」。兄弟分の「クリボー」は悪魔族なのにこっちは何故か天使族である。
一匹は獣。羽の生えた毛むくじゃらの身体に、大きな一つ目がギョロギョロと蠢いている。
名は「エンゼル・イヤーズ」。不気味な姿な事この上ないが、何故か天使族である。
一つは巨大な球体。ボンヤリと輝くその周りに、玩具っぽい光線銃や箒がフヨフヨと漂っている。
名は「モイスチャー星人」。“星人”と明らかに宇〇人なのに何故か天s(ry
そんな連中が、訳の分からない言葉で喋くり合いながら、ブツブツ独り言を言っている少女の後にゾロゾロと付き従っている。
・・・はっきり言って異様な光景である。町の住民達が必死で目を合わせない様にしているのも、致し方ないのかもしれない。
「う〜ん。どうしましょう〜?」
『シュワ、シュワッチ(我、提案)。』
「なんですか〜?モイ君?」
『シュシュシュ、ディユワッ(町(ここ)人多かりし。助言乞うべし)。』
「あ〜、なるほど〜、ここのみなさんのどなたかにきけばいいんですね〜?」
ビクゥッ
その言葉が、民の間に緊張を走らせる。
「あの〜すいません〜、そこのあなた〜。」
「うひぃいいいいいいっ!?」
逃げ遅れた一人の民が捕まった。
その回りを、少女を中心とした異形の団体さんが取り囲む。
もはや逃げ場はない。
他の民は安堵の息を漏らしながら、犠牲となった者に哀れみと感謝の視線を送った。
「ひぃいいいいいっ!!間に合ってるっす!!間に合ってるっす!!」
ライナ達に囲まれた不運な“彼”―バグマンZは、その爆弾の様な頭をブンブン振って泣き喚く。
「オレっちは善良な一般バグマンっす!!悩みなんて何もないっす!!ふつーの毎日に満足してるっす!!不満ないっす!!だからそーゆーの間に合ってるっす!!ホントっす!!ホントっすから、勘弁してくださいっす!!」
べチンッ
「ゲフッ!?」
はたかれた。
エンゼル・イヤーズの鞭みたいな手に。
結構、いやかなり痛い。
大きな一つ目が赤く血走ってギョロギョロ蠢いている。どうやら、イラついているらしい。
『ほわほわっほわほわほわ(うるさひ)!!』
「ああ、だめですよ、めーくん。らんぼうしちゃあ。めっですよ?」
ライナに諭され、エンゼル・イヤーズはポリポリと頭をかく。
『ほわほわ〜(ごめんなさい)。』
「わかればいいのです。」
エンゼル・イヤーズの頭をなでなでしながら、ライナは改めてバグマンZに向き直る。
「だいじょうぶですよ〜。こわいこともいたいこともしないのであんしんしてください〜。」
(すでに痛い目に合わされてんすけど・・・)
バグマンZの抗議の視線には全く気付かない様子で、ライナは勝手に話を進める。
「あのですね〜、じつはライナたちはひかりぞくせいのドラゴンさんをさがしているのです。このみやこのちかくでよくみつかるってきいたんですけど、なにかごぞんじありませんか〜?」
「は?ド、ドラゴンすか?」
「はいです〜。」
ライナの問いに、バグマンZは懸命に頭を捻る。
今のこの状況から逃れられるかが掛かっているので、何しろ必死である。
創造神(ホルアクティ)様、創星神(sophia)様。三幻神様に三邪神様。どうぞオレっちめにお力を。
普段は口にもしない、知り得る限りの神の名に祈る。
そうして、自分の脳内を検索しまくる事数分。
―かくして、彼の脳裏に神の天啓は降りた。
「はっ、そ、そうっす!!確か・・・」
そう言って空の虹を指差す。
「あの虹の麓には、虹から降る光エネルギー、シャインスパークの溜まり場があるんす。そこにはそれを目当てに光属性のモンスターが集まるって聞いた事があるっすから、ひょっとしたらそこに・・・」
「ドラゴンさんもいるかもしれないんですね〜!?」
「は、はいっす・・・。」
「ありがとうです!!これはおれいです〜。」
そう言って、ライナはバグマンZの手に何やら握らせる。
「それではみなさん、いきましょ〜!!」
『あい〜。』
『もけ〜(はいな〜)。』
『クリ〜(ゴーゴー)。』
『ほわ〜ほわほわ〜(叩いてごめんね〜)』
『シュシュワッチ、デュワッ(我、感謝)。』
口々に言い合い、ライナ達はその場を後にした。
後に残された人々は、ただ呆然。当然、バグマンZもただ呆然。
「な・・・何だったんすか・・・?」
そういってライナに握らされた手を見てみると―
そこには飴玉が数個、転がっていたりするのだった。
続く
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