2020年10月10日
【霊界物語スーパーメルマガ】世界大家族制とベーシックインカム(13) 飯塚弘明(霊界物語スーパーメルマガ)
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霊界物語スーパーメールマガジン
2020.10.12
出口王仁三郎・著『霊界物語』を
飯塚弘明がやさしく解説します
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【ブログ更新】
●三鏡解説039まで載せました。
↓目次はこちら
https://iizukahiroaki.com/?p=1477
★.。:・.。:*・★.。:・.。:*・★.。:・.。:*★
╋ 世界大家族制とベーシックインカム(13) ╋
土地為本、御稜威為本について、前回の続きです。
日本全国の土地の総額は、大正8年(1919年)の時点で約331億円だと、前回書きました。
https://blog.goo.ne.jp/my-encyclopedia/e/c4dffb694d5cef2415089ee23e6129f4
大正13年(1924年)の時点でも約332億円です。(内地だけで、朝鮮・台湾等は含まない)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kokufu/pdf/0306_1.pdf
土地総額は年々上昇しているはずです。
もっと後年の、昭和前半のデータが欲しいのですが、ちょっと見つかりませんでした。
↓こちらのページには、明治から平成までの、政府の歳入・歳出の金額がまとめられています。
https://www.petitmonte.com/politics_economy_life/revenue_and_expenditure.html
それを見ると、大正8年(1919年)から昭和10年(1935年)まで、歳入は約20億円前後で推移しています。
大正8年の時点で考えると、土地総額は、歳入の16年分くらいの額になります。
王仁三郎は土地を天皇に返還して、その土地をもとにして、1000億円とか1200億円とかの紙幣を発行せよと唱えていました。
その金額の出所は何なのかは分かりませんが、土地総額そのものではないようです。
「日本を徹底的に建直すにおいては、一千億円の金が要ると思う」
●『惟神の道』(昭和10年発行)所収「神政運動について」
https://reikaimonogatari.net/index.php?obc=B123900c081#a259
と述べているように、経済的困窮に陥った日本社会を立て直すために必要だと思う金額のようです。
仮に1000億円必要だとするなら、歳入の50年分もの額になります。
それだけのお金があれば、税金を0円にしても大丈夫でしょう。
しかし、そもそも土地をもとにして紙幣を発行するということは、どういうことなのでしょうか?
前回引用した部分から再び引用してみると、
/=====
●出口王仁三郎氏に物を訊く座談会
https://reikaimonogatari.net/index.php?obc=B108500c25
その土地が一千二百億円のものやったら、それだけの財産が皇室のものになる。皇室からは一千二百億円の札をお下げになるから、国民にそれだけの金が廻って来る。土地本位
やから、国民がその土地を借りるのや。ワシは昔から、そう言っている。
=====/
/=====
●『惟神の道』所収「皇道経済我観」
https://reikaimonogatari.net/index.php?obc=B123900c080#a112
その土地が一千億円のものであったら、それだけの財産が皇室のものになる。皇室からは御稜威により五百億円でも一千億円でも紙幣をお下げになるから、国民にそれだけのお金
が回って来るわけである。
=====/
などと王仁三郎は述べていますが、あまりにも大ざっぱで、具体的にどういうことなのかよく分かりません。
金本位制というのは、金という金銭的価値があるモノを金庫に保管し、持ち運びしやすいように紙幣を発行します。その紙幣は金と交換可能(兌換)なので、金の引換券とか預か
り証のようなものです。
それと同じように土地本位制というものを考えてみると、土地と交換可能な紙幣を発行するということになります。
しかし、金というものは、あの金もこの金も、みな同じ価値ですが、土地というものは、この土地とあの土地とでは価値が異なります。また場所によって価格の変動も激しいです
。
実際に紙幣と交換してくれと申し出たら、一体どこの土地と交換してくれるのか???
土地と交換可能な紙幣というものは、仕組みが全くよく分かりません。
そもそも土地を国有化することで、そんな大量のお金を生み出すことが出来るのであれば、共産主義国家はどこも経済が潤っているはずです。しかしそんな話は聞いたことがあり
ません。
前々回で、80年代のバブル期に造語された「土地本位制」という言葉があるということを書きましたが、さらに調べて行くと、土地をもとに紙幣を発行するという考えがかなり
昔からあることが分かりました。
主なものが2つあります。
まず、フランスの「アッシニア」という紙幣です。
18世紀末のフランス革命の最中に発行された紙幣です。
これはひょっとしたら、ヨーロッパの近代史に詳しい方なら誰でもご存じなのかも知れません。
フランス革命を語るのにアッシニアは重要なキーワードの一つのようです。
アッシニアは、革命政府によって国有化された教会の財産を担保として発行された紙幣です。
土地を証券化したもので、紙幣と言うよりは、土地債券です。
仮にアッシニア紙幣と土地を交換することがあるのなら、それは土地の売買と同じことになります。
全国の土地の中のほんの一部分、しかも教会の土地だけを担保としているので、これは理屈としては理解できます。
しかし全国の土地を担保とするのであれば、なかなか理解が難しいです。
人が住んでいる土地を売買したり、利用価値のない原野を売買するのはなかなか難しいので、全国の土地を一律に証券化するのは難しいでしょう。
アッシニアは恒久的な紙幣ではなく、革命政府が財政難のために臨時にとった策です。
結局、インフレを引き起こして廃止されました。これは失敗例です。
詳しいことはご自分で調べて下さい。
(参考)
https://kotobank.jp/word/-2128155
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%8B%E3%82%A2
2つ目は、ドイツの「レンテンマルク」です。
1920年代に、第一次大戦後のインフレを立て直すため臨時に発行された紙幣です。
レンテン(Renten)とは、土地の所有者がその土地から得られる収入(地代など)のことです。
こちらはアッシニアと異なり、土地自体を担保にするのではなく、地代を担保に紙幣を発行するシステムです。
ドイツ国内の土地(全ての土地ではなく、農地や、商工業者が持つ土地)に「土地債務」というものを設定します。
これは言うなれば地代です。
この地代を担保として、紙幣を発行するのです。
これによってドイツのインフレは収束しました。これは成功例です。
詳しいことはご自分で調べて下さい。
(参考)
https://kotobank.jp/word/-152215
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%8
3%AB%E3%82%AF
『レンテンマルクの奇跡』(昭和21年刊)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1459487
王仁三郎が皇道経済論を提唱したのとほぼ同時期に、ドイツで実施されたレンテンマルクが、王仁三郎が説く土地為本(土地本位)を理解するのに、一番役立ちそうです。
国民が土地を天皇(国)に返還し、大地主となった天皇が、土地の地代(土地の使用料)を担保に紙幣を発行するということであれば、王仁三郎が説く土地為本は理解できます。
実際にドイツで成功例があるのです。
しかしいずれにせよ、経済的困窮を打開するための、一時的な施策に過ぎません。
それに、土地総額(約332億円)の3倍もの額(1000億円)の地代を設定するというのは、常識外れです。この方法では1000億円の調達は無理で、せいぜい1年の歳入
と同じくらいの額(約20億円)しか調達できないのではないでしょうか。
王仁三郎も、土地為本は一時的な策だと考えていたようです。
「金銀為本を廃(や)め、土地為本の制度にするが最も平易にして簡単で、効力の多い御稜威為本としたならば、必要な金はいくらでも出すことで出来る」
●『惟神の道』(昭和10年発行)所収「神政運動について」
https://reikaimonogatari.net/index.php?obc=B123900c081#a259
と説いており、土地為本は「平易にして簡単」だが、御稜威為本の方が「効力の多い」やり方だと言っています。
では、この御稜威為本とは何か?ということになりますが、これもまた王仁三郎は具体的なことは説いていません。
推測するしかないのですが、既存の概念で言うと、管理通貨制度と政府紙幣を同時に実行するようなものになると思います。
(続く)
★‥…―━―…‥・‥…―━―…‥★
お読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに!
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
『霊界物語スーパーメールマガジン』
■発行日 令和2年(2020年)10月12日 (毎週月曜、木曜発行)
■発行所 オニド(王仁三郎ドット・ジェイピー)
https://www.onisavulo.jp/
■発行人 飯塚弘明
■連絡先 oni_do@ybb.ne.jp
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https://www.onisavulo.jp/ond.php?id=4
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(C) 2020 IIZUKA HIROAKI
注:出典を明記していただければ自由に転載してもらっても構いません。
たとえば、「霊界物語スーパーメールマガジンから引用」などと
どこかに書いておいてもらえればOKです。
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土地為本、御稜威為本について、前回の続きです。
日本全国の土地の総額は、大正8年(1919年)の時点で約331億円だと、前回書きました。
https://blog.goo.ne.jp/my-encyclopedia/e/c4dffb694d5cef2415089ee23e6129f4
大正13年(1924年)の時点でも約332億円です。(内地だけで、朝鮮・台湾等は含まない)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kokufu/pdf/0306_1.pdf
土地総額は年々上昇しているはずです。
もっと後年の、昭和前半のデータが欲しいのですが、ちょっと見つかりませんでした。
↓こちらのページには、明治から平成までの、政府の歳入・歳出の金額がまとめられています。
https://www.petitmonte.com/politics_economy_life/revenue_and_expenditure.html
それを見ると、大正8年(1919年)から昭和10年(1935年)まで、歳入は約20億円前後で推移しています。
大正8年の時点で考えると、土地総額は、歳入の16年分くらいの額になります。
王仁三郎は土地を天皇に返還して、その土地をもとにして、1000億円とか1200億円とかの紙幣を発行せよと唱えていました。
その金額の出所は何なのかは分かりませんが、土地総額そのものではないようです。
「日本を徹底的に建直すにおいては、一千億円の金が要ると思う」
●『惟神の道』(昭和10年発行)所収「神政運動について」
https://reikaimonogatari.net/index.php?obc=B123900c081#a259
と述べているように、経済的困窮に陥った日本社会を立て直すために必要だと思う金額のようです。
仮に1000億円必要だとするなら、歳入の50年分もの額になります。
それだけのお金があれば、税金を0円にしても大丈夫でしょう。
しかし、そもそも土地をもとにして紙幣を発行するということは、どういうことなのでしょうか?
前回引用した部分から再び引用してみると、
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●出口王仁三郎氏に物を訊く座談会
https://reikaimonogatari.net/index.php?obc=B108500c25
その土地が一千二百億円のものやったら、それだけの財産が皇室のものになる。皇室からは一千二百億円の札をお下げになるから、国民にそれだけの金が廻って来る。土地本位
やから、国民がその土地を借りるのや。ワシは昔から、そう言っている。
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●『惟神の道』所収「皇道経済我観」
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その土地が一千億円のものであったら、それだけの財産が皇室のものになる。皇室からは御稜威により五百億円でも一千億円でも紙幣をお下げになるから、国民にそれだけのお金
が回って来るわけである。
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などと王仁三郎は述べていますが、あまりにも大ざっぱで、具体的にどういうことなのかよく分かりません。
金本位制というのは、金という金銭的価値があるモノを金庫に保管し、持ち運びしやすいように紙幣を発行します。その紙幣は金と交換可能(兌換)なので、金の引換券とか預か
り証のようなものです。
それと同じように土地本位制というものを考えてみると、土地と交換可能な紙幣を発行するということになります。
しかし、金というものは、あの金もこの金も、みな同じ価値ですが、土地というものは、この土地とあの土地とでは価値が異なります。また場所によって価格の変動も激しいです
。
実際に紙幣と交換してくれと申し出たら、一体どこの土地と交換してくれるのか???
土地と交換可能な紙幣というものは、仕組みが全くよく分かりません。
そもそも土地を国有化することで、そんな大量のお金を生み出すことが出来るのであれば、共産主義国家はどこも経済が潤っているはずです。しかしそんな話は聞いたことがあり
ません。
前々回で、80年代のバブル期に造語された「土地本位制」という言葉があるということを書きましたが、さらに調べて行くと、土地をもとに紙幣を発行するという考えがかなり
昔からあることが分かりました。
主なものが2つあります。
まず、フランスの「アッシニア」という紙幣です。
18世紀末のフランス革命の最中に発行された紙幣です。
これはひょっとしたら、ヨーロッパの近代史に詳しい方なら誰でもご存じなのかも知れません。
フランス革命を語るのにアッシニアは重要なキーワードの一つのようです。
アッシニアは、革命政府によって国有化された教会の財産を担保として発行された紙幣です。
土地を証券化したもので、紙幣と言うよりは、土地債券です。
仮にアッシニア紙幣と土地を交換することがあるのなら、それは土地の売買と同じことになります。
全国の土地の中のほんの一部分、しかも教会の土地だけを担保としているので、これは理屈としては理解できます。
しかし全国の土地を担保とするのであれば、なかなか理解が難しいです。
人が住んでいる土地を売買したり、利用価値のない原野を売買するのはなかなか難しいので、全国の土地を一律に証券化するのは難しいでしょう。
アッシニアは恒久的な紙幣ではなく、革命政府が財政難のために臨時にとった策です。
結局、インフレを引き起こして廃止されました。これは失敗例です。
詳しいことはご自分で調べて下さい。
(参考)
https://kotobank.jp/word/-2128155
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%8B%E3%82%A2
2つ目は、ドイツの「レンテンマルク」です。
1920年代に、第一次大戦後のインフレを立て直すため臨時に発行された紙幣です。
レンテン(Renten)とは、土地の所有者がその土地から得られる収入(地代など)のことです。
こちらはアッシニアと異なり、土地自体を担保にするのではなく、地代を担保に紙幣を発行するシステムです。
ドイツ国内の土地(全ての土地ではなく、農地や、商工業者が持つ土地)に「土地債務」というものを設定します。
これは言うなれば地代です。
この地代を担保として、紙幣を発行するのです。
これによってドイツのインフレは収束しました。これは成功例です。
詳しいことはご自分で調べて下さい。
(参考)
https://kotobank.jp/word/-152215
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%8
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『レンテンマルクの奇跡』(昭和21年刊)
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王仁三郎が皇道経済論を提唱したのとほぼ同時期に、ドイツで実施されたレンテンマルクが、王仁三郎が説く土地為本(土地本位)を理解するのに、一番役立ちそうです。
国民が土地を天皇(国)に返還し、大地主となった天皇が、土地の地代(土地の使用料)を担保に紙幣を発行するということであれば、王仁三郎が説く土地為本は理解できます。
実際にドイツで成功例があるのです。
しかしいずれにせよ、経済的困窮を打開するための、一時的な施策に過ぎません。
それに、土地総額(約332億円)の3倍もの額(1000億円)の地代を設定するというのは、常識外れです。この方法では1000億円の調達は無理で、せいぜい1年の歳入
と同じくらいの額(約20億円)しか調達できないのではないでしょうか。
王仁三郎も、土地為本は一時的な策だと考えていたようです。
「金銀為本を廃(や)め、土地為本の制度にするが最も平易にして簡単で、効力の多い御稜威為本としたならば、必要な金はいくらでも出すことで出来る」
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と説いており、土地為本は「平易にして簡単」だが、御稜威為本の方が「効力の多い」やり方だと言っています。
では、この御稜威為本とは何か?ということになりますが、これもまた王仁三郎は具体的なことは説いていません。
推測するしかないのですが、既存の概念で言うと、管理通貨制度と政府紙幣を同時に実行するようなものになると思います。
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お読みいただきありがとうございました。
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