2021年07月21日
今話題になっているMIPOXの検査装置の何がすぐれているのか
今話題になっているMIPOXの検査装置の何がすぐれているのか
検証してみました。
半導体の製造工程をざっと見てみます
1.原材料であるケイ素(シリコン)を岩石から純度を高めた単結晶シリコンに
加工します。この時点では円柱のロールハムのような形です。
2.これを1枚ずつ輪切りにしていきます。丸いスライスハムのような状態です。
この状態をウエハーといいます
3.これに研磨しピカピカにします。DVDメディアのような状態です
実際には直径20-30CMぐらいの大きさになります
4.この後に複雑な工程を経て回路を焼き付け1cmの大きさの角片、(ダイ)にします
5.このダイに線をつなぎプムカデのような形にしプラスチックで黒く固めたものが 所謂半導体チップで一応、最終形になり ROMとかCPUとか呼ばれ製品になります
ここで問題になるのは3.のウエハ状態の時にその素材に欠陥があると4の工程以下がダメになり不良品が発生し大損になります。このウエハ状態での欠陥をキラー欠陥といいこれをを効率的に検査発見することができれば半導体製造工程の画期的な技術になるわけです。
今回は特にパワー半導体用の検査装置です。パワー半導体は何に使うかといえば例えばEV、電気自動車用途(モーター制御など)に大量の需要拡大が予想されます。
最近の世界的なEVの需要拡大は中国が2025年の新車販売の60%をEV関連にするように法律を前倒したことが大きく影響しています。なんとなく2050年とか 2040年ごろまでにはEV化が進のではと世界の人々は考えていたのですが5年後には世界最大の市場である中国で急速にEV化が進むことになり業界が騒然としています。
それにはパワー半導体をはじめとした自動車用半導体が大量に必要ですが半導体の製造設備が世界的に全く足りておりません。
昨今の報道のようにこの半導体不足の影響で各自動車メーカー生産調整をせざるを得ない事態になっています。当然各ファウンドリー(製造受託会社)は生産設備に増強に動いています。
その時に効率的に歩留まり向上、生産効率アップができる検査装置が発表された
となれば発注が殺到することも夢ではないかもしれません。
今回の製品は数カ月前に発売されたMIPOXの検査装置製品本体に後付けが可能です。1から製品を開発するわけでは無いので製品の市場投入は早いと私は見ています。
どの程度の株価になるかはわかりませんが参考になる会社があります。
4の工程のウエハー焼き付け前のマスクの検査装置がそれです。
この検査装置は日本のメーカーでEUV 先端露光装置用でマスクブランクス検査装置シェア100%です。
レーザーテック(6920)という会社で現在の株価は15000円以上ですが数年前は2000円ぐらいと本当に安かったです。それが検査装置に発表と共に2年ほど掛けて大きく値上がりしました。
そういう状況を考えると今後のMIPOXには相当期待して良いのでは考えています。
なお分かりやすくするためかなり大雑把に表現しています。
誤りもあると思いますがご素人の個人的見解とご容赦ください。
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