事件通信　〜日々の出来事〜

　２００８年に元厚生事務次官や妻を襲い３人を殺傷したとして殺人などの罪に問われ、一審、二審で死刑判決を受けた小泉毅被告の裁判で、最高裁は１３日、小泉被告の上告を退け、死刑判決が確定することになった。
　現在の日本の裁判では殺人においては３人以上を殺害すると死刑になるようになっている。逆に言うと二人までならよっぽどな事が無い限り殺人では死刑にならない。また被告人に精神上に異常ありとされた場合にも罰を逃れることになる。今回の事件の場合にも小泉被告は精神鑑定を受けていたが精神面では問題無しとされていたために刑にいたった。しかし逆に異常ありとされていた場合には善悪がつかないという理由で三人も殺害しておきながらも死刑になる事は無かっただろう。
　刑罰を与えるにあたって基準が無ければ罰則を与えられないのは十分に理解できることなのだが基準に従ったために刑が軽いものになった場合の親族の方々の事を思うと何ともやるせない気持ちである。現在では裁判員制度が導入され、裁判上に一般市民の感覚も取り入れようという取り組みがされている。しかし裁判員制度が導入されるのは第一審だけであり、控訴審からは排除されてしまう。そう考えると控訴されてしまえば、やはり専門家たちの考えだけになる訳であり市民感覚を取り入れる事はまだまだ出来ないのかもしれない。