2019年05月24日
優しい生き方をしたい、感動のヒューマン映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(Manchester by the sea)とは、英語で「海のそばのマンチェスタ
ー」と訳してしまいそうですが、実際にアメリカ・マサチューセッツ州にある町の名前でした。
文字通り、海のそばにある景勝地で、この田舎町を故郷とする主人公リー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)に起こったできごとです。
この作品でケイシー・アフレックは、第89回のアカデミー賞主演男優賞を受賞。また、共演のミシェル・ウィリアムズも助演女優賞にノミネートされた話題作です。
あらすじ・イントロ
主人公リーは、もともとこの街で暮らしていたのですが、ある事件をきっかけにボストンに移住。
性格も変わってしまい、周囲とはあまり関わりを持つことなくひっそりと暮らしていました。
しかし、兄のジョー(カイル・チャンドラー)の突然の訃報を受け、この海辺の街に戻ったことから物語は始まります…。
あらすじ・見どころ
◇久々のマンチェスター・バイ・ザ・シー
兄のジョーは離婚していたので、結局、16歳の一人息子パトリック(ルーカス・ヘッジズ)だけが残されることに。
葬式を終えたらすぐにボストンに戻るつもりだったリー。しかし、まさかの出来事が起こります。
それは、兄のジョーが財産管理も含め、パトリックの後見人に弟リーを指名する遺言を残していたのです。
驚いたのは事前に何の相談なかったリー。
◇淡々と流れる映像と懐かしい海辺
困ったリーは、パトリックにボストンに一緒に来るように告げます。
しかし、まだまだ学校生活を楽しみ、友人とも別れらないパトリックは抵抗することに。
この一連のできごとは、リー本人にとっても、パトリックにとっても大変なことなのですが、抑え気味の映像が続き、淡々と流れていきます。
この構成が余計に寂寥感を誘い、映画の見どころになっています。
◇故郷に帰りたくなかった理由
リーは悩みます。
リーがこの街、マンチェスター・バイ・ザ・シーに住みたくない理由、そしてかつて住んでいた時の、辛すぎる過去が明らかに。
もともと快活だったリーは、妻ランディ(ミッシェル・ウィリアムズ)と子ども3人で楽しい日々を過ごしていたのです。
それが、一夜にして一家は離散することに。原因は、リーが外出している最中の火事でした。
クライマックスからエンディングへ
(最終のネタバレなし)妻ランディは運よく助かりますが、3人の子どもはみんな亡くなったのです。
傷心の末、リーはランディとは離婚。そして、自殺未遂まで起こしてすさんでいく一方。
そんな過去が明らかにされて行く中、リーの口数の少なさや、早く街を離れたい気持ちが痛いほど伝わってきます。
火事さえ起らなければ別れることもなかったランディと、ある日、街中でバッタリ再会!
このシーンは秀逸です…。
感想とおすすめ度
主演ケイシー・アフレックは、ベン・アフレックの実弟です。押し殺した表情で、派手さのない役柄ですがそれだけに伝わる深さは格別。
主演男優賞を取るだけのものを十分感じられました。
最後の、リーとパトリックとの顛末を楽しみに。心温まる出来上がりのおすすめ映画です。
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