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2015年07月04日

薬害の歴史

まとめ
副作用は誰にでも起こりうるものであり、安全性情報が適切に運用されなかった場合、薬害へとつながることがある。

〈サリドマイド訴訟〉
・催眠鎮静薬としてOTCでも発売されていたサリドマイド製剤を、妊娠している女性が服用したことで、新生児に四肢欠損や感覚器障害などの先天的な異常が発生したことに対する損害賠償訴訟。

・1957年に西ドイツで、1958年に日本でも発売。1961年に西ドイツでレンツ博士が警告するも日本では販売を続け、1962年にようやく回収された。

・血液胎盤関門を通過。光学異性体のS体に血管新生阻害作用がある。胎児の器官形成に必要な細胞分裂を妨げてしまう。(R体のみを集めたとしても、体内でS体に変換されてしまうため副作用は避けられない。)

・WHO加盟国を中心に副作用情報の収集体制の整備がなされた。

〈スモン訴訟〉
・整腸剤としてOTCでも発売されていたキノホルム製剤の服用により亜急性脊髄視神経症(スモン)を発症したことに対する損害賠償訴訟。

・1924年に発売。1958年に神経症状が報告され、2年後にアメリカで使用が制限、1970年にスモンの原因がキノホルムであることが発覚、発売停止になった。

・初期症状としては腹痛を伴う下痢、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難などが現れる。進行すると麻痺は上半身に広がり、視覚障害から失明に至ることがある。

・これを契機に1979年に医薬品の副作用による副作用被害の迅速な救済を図るために医薬品副作用被害救済制度が創設された。

〈HIV訴訟〉
・血友病患者がヒト免疫不全ウイルス(HIV)の混入した原料血漿から製造された血液凝固製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟。

・1996年の和解を踏まえ、国はエイズ治療・研究開発センター及び拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の取組みを推進している。

・1999年には誓いの碑を建てて、医薬品による被害を発生させることのないように努めるように誓っている。

〈CJD訴訟〉
・脳外科手術に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患したことに対する損害賠償請求。

・たんぱく質の一種であるプリオンが原因。(細菌やウイルスなど微生物が原因ではない。)

・認知量に類似した症状が現れ、死に至る神経難病。

・2002年に和解が成立、同年の薬事法改正により、生物由来製品の安全対策強化、感染等被害救済制度が創設された。



【南関東27−017】
a.サリドマイド訴訟は、催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。

b.サリドマイドによる薬害事件は、我が国のみならず世界的にも問題となったため、WHO加盟国 を中心に市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。

c.サリドマイドによる副作用の原因である血管新生を妨げる作用は、サリドマイドの光学異性体の うち、一方の異性体(S体)のみが有する作用であり、もう一方の異性体(R体)のサリドマイドを分離して製剤化 すれば催奇形性は避けることができる。

【解説】
a ○   
b ○ サリドマイド→情報収集体制が整備
c × R体だけ集めても体内でS体に変換される。

【南関東27−018】
a.スモン訴訟は、解熱鎮痛剤として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。

b.スモンはその症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。

c.スモン患者に対しては、治療研究施設の整備、治療法の開発調査研究の推進、重症患者に対する介護事業等が講じられている。

【解説】
a × キノホルムは整腸剤。
b ○
c ○ 


【南関東27−019】
語句選択問題

( a )患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料( b )から製造された血液凝固因子製剤の投与を 受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。

( a )の選択肢:血友病 鉄欠乏性貧血
( b )の選択肢:血小板 血漿 赤血球

【解説】
a 血友病
b 血漿


【南関東27−020】
a.CJD訴訟は、手術等に用いられていた血液製剤を介してCJDに罹患したことに対する損害賠償訴訟である。

b.CJDは、ウイルスが脳の組織に感染し、次第に認知症に類似した症状が現れる神経難病であるが、死に至ることはない。

c.CJD訴訟を契機に、国は医薬品副作用被害救済制度を創設した。

【解説】
a × 血液製剤ではなく乾燥硬膜
b × ウイルスは関係ない。異常プリオンが原因で、死に至る難病。
c × スモンのときに副作用救済制度はできていた。


【大阪26−017】
a.サリドマイド訴訟とは、サリドマイド製剤を使用したことにより亜急性脊髄視神経症に罹り患したことに対する損害賠償訴訟である。

b.サリドマイドには、光学異性体があり、一方の異性体には鎮静作用、他方には血管新生を妨げる作用があるとされている。

c.日本では、サリドマイド製剤の副作用について海外で警告が発せられてから販売停止及び回収措置が行われるまでの対応の遅さが問題視された。

【解説】
a × 亜急性脊髄視神経症は、キノホルム製剤によるもの。  
b ○ S体に血管新生阻害作用がある。
c ○


【大阪26−018】
a.スモンはその症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺しびれや脱力、歩行困難等が現れる。

b.スモンの原因とされているキノホルム製剤は、解熱鎮痛薬として販売されていた。

c.スモン訴訟を契機の一つとして、日本では医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品等安全性情報報告制度が創設された。

【解説】
a ○ キノホルムは整腸剤だが、初期に腹痛、下痢を呈する。
b × aの解説通り、キノホルムは解熱鎮痛剤ではなく整腸剤。
c × 副作用被害救済制度ができた。情報報告制度ができたのはサリドマイドのとき。


【大阪26−019】
a.HIV訴訟は、血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。

b.製薬企業のみが被告として提訴された。

c.HIV訴訟の和解を踏まえ、製薬企業に対し、医薬品の副作用報告が初めて義務づけられた。

d.HIV訴訟を契機に、国は、エイズ治療研究開発センター及び拠点病院の整備を行った。

【解説】
a ○
b × 国も訴えられた。
c × HIVの頃には既に報告制度も救済制度も整備されていた。
d ○


【大阪26−020】
1.CJDは、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。

2.CJDは、タンパク質の一種であるプリオンが原因であるとされている。

3.CJDは、プリオン不活化のための化学的処理が十分行われないまま流通したヒト乾燥硬膜を、脳外科手術で移植された患者に発生した。

4.CJD訴訟は既に和解が成立している。

5.CJD訴訟を契機として、医薬品副作用被害救済制度が創設された。

【解説】
1〜4 ○ 
5 × スモンのときに副作用救済制度はできていた。この頃から生物由来医薬品が警戒される。


薬害訴訟と関連性のある語句
【四国26−020】

a サリドマイド訴訟 − 催奇形性
b スモン訴訟 − プリオン
c HIV訴訟 − 血液製剤の安全性確保
d CJD訴訟 − キノホルム

【解説】
a ○ 
b × プリオンはCJD訴訟に関与。 
c ○ 
d × キノホルムはスモン訴訟に関与。


【九州・沖縄24−002】
ア ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染防止のため、血液製剤の安全確保対策として検査や献血時の問診の充実が図られた。

イ サリドマイド製剤は催眠鎮静剤として使用されていたため、医療用医薬品のみ販売されていたが、一般用医薬品の販売に従事する者も、薬害事件の歴史を十分に理解し、副作用等による健康被害の拡大防止に努める必要がある。

ウ 国は、生物由来の医薬品等によるヒト免疫不全ウイルス(HIV)やクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の感染被害が多発したことにかんがみ、2002年に行われた薬事法改正に伴い、生物由来製品の安全対策を強化した。

エ 薬害は、医薬品が十分注意して使用されたときには起こらないものである。

【解説】
ア ○
イ × サリドマイドはOTCとして販売されていた。
ウ ○
エ × 薬を軽視した結果起こることもあれば、予想外に有害な作用が出て広まってしまうこともある。


【九州・沖縄24−019】
1 サリドマイドは、胃腸薬にも配合されていた。

2 血管新生を妨げる作用は、サリドマイドの光学異性体のうち、R体のみが有する作用であり、S体のみを分離して製剤化したものでは催奇形性はない。

3 1961年11月に、西ドイツのレンツ博士がサリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し、これを受け日本は同年の12月に製品回収を行った。

4 サリドマイドは、胎盤関門を通過しない。

【解説】
1 × 睡眠薬
2 × S体に有する作用。R体のみを集めても体内でS体に変換される。
3 ○
4 × 通過するから催奇形性をもたらした。


【九州・沖縄24−020】
ア スモンとは、亜急性脊髄視神経症のことである。

イ スモンはその症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れるが一時的であり、時間の経過とともに症状は軽快し、後遺症は残らない。

ウ スモン訴訟は、製薬企業ではなく国を被告として提訴された。

エ スモンは、キノホルム製剤が原因である。

【解説】
ア ○
イ × 一時的ではない。後遺症も残る。
ウ × 製薬企業も提訴。
エ ○ 整腸剤のキノホルムが原因。

2015年07月03日

適切な医薬品選択 (2)情報提供、確認事項、乱用・依存

まとめ
・販売の際には「生活者のセルフメディケーションを支援する」という意識を持ち、適切なコミュニケーションを図ることが大切である。

・購入者から収集した情報と添付文書の内容を照らし合わせて、適切な情報提供を行い、適正使用につながるようにする。

・購入者側に情報提供を受けようとする意識が乏しい場合でも、できるだけコミュニケーションを図るようにする。

・医薬品は、その目的とする効果に対して副作用を生じる危険性が最小限となるよう、使用する量や使い方が定められている。

・すぐに医薬品を使用する状況にない場合は、購入者等に対して、実際に使用する際に、改めて添付文書等に目を通すよう促すことが重要である。

〈販売時に確認したいこと〉
1.何のために購入するのか
2.使用するのは本人か、家族か
3.小児、高齢者、妊婦か
4.医療機関の受診の有無
5.アレルギー歴、副作用歴
6.相互作用は問題ないか
7.すぐに使用するか

〈依存について〉
・一般用医薬品でも習慣性・依存性のある成分を含んでいるものがあり、乱用に注意しなければならない。

・代表的な成分はコデイン系(コデインリン酸塩など)、エフェドリン系(プソイドエフェドリンなど)、ブロムワレリル尿素の3つ。

・適切な使用がなされる限りは安全かつ有効な医薬品であっても、乱用された場合には薬物依存を生じることがある。

・医薬品の乱用を繰り返すことによって、慢性的な臓器障害を生じるおそれがある。

・必要以上に大量購入や頻回購入などを試みる購入者等には慎重に対処する必要がある。



【南関東27−016】
a.購入者が、自分自身や家族の健康に対する責任感を持ち、適切な医薬品を選択して、適正に使用しようとするよう、働きかけていくことが重要である。

b.必ずしも情報提供を受けた当人が医薬品を使用するとは限らないことを踏まえ、販売時のコミュニケーションを考える必要がある。

c.購入者側に情報提供を受けようとする意識が乏しい場合は、情報提供を行うためのコミュニケーションを図る必要はない。

【解説】
a ○
b ○
c × 購入者があまり話したがらない場合でもできるだけコミュニケーションを。 


【南関東27−007】
a.小児に用いる場合、成人用の医薬品を半分にして飲ませれば、特に有害事象につながる危険性はない。

b.医薬品は、その目的とする効果に対して副作用を生じる危険性が最小限となるよう、使用する量や使い方が定められている。

c.一般用医薬品には習慣性・依存性がある成分を含んでいるものがあり、そうした医薬品がしばしば乱用されることが知られている。

【解答】
a × そんなおおざっぱではない。年齢ごとに服用量は細かく設定されている。
b ○ 
c ○ コデインは必ず覚えておきたいところ。できればエフェドリン系とブロムワレリル尿素も。


【大阪26−005】
a.適切な使用がなされる限りは安全かつ有効な医薬品であっても、乱用された場合には薬物依存を生じることがある。

b.人体に直接使用されない医薬品についても、使い方や判断を誤った場合は、有害事象につながることがある。

c.一般用医薬品は、定められた用量を超える量を服用しても、有害事象につながることはない。

【解答】
a ○ 依存性:コデイン、ブロムワレリル尿素など
b ○ 殺虫剤など
c × 定められた用量をこえる量を服用すると有害事象につながる。


【大阪26−007】
a.一般用医薬品を使用することによってその症状が悪化したり、治療を妨げられることがあるため、問題が生じるおそれがあれば使用を避けることができるよう情報提供がなされることが重要である。

b.登録販売者は、医療機関・薬局で交付された薬剤を使用している人に対し、一般用医薬品との併用の可否について、その薬剤を処方した医師若しくは歯科医師又は調剤を行った薬剤師に相談するように説明する必要がある。

c.過去に医療機関で治療を受けていたが、現在、治療を受けていなければ、一般用医薬品の使用について特に注意する必要はない。

【解答】
a ○
b ○ 
c × 副作用歴やアレルギー歴がある場合、OTCでも注意が必要。


【大阪26−015】
a.購入者側に情報提供を受けようとする意識が乏しい場合には、コミュニケーションを図る必要はない。

b.登録販売者においては、購入者等が自分自身や家族の健康に対する責任感を持ち、適切な医薬品を選択して適正に使用するよう働きかけていくことが重要である。

c.すぐに医薬品を使用する状況にない場合は、購入者等に対して、実際に使用する際に、改めて添付文書等に目を通すよう促すことが重要である。

【解説】
a × 購入者があまり話したがらない場合でもできるだけコミュニケーションを。 
b ○
c ○ 添付文書には保管、必読の記載がある。 


【大阪26−016】
a.その医薬品を使用する人が、妊婦であるかどうかを確認した。

b.その医薬品を使用する人の両親及び兄弟の年齢を確認した。

c.その医薬品を使用する人の血液型を確認した。

d.その医薬品を何のために購入しようとしているかを確認した。

【解説】
a ○  
b × 飲む本人の情報が必要。
c × 血液型は無関係。
d ○ 


【大阪26−101】
a.医薬品は、効能・効果、用法・用量、起こり得る副作用等、その適正な使用のために必要な情報(適正使用情報)を伴って初めて、医薬品としての機能を発揮する。

b.薬剤師や登録販売者は、購入者等への情報提供及び相談対応を行うために添付文書や製品表示に記載されている内容を的確に理解しておく必要がある。

c.薬剤師や登録販売者は、購入者等の状況に応じて、添付文書や製品表示に記載されている内容から、積極的な情報提供が必要と思われる事項に焦点を絞り、効果的かつ効率的に説明することが重要である。

【解説】
a ○ 
b ○
c ○


【四国26−007】
a 一般用医薬品は、使用の判断をする主体が一般の生活者であるため、適正な使用を図っていく上で、販売時に専門家の関与が重要となる。

b 一般用医薬品を使用して一時的に症状を緩和するだけの対処を漫然と続けることは、有害事象を招く危険性が増すばかりでなく、適切な治療機会を失うことにつながりやすい。

c 一般用医薬品には、習慣性・依存性のある成分を含んでいるものはなく、乱用される心配はない。

d 医薬品を本来の目的以外で、定められた用量を意図的に超えて服用したり、みだりに他の医薬品や酒類等と一緒に摂取すると、過量摂取による急性中毒を生じる危険性が高くなる。

【解説】
a ○ 
b ○ 
c × コデイン系、エフェドリン系、ブロムワレリル尿素の3つは覚えておく。 
d ○


【四国26−018】
a 販売時の情報提供は、購入者等のセルフメディケーションについて、医薬関係者の一員として共に取り組むという姿勢で臨むことが基本である。

b 医薬品の販売にあたっては、医薬品を使用する人が医療機関で治療を受けていないか、過去にアレルギーや医薬品による副作用の経験があるか、医薬品を使用する人として小児や高齢者、妊婦等が想定されるか等を考慮する必要がある。

c 医薬品の販売等に従事する専門家は、販売しようとする医薬品に関する情報を提供する必要はあるが、その医薬品がすぐに使用される状況にあるかの把握に努める必要はない。

d 医薬品の販売等に従事する専門家にとって、購入者が医薬品を使用する本人であり、かつ、現に症状等がある場合には、言葉によるコミュニケーションで得られる情報のほか、その人の状態や様子全般から得られる情報も状況把握の手がかりとなる。

【解説】
a ○ 
b ○ 
c × すぐに使うかどうかは確認したほうが良い。
d ○


【四国26−093】
要指導医薬品の情報提供、指導を行う場合において、あらかじめ確認しなければならない事項

1 氏名
2 性別
3 症状
4 授乳しているか否か
5 当該要指導医薬品に係る購入、譲受け又は使用の経験の有無

【解説】
1 × 
2 ○ 
3 ○ 
4 ○
5 ○




【九州・沖縄24−005】
1 4歳児に錠剤を服用させたいとの相談に対して、服用時に喉につかえないように、噛み砕いて服用させるよう伝えた。

2 乳児に一般用医薬品を服用させたいとの相談に対して、まずは医師の診察を受けさせることを勧めた。

3 過去に医療機関で治療を受けていたことがある購入者に対して、既往歴について聞いたうえで薬の情報提供を行った。

4 高齢の購入者の視力が低下していることが分かったため、情報提供後、使用方法や注意書きを拡大コピーしたものを渡した。

【解説】
1 × 錠剤やカプセルは、5歳未満では厳しい。かといって、噛み砕いて飲ませるのはNG
2 ○ 子供にはできるだけ受診勧告を。
3 ○ アレルギー歴、副作用歴、併用薬の確認は大事。
4 ○


【九州・沖縄24−008】
ア 医薬品を本来の目的以外の意図で、定められた用量を意図的に超えて服用すると、過量摂取による急性中毒を生じる危険性が高くなることがある。

イ 医薬品の乱用を繰り返すことによって、慢性的な臓器障害を生じるおそれがある。

ウ 必要以上に大量購入や頻回購入などを試みる購入者等には慎重に対処する必要がある。

エ 一般用医薬品の乱用では、習慣性を生じることがあっても、薬物依存にまで至ることはない。

【解説】
ア ○ 
イ ○ 
ウ ○
エ ×

適切な医薬品選択 (1)一般用医薬品の役割

まとめ
・一般用医薬品は人体に対する「作用が著しくないもの」で、医療関係者からの情報に基づいて「需要者の選択」によって使用されるもの。

・役割としては「軽度な疾病に伴う症状の改善」「生活習慣病に伴う症状発現の予防」「生活の質(QOL)の改善・向上」「健康状態の自己検査」「健康の維持・増進」「その他保健衛生」などである。

・セルフメディケーションは、簡単にいうと「自分の健康は自分で守る」という考え方。すぐに病院に行くのではなく、ある程度はOTCや生活習慣の見直しなどで対処する。

・セルフメディケーションの主役は一般の生活者。登録販売者などの専門家は支援する立場。



【南関東27−014】
一般用医薬品の役割

a.重度の疾病に伴う症状の改善
b.生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防(科学的・合理的に効果が期待できるものに限る。)
c.生活の質(QOL)の改善・向上
d.健康状態の自己検査

【解説】
a × 
b ○ ただし、これは見極めが難しい。
c ○
d ○


【南関東27−015】
a.一般用医薬品の販売に従事する専門家においては、購入者に対して常に科学的な根拠に基づいた 正確な情報提供を行い、セルフメディケーションを適切に支援していくことが期待されている。

b.一般用医薬品を一定期間若しくは一定回数使用しても症状の改善がみられない又は悪化したとき には、医療機関を受診して医師の診療を受けるよう勧める必要がある。

c.一般用医薬品で対処可能な範囲は、乳幼児や妊婦でも、通常の成人の場合と変わらないので、特に留意する必要はない。

【解説】
a ○ 
b ○ 
c × 小児はできるだけ受診勧告。


【大阪26−013】
語句選択問題

一般用医薬品の役割としては、( a )疾病に伴う症状の改善、生活の質(QOL)の改善・向上などがあり、医療機関での( b )体調の不調や疾病の初期段階、あるいは日常において、( c )疾病の診断、治療若しくは予防又は生活質の改善・向上を図ることを目的としている。

( a )の選択肢:軽度な 重度な
( b )の選択肢:治療を受けている人の 治療を受けるほどではない
( c )の選択肢:医師が 生活者が自ら

【解説】
a 軽度な 
b 治療を受けるほどではない
c 生活者が自ら 


【大阪26−014】
a.「セルフメディケーション」には、専門家による適切なアドバイスの下、身近にある一般用医薬品を利用する考え方がある。

b.一般用医薬品の購入者等に対する情報提供は、必ずしも医薬品の販売に結びつけるのでなく、医療機関の受診を勧めたり(受診勧奨)、医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合がある。

c.一般用医薬品で対処可能な範囲は、乳幼児や妊婦等、医薬品を使用する人によって変わってくるものである。

【解説】
a ○  
b ○
c ○ 


【大阪26−083】
a.一般用医薬品の用法としては、注射等の侵襲性の高い使用方法は認められていない。

b.配置販売に従事する薬剤師は、すべての一般用医薬品を配置販売することができる。

c.一般用医薬品は、医師等の診察によらなければ一般に治癒が期待できない疾患(がん等)に対する効能効果は認められていない。

【解説】
a ○
b × 配置販売業では「経年変化の起こりにくいもの」など、取り扱えるOTCの種類が限られる。薬剤師かどうかは関係ない。
c ○


【四国26−016】

1 生活の質(QOL)の改善・向上
2 生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防のうち、科学的・合理的に効果が期待できるもの
3 重度な疾病に伴う症状の改善
4 健康の維持・増進
5 健康状態の自己検査

【解説】
3 重度な疾病に伴う症状の改善
「重度」なら受診勧告を。


適切な医薬品の選択と受診勧告
【四国26−017】
a 体調の不調や軽度の症状等について一般用医薬品を使用して対処した場合、一定期間使用しても症状の改善が見られないときは、医療機関を受診して医師の診療を受けるよりも、他の有効成分の一般用医薬品を使用することが適切である。

b 一般用医薬品で対処可能な範囲は、医薬品の使用者によって変わってくるものであり、例えば、乳幼児や妊婦等では、通常の成人の場合に比べ、その範囲は限られてくることに留意する必要がある。

c 一般用医薬品の購入者への情報提供は、医薬品の販売に結びつけるのでなく、受診勧奨など、医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合もある。

d 一般用医薬品の販売に従事する専門家が購入者に対して行う情報提供は、科学的根拠に基づいた情報である必要はない。

【解説】
a × 一定期間で改善しなければ、受診勧告を。
b ○ 
c ○ 
d × ちゃんとした情報提供を。


【九州・沖縄24−010】
一般用医薬品の役割

ア 高熱や激しい腹痛などの重い症状の改善
イ 癌の診断
ウ 生活の質(QOL)の改善・向上
エ 健康の維持・増進

【解説】
ア × 症状が激しいならOTCでは対処できない。
イ × 血糖などの簡易検査しかできない。癌は無理。
ウ ○
エ ○

2015年07月02日

医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因 (2)小児、高齢者、妊婦

まとめ
・副作用のリスクは使用する人の状態によっても変わる。

〈小児に対する注意〉
・1歳未満:乳児、7歳未満:幼児、15歳未満:小児

・肝臓や血液脳関門などが未発達で、体の大きさに対して腸が長い → 薬の作用が強く出やすい。

・大人用の薬の量を減らして子供に与えたり、同年代より大きめだからといって多目に与えたりするようなことは避ける。
必ず用法用量を守って服用することが大切。

・カプセルなどは大きいので、特に5歳未満の幼児では喉につかえやすい。

・できるだけ一般用医薬品で対処せずに、受診勧告を。

〈高齢者に対する注意〉
・高齢者とは65歳以上を指す

・肝臓や腎臓が衰えつつあるため、医薬品の作用が強く出やすい。ただし、個人差が大きいので一概には言えない。

・高齢だからといって服用量を減らすと十分な効果が得られず副作用のリスクだけをかかえることになるので、通常量を服用する。

・唾液などの分泌量が少ないため、喉につまらせやすい。

・複数の疾病を抱えていることが多く、それだけ薬の服用量も多いため、相互作用に注意が必要。

〈妊婦、授乳婦に対する注意〉
・できるだけ受診勧告を。添付文書には「相談すること」に記載されることが多い。

・妊婦と胎児の血液は混ざらないように「血液胎盤関門」があるが、血液脳関門ほど厳密なものではないので、成分によっては容易に通過する。

・ビタミンAを妊娠前後に大量に服用すると催奇形性を高める。便秘薬は早流産のリスクを高める。

・授乳婦では、体に吸収された成分が乳汁に移行して、乳児に影響を与えることがある。



【南関東27−009】
a.医薬品の使用上の注意において、「小児」とは、小学生以下を指す。

b.小児は、大人と比べて身体の大きさに対して腸が短く、服用した医薬品の吸収率が相対的に低い。

c.小児は、肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用 が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。

d.一般に乳幼児は、容態が変化した場合に、自分の体調を適切に伝えることが難しいため、医薬品を 使用した後は、保護者等が乳幼児の状態をよく観察することが重要である。

【解答】
a × 小児:15歳未満
b × 身体の大きさに対して腸が長い。だから吸収率も高くなる。
c ○ 
d ○ 


【南関東27−010】
a.医薬品の使用上の注意において、「高齢者」とは、75歳以上を指す。

b.一般に高齢者は、基礎体力や生理機能の衰えの度合いは個人差が大きく、年齢のみから一概に どの程度リスクが増大しているかを判断することは難しい。

c.便秘薬は、その成分や用量によっては流産や早産を誘発するおそれがある。

d.ビタミン含有製剤の服用によって胎児に先天異常を起こすことはない。

【解答】
a × 65歳以上を指す。
b ○ 
c ○ センナ、ダイオウ、センノシド 
d × ビタミンA


【大阪26−007】

a.医薬品の使用上の注意等において、乳児、幼児、小児という場合には、おおよその目安として、乳児は1歳未満、幼児は7歳未満、小児は12歳未満の年齢区分が用いられている。

b.小児は、大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が相対的に高い。

c.小児は、大人と比べて血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しにくい。

d.乳児の疾患においては、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限にとどめるのが望ましい。

【解答】
a × 小児:15歳未満
b ○ 
c × 「脳の関門が未発達」だから「脳に薬が達しやすい」。
d ○ 乳児はできるだけ受診勧告を。


【大阪26−008】
a.高齢者の副作用を生じるリスクの程度は年齢のみから判断できる。

b.一般に高齢者は生理機能が衰えつつあるため、一般用医薬品を使用する際は、原則として定められた用量の範囲よりも少ない用量で使用しなければならない。

c.高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなる場合がある。

d.医薬品の使用上の注意等において「高齢者」という場合には、おおよその目安として65歳以上を指す。

【解答】
a × 高齢者は個人差が大きい。
b × 個人差が大きいので下手に調節しないほうが良い。
c ○ 前立腺肥大、緑内障、高血圧、糖尿病など。
d ○


【大阪26−009】
a.胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組みとして、血液-胎盤関門があるが、どの程度医薬品の成分の胎児への移行が防御されるかは、未解明のことも多い。

b.ビタミンA含有製剤のように、妊娠前後の一定期間に通常の容量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされているものがある。

c.医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られている。

【解答】
a ○ 血液胎盤関門は脳関門ほど厳密なものではない。
b ○ ビタミンAの過剰症に催奇形性あり。
c ○


【四国26−011】
1 医薬品の使用上の注意等において、おおよその目安として、乳児は1歳未満、幼児は7歳未満、小児は15歳未満という年齢区分が用いられている。

2 小児は、大人と比べて身体の大きさに対して腸が短く、服用した医薬品の吸収率が相対的に低い。

3 小児は、血液脳関門が大人と比べて発達しており、吸収されて循環血液中に移行した医薬品成分が脳に達しにくく、中枢神経系に影響を与える医薬品の副作用は起こりにくい。

4 小児は、大人と比べて医薬品成分の代謝・排泄に時間がかからないため、医薬品の作用が弱くなることがある。

【解説】
1 ○ 
2 × 腸の長さは比較的長いので、吸収率が高い。
3 × 血液脳関門は未発達。脳に達しやすい。
4 × 代謝・排泄に時間がかかるので、体の中に滞留し、作用が強くなる。


【四国26−012】
a 一般に高齢者は、基礎体力や生理機能の衰えがみられるが、個人差が大きいため、年齢のみから一概にどの程度リスクが増大しているかを判断することは難しい。

b 高齢者が一般用医薬品を服用する場合、定められた用量より少ない用量から様子を見ながら使用しなければならない。

c 高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多いが、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化することはない。

d 高齢者は、医薬品の副作用で口渇を生じることがあり、誤嚥を誘発しやすくなるので注意が必要である。

【解説】
a ○ 
b × 減らすことなく大人量そのまま服用でOK 
c × OTCで症状が悪化することもある。
d ○


【四国26−013】
a 妊婦が医薬品を使用した場合、胎児への医薬品成分の移行がどの程度防御されるかは、未解明なことが多い。

b ビタミンA含有製剤を妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると、胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされる。

c 構成生薬としてダイオウを含む漢方処方製剤においては、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避けることとされている。

d アスピリンは、胎児や出産時の母体への影響を考慮して、出産予定日12週間以内の使用は避けることとされている。

【解説】
a ○ 
b ○ 
c ○ 
d ○


【九州・沖縄24−013】
ア 小児は、大人と比べ循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しにくい。

イ 医薬品の販売に従事する専門家においては、成人用の医薬品の量を減らして小児へ与える使用法は避け、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう保護者等に対して説明がなされることが重要である。

ウ 医薬品が喉につかえると、その体験から乳幼児に医薬品の服用に対する拒否意識を生じさせることがある。

エ 一般に乳幼児は、容態が変化した場合に、自分の体調を適切に伝えることが難しいため、医薬品を使用した後は、保護者等が乳幼児の状態をよく観察することが重要である。

【解説】
ア × 血液脳関門が未発達なので、脳に達しやすい。
イ ○
ウ ○
エ ○


【九州・沖縄24−014】
ア 医薬品の使用上の注意等において「高齢者」という場合には、おおよその目安として50歳以上を指す。

イ 一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が弱まり、若年時と比べて副作用の生じるリスクが低くなる。

ウ 手先の衰えのため、医薬品を容器や包装から取り出すことが難しい場合がある。

エ 一般用医薬品の用法用量は、ある程度の個人差は折り込んで設定されているため、高齢者においても、基本的には、定められた用量の範囲内で使用されることが望ましい。

【解説】
ア × 65歳以上。
イ × リスクは高くなる。
ウ ○
エ ○


【九州・沖縄24−015】
ア 妊婦の血液は直接胎児へ流れ込むため、医薬品を使用するときは注意が必要である。

イ 妊娠の有無やその可能性については、購入者側にとって他人に知られたくない場合もあることから、一般用医薬品の販売等において専門家が情報提供や相談対応を行う際には、十分に配慮することが望ましい。

ウ 授乳婦において、吸収された医薬品の一部が乳汁中に移行することが知られていても、通常の使用の範囲では乳幼児への具体的な悪影響は判明していないものもある。

エ 一般用医薬品において、多くの場合、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価は困難である。

【解説】
ア × 血液胎盤関門があるため、多少は作用が和らげられる。
イ ○
ウ ○
エ ○

医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因 (1)相互作用

まとめ
・複数の医薬品をいっしょに使った場合にその働きが強く出たり、弱くなったりすることを相互作用という。

・医薬品の多くは、小腸で吸収され、肝臓などで代謝を受け、全身に分布して、最終的には腎臓から排泄される。この薬物動態の各段階で相互作用を起すこともあれば、薬が作用する部分で相互作用を起すこともある。

・酒類(アルコール)をよく摂取する者は、代謝機能が高まっていることが多く、アセトアミノフェンなどでは、通常よりも代謝されやすくなることがある。

・カフェインやビタミンAのように、食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在するために、それらを含む医薬品と食品を一緒に摂ると過剰摂取となるものもある。



【南関東27−008】
a.酒類(アルコール)をよく摂取する者は、代謝機能が高まっていることが多く、アセトアミノフェンなどでは、通常よりも代謝されやすくなることがある。

b.カフェインやビタミンAのように、食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在するために、それらを含む医薬品と食品を一緒に摂ると過剰摂取となるものもある。

c.外用薬や注射薬であっても、食品の摂取によって医薬品の作用や代謝に影響を受ける可能性がある。

【解答】
a ○ 「アルコールを分解するのに肝臓を酷使するんだから、逆じゃないの?」って思うかもしれませんが、アルコールにより代謝は高まります。
b ○ コーヒーには案外カフェインが大量に含まれています。
c ○ 血液循環に薬が入れば一緒です。外用でも毛細血管からゆっくり吸収されます。


【大阪26ー006】
a.医薬品の相互作用は、代謝や分布等の過程で起こるものであり、医薬品が薬理作用をもたらす部位では起こらない。

b.酒類(アルコール)をよく摂取する者では、一般的に肝臓の代謝機能が高まっていることが多く、体内から医薬品が速く消失して十分な薬効が得られなくなることがある。

c.外用薬であっても、食品によって医薬品の作用や代謝に影響を受ける可能性がある。

【解答】
a × 受容体など薬理作用をもたらす部分でも起こりうる。(薬力学的相互作用)
b ○ アセトアミノフェンとアルコールの相互作用
c × ある種の食品を摂取するとかぶれやすくなる、など。


【四国26−008】
a 医薬品の相互作用は、薬理作用をもたらす部位においてのみ起こるとされている。

b 複数の疾病を有する人は、疾病ごとにそれぞれ別の医薬品を使用する場合が多いため、医薬品同士の相互作用に特に注意が必要である。

c 複数の医薬品を併用した場合、医薬品の作用が減弱することはあるが、増強することはない。

d 一般用医薬品のかぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、アレルギー用薬等では、成分や作用が重複することが多く、他の医薬品と併用する場合、副作用や相互作用を減らす観点から、緩和を図りたい症状が明確な場合は、症状にあった成分のみが配合された医薬品を選択することが望ましい。

【解説】
a × 作用をもたらす部位に達するまで(薬物動態)においても相互作用は起こる。 
b ○ 
c × 
d ○


【四国26−009】
a 外用薬や注射薬の作用や代謝は、食品による影響を受けることがない。

b カフェインやビタミンAは、食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在するため、それらを含む医薬品と食品を一緒に服用すると過剰摂取となるものもある。

c 炭酸水素ナトリウムなどの制酸成分を主体とする胃腸薬は、炭酸飲料で服用するとその効果が増大する。

d ビサコジルの腸溶製剤服用時は、胃内で溶け出すおそれがあるため、服用前後1時間以内は牛乳の摂取を避けることとされている。

【解説】
a × 
b ○ 
c × 胃酸を抑えるための制酸作用が、炭酸飲料のほうで使われてしまう。
d ○ 腸溶性製剤は酸性で溶けずアルカリ性で溶けるようにできている。牛乳で胃内がアルカリ性になるため、胃で溶けてしまう。


【四国26−010】
語句選択問題

アルコールは、主として肝臓で代謝されるため、アルコールをよく摂取する者では、その代謝機能が( a )ことが多い。
そのため、アセトアミノフェンは、通常よりも代謝( b )なり、( c )ことがある。

( a )の選択肢:高まっている 低下している
( b )の選択肢:されやすく されにくく
( c )の選択肢:作用が強く出すぎる 十分な薬効が得られなくなる

【解説】
a 高まっている 
b されやすく
c 十分な薬効が得られなくなる
d ○

2015年07月01日

医薬品概論 (6)アレルギーについて

まとめ
・アレルギーとは、免疫機構が過敏に反応して、好ましくない症状が引き起こされることである。薬理作用等とは関係なく起こり得る。

・アレルギー症状には、流涙や眼の痒み等の結膜炎症状、鼻汁やくしゃみ等の鼻炎症状、蕁麻疹や湿疹、かぶれ等の皮膚症状、血管性浮腫のようなやや広い範囲にわたる腫れ等が生じることが多い。

・医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態 などの場合には、医薬品がアレルゲンになりやすくなり、思わぬアレルギーを生じることがある。



【南関東27−005】
a.医薬品によるアレルギーは、医薬品の薬理作用等とは関係なく起こり得るものである。

b.外用薬は、アレルギーを引き起こすことはない。

c.医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態 などの場合には、医薬品がアレルゲンになりやすくなり、思わぬアレルギーを生じることがある。

【解答】
a ○ 「物質そのもの」に対する過敏反応。薬の作用は関係ない。
b × 外用でも起こる。あと、添加物でも。
c ○ 疲労も関係。


【四国26−006】
1 主なアレルギー症状として、目や鼻、皮膚などの痒みや湿疹、炎症などが挙げられるが、血管性浮腫のようなやや広範囲にわたり腫れを生ずる症状は含まない。

2 アレルギーには体質的な要素はあるが、遺伝的な要素はない。

3 普段、医薬品にアレルギーを起こしたことがなければ、病気等に対する抵抗力が低下している状態でも、医薬品がアレルゲンとなることはない。

4 アレルギー症状とは、免疫機構が過敏に反応することにより、体の各部位に生じる炎症をいう。

【解説】
1 × 血管に水分が集まるため、血管浮腫が起こる。血管から水分が漏れると蕁麻疹のような症状が出る。
2 × 遺伝も関係する。
3 × 疲労や免疫低下により、これまで何ともなかったものにアレルギー反応を起こすことがある。
4 ○


【九州・沖縄24−012】
ア アレルギーとは、免疫機構が過敏に反応して、好ましくない症状が引き起こされることである。

イ アレルギー症状には、流涙や眼の痒み等の結膜炎症状、鼻汁やくしゃみ等の鼻炎症状、蕁麻疹や湿疹、かぶれ等の皮膚症状、血管性浮腫のようなやや広い範囲にわたる腫れ等が生じることが多い。

ウ アレルギーを起こしたことのない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態などの場合には、アレルギー反応を起こすことがある。

エ アレルギーには、遺伝的な要素は特に認められない。

【解説】
ア ○ アレルギーは過敏な免疫反応。
イ ○
ウ ○
エ × 疲労の他、遺伝も関係する。

医薬品概論 (5)プラセボ効果

まとめ
・プラセボ効果とは「薬理学的にまったく効果のない物質による、結果的または偶発的に薬理作用によらない作用を生じること」をいう。(要するに「気のせい」とか「思い込み」の類。)

・プラセボにより副作用が生じることもある。

・プラセボ効果を期待して医薬品を使うことは避ける。



【大阪26−011】
a.プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等が関与して生じると考えられている。

b.プラセボ効果によってもたらされる反応や変化は、望ましいもの(効果)だけである。

c.プラセボ効果は、客観的に測定可能な変化として確実に現れる。

【解説】
a ○ プラセボ⇒気分的なもので効果に+−がかかるもの
b × プラセボには副作用をもたらすものもある。
c × プラセボは確実なものではない。プラセボ効果を期待してはいけない。


【大阪27−012】
a.プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付け による生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等が関与して生じると考えられている。

b.プラセボ効果によってもたらされる反応や変化は、望ましいもの(効果)だけである。

c.医薬品を使用したときにもたらされる反応や変化には、薬理作用によるもののほか、プラセボ効果によるものも含まれている。

d.プラセボ効果は、主観的な変化だけであり、客観的に測定可能な変化として現れることはない。

【解説】
a ○ プラセボ⇒気分的なもので効果に+−がかかるもの
b × プラセボには副作用をもたらすものもある。
c ○ 
d × 他人が見て気づかれるような変化もある。


【四国26−014】
a プラセボ効果とは、医薬品を使用したときに必ず生じる薬理作用によらない作用のことである。

b プラセボ効果は、暗示効果や自然緩解などが関与して生じると考えられている。

c プラセボ効果によってもたらされる反応や変化は、望ましいもの(効果)だけであり、不都合なもの(副作用)はない。

d プラセボ効果は、主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることがある。

【解説】
a × 「必ず」ではない。
b ○ 
c × 不都合なものもある。 
d ○


【九州・沖縄24−016】
ア プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)等が関与して生じると考えられている。

イ プラセボ効果によってもたらされる反応や変化には、不都合なもの(副作用)はない。

ウ プラセボ効果は、主観的な変化であり、客観的に測定することは出来ない。

エ 医薬品は、プラセボ効果を目的として使用されるべきではない。

【解説】
ア ○
イ ×
ウ ×
エ ○

医薬品概論 (4)主作用、副作用

まとめ
・副作用の定義はWHOと日本で少し違う。日本のほうが適正使用を強調している。
WHOの定義「通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」
日本の定義「適正な使用目的に従い適正に使用された場合においても発現する有害な反応」

・医薬品の副作用は、薬理作用によるものとアレルギーによるものの2つに分けられる。

・薬理作用による副作用は、簡単に言うと「効きすぎ」の状態。カフェインによる頭痛、抗コリン薬による眠気など。

・アレルギーによる副作用は、免疫の過剰反応。外用薬でも添加物でも起こりうる。遺伝や免疫低下も関与。

・一般用医薬品で副作用が起こったときは、重大な副作用を避けることを優先する。(すぐに中止)



【南関東27−006】
a.眠気や口渇等の比較的よく見られる症状は、副作用といわない。

b.副作用は、容易に異変を自覚できるものばかりでなく、直ちに明確な自覚症状として現れないこともある。

c.一般用医薬品は、通常、その使用を中断することによる不利益よりも、重大な副作用を回避することが優先される。

【解答】
a × 副作用としては非常に発生率が高い。
b ○ 臓器障害など、じわじわくるものも。
c ○ 中断の不利益(病状が続く) << 副作用回避


【南関東27−004】
語句選択問題

世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の( a )、診断、治療のため、又は 身体の機能を正常化するために、人に( b )量で発現する医薬品の有害かつ( c )反応」とされている。

( a )の選択肢:予防 検査
( b )の選択肢:通常用いられる 用いられる最小
( c )の選択肢:意図しない 予測できる

【解答】
a 予防 
b 通常用いられる
c 意図しない
「普通に飲んでるのに起こってしまった」というニュアンス。予測できるのに続けて飲んで起こったなら「薬害」、通常用いられる以上の量なら「乱用」といった言葉が当てはまるか。


【大阪26−010】
a.複数の疾病を有する人では、疾病ごとにそれぞれ医薬品が使用される場合が多く、医薬品同士の相互作用に関して特に注意が必要となる。

b.一般用医薬品において、かぜ薬と解熱鎮痛薬では成分や作用が重複することが多く、通常、併用は避けることとされている。

c.医薬品の副作用は、薬理作用による副作用とアレルギー(過敏反応)に大別することができる。

【解答】
a ○ 
b ○ かぜ薬は色んな成分が入っている。
c ○ 薬理作用の延長上か、アレルギー的なものか。


【四国26−005】
副作用について

a 世界保健機関で定義する医薬品の副作用には、疾病の診断のために用いられる医薬品により発現する有害かつ意図しない反応は含まれていない。

b 我が国では、医薬品の副作用とは、「許可医薬品が適正な使用目的に従い適正に使用された場合においてもその許可医薬品により人に発現する有害な反応」とされている。

c 一般用医薬品は、軽度な疾病に伴う症状の改善等を図るためのものであるため、副作用が発現することはない。

d 複数の疾病を有する人の場合、ある疾病のために使用された医薬品の作用が、別の疾病に対しては症状を悪化させたり、治療を妨げたりすることもある。

【解説】
a × 有害かつ意図しない反応も含む。
b ○ 「きちんと使ったのに」というところが大事。
c × 医療用とか一般用とか関係なく、副作用は起こりうる。
d ○


副作用についての考え方
【四国26−019】
1 医薬品は、人体にとって本来異物であるため、何らかの有害な作用等が生じることは避けがたいものである。

2 副作用とは、死亡や日常生活に支障を来すなど重篤なものを指し、眠気や口渇など軽度のものは、副作用として取り扱わない。

3 医薬品の副作用は、これまでの使用経験を通じて知られているもののみならず、科学的に解明されていない未知のものが生じる場合もある。

4 医薬品の副作用被害は、医薬品を十分注意して使用しても起こり得るものであるため、販売に従事する専門家や関係者が、医薬品の安全性の確保に最善の努力を重ねることが重要である。

【解説】
1 ○
2 × 眠気や口渇なども副作用として取り扱う。
3 ○ 
4 ○


【九州・沖縄24−003】
ア 副作用は、容易に異変を自覚できるものばかりでなく、血液や内臓機能への影響等のように、直ちに明確な自覚症状として現れないこともある。

イ 副作用の状況次第では、購入者等に対して、速やかに適切な医療機関を受診するよう勧奨する必要がある。

ウ 副作用は、眠気や口渇等の比較的よく見られるものから、日常生活に支障を来す程度の健康被害を生じる重大なものまで様々である。

エ 一般用医薬品では、重大な副作用の兆候が現れたときには基本的に使用を中止することとされている。

【解答】
ア ○ 
イ ○
ウ ○
エ ○


【九州・沖縄24−018】
副作用を以下のように定義している法律はどれか。

「許可医薬品が適正な使用目的に従い適正に使用された場合においてもその許可医薬品により人に発現する有害な反応」

1 PL法(製造物責任法)
2 薬事法
3 医療法
4 薬剤師法
5 独立行政法人医薬品医療機器総合機構法

【解説】
5 独立行政法人医薬品医療機器総合機構法

医薬品概論 (3)製品の品質

まとめ
・医薬品は高い水準で均一な品質が保障されていなければならないので、保管についても品質保持のために注意が必要。

・医薬品の有効成分や添加物は高温や多湿、紫外線によって品質が劣化しやすい。

・長期保存による劣化は避けられない。外箱に記載されている使用期限は未開封の状態で保管された場合の期限。

・期限については十分な余裕をもって販売し、いったん開封したら早めに使いきるようにアドバイスを。



【南関東27−013】
a.医薬品を適切に保管・陳列しない場合、医薬品の効き目が低下することはあるが、人体に好ましくない作用をもたらす物質が生じることはない。

b.品質が承認された基準に適合しない医薬品、その全部又は一部が変質・変敗した物質から成っている医薬品は販売が禁止されている。

c.一般用医薬品は、購入された後、すぐに使用されるとは限らず、家庭における常備薬として購入 されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売されることが重要である。

【解説】
a × 薬は化学物質なので、何かしら化学変化を起こすこともある。
b ○ 
c ○ 


【大阪26−012】
a.医薬品が保管・陳列される場所については、清潔性が保たれるとともに、その品質が十分保持される環境となるよう留意される必要がある。

b.適切な保管・陳列をすれば、経時変化による品質の劣化は起こらない。

c.一般用医薬品は、購入後すぐに使用されるとは限らないため、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが重要である。

【解説】
a ○ 
b × 劣化は避けられない。
c ○ 


【四国26−002】
a 医薬品は、市販後も、医学・薬学等の新たな知見、使用成績等に基づき、有効性や安全性等の確認が行われる仕組みとなっている。

b 市販後の医薬品は、販売時の取り扱いが変更になった場合であっても、添付文書や製品表示の記載には反映しなくてよい。

c 一般用医薬品の販売に従事する専門家は、新たな医薬品に関する情報の把握に努める必要はない。

d 医薬品の販売を行う者は、健康被害発生の可能性がなければ、医薬品に関する異物の混入、変質に注意する必要はない。

【解説】
a ○ 市販後調査が行われる。 
b × リスク区分が変更になるかも。
c × 正しい情報を伴って、初めて薬としての価値が出る。
d ×


【四国26−015】
a 医薬品は、高い水準で均一な品質の保証が求められるため、配合される成分は、高温や多湿、光等によって品質の劣化を起こさないものを使用しなければならない。

b 医薬品が保管・陳列される場所については、清潔性が保たれるとともに、高温、多湿、直射日光等の下に置かれることのないよう留意が必要である。

c 品質が承認等された基準に適合しない医薬品、その全部又は一部が変質・変敗した物質から成っている医薬品の販売は、禁止されている。

d 医薬品の外箱等に表示されている「使用期限」は、開封の有無に関わらず、医薬品の品質が保持される期限である。

【解説】
a × 高温、多湿、日光による劣化は避けられない。
b ○ 
c ○ 
d × 使用期限は「未開封」での品質保持期限。


【九州・沖縄24−013】
ア 一般用医薬品は、購入された後、すぐに使用されるとは限らないため、使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが重要である。

イ 一般用医薬品の場合、その使用を判断する主体は一般の生活者である。

ウ かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬は、一般的に併用されることが望ましい。

エ 一般用医薬品は、必ず情報提供を受けた当人が使用するものである。

【解説】
ア ○
イ ○ 
ウ × かぜ薬には解熱鎮痛薬、鎮静薬、抗ヒスタミン薬などが含まれるため、重複してしまう。
エ × 家族用かも。 

医薬品概論 (2)医薬品の毒性、リスク評価

まとめ
・医薬品の効果とリスクは、薬物暴露時間と暴露量との積で表現される用量−反応関係に基づいて評価される。

・少量の医薬品の投与であっても、長期投与すれば発がん作用、胎児毒性や組織・臓器の機能不全など、慢性的な毒性が発現するおそれがある。

・医薬品は、市販後にも、医学・薬学等の新たな知見、使用成績等に基づき、その有効性、安全性等の確認が行われる仕組みになっている。

・登録販売者は、常に医薬品の有効性、安全性等に関する新しい情報の把握に努める必要がある。

・医薬品に対しては製造販売後の調査及び試験の実施の基準(GPSP)と製造販売後安全管理の基準(GVP)が制定されている。



【南関東27−002】
a.少量の医薬品の投与では、発がん作用、胎児毒性や組織・臓器の機能不全が生じることはない。

b.少量の医薬品の投与では、長期投与しても慢性的な毒性が発現することはない。

c.医薬品の効果とリスクは、薬物暴露時間と暴露量との積で表現される用量−反応関係に基づいて評価される。

【解答】
a × 少量でも毒性はある。
b × 
c ○


【大阪26ー002】
a.一般用医薬品は、添付文書や製品表示に必要な情報が記載されている。

b.登録販売者は、常に医薬品の有効性、安全性等に関する新しい情報の把握に努める必要がある。

c.医薬品に対しては製造販売後の調査及び試験の実施の基準(GPSP)と製造販売後安全管理の基準(GVP)が制定されている。

【解答】
a ○
b ○
c ○ 安全管理→Vigilance GVP 販売後の調査及び試験→Post-marketing Study GPSP


【四国26−003】
医薬品のリスク評価に関する語句

1 50%致死量 ― LD50
2 非臨床試験における安全性基準 ― GLP
3 臨床試験における効果と安全性評価基準 ― GCP
4 製造販売後の調査及び試験の実施基準 ― GVP

【解説】
1 ○ 
2 ○ Lはラボラトリー(研究室=非臨床)
3 ○ Cはクリニカル(臨床)
4 × GVP(Good Vigilance Practice=医薬品等の製造販売後安全管理基準)GPSP(Good Post-marketing Study Practice=製造販売後の調査及び試験の実施に関する基準)


【九州・沖縄24−011】
1 医薬品は、市販後にも、医学・薬学等の新たな知見、使用成績等に基づき、その有効性、安全性等の確認が行われる仕組みになっている。

2 医薬品を使用したときにもたらされる反応や変化には、薬理作用によらない場合もある。

3 一般用医薬品を一定期間使用しても症状の改善がみられない場合には、すみやかに別の一般用医薬品を提案する必要がある。

4 一般用医薬品で対処可能な範囲は、医薬品を使用する人によって変わってくるものである。

【解説】
1 ○
2 ○ プラセボなど。
3 × 症状が改善されないなら受診勧告。
4 ○
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