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安全地帯・玉置浩二の音楽を語るブログ、管理人のトバです。安全地帯・玉置浩二の音楽こそが至高!と信じ続けて四十年くらい経ちました。よくそんなに信じられるものだと、自分でも驚きです。
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2022年11月06日

I'm Dandy


玉置浩二『EARLY TIMES〜KOJI TAMAKI IN KITTY RECORDS』七曲目、「I'm Dandy」です。MIASSのCM、映画『右曲がりのダンディー』(玉置さん主演)に採用されています。作詞は松井さん、松井"お月様"五郎名義です。当然玉置さんも玉置"流れ星"浩二名義です。

ノリのいいロック的ポップスですね。アレンジの雰囲気はゴージャス時代の安全地帯や『All I Do』時の玉置さんに似ています。シンセ、ブラス、そして気の利いたギター、これはサウンド的には回帰です。歌詞は英語を使いまくりの玉置ソロですから『All I Do』に一番近いですかね。さらにこの曲は「キ・ツ・イ」以来のオリコンベスト10入りしてますから、安全地帯休止前の人気を維持していたわけです。玉置さんしか目に入っていなかった人には、安全地帯が動いていようがいまいがどうでもよかったことでしょう。ですが、安全地帯の看板を一人で背負うかのようなこの活躍劇は、玉置さんにとって負担があまりに大きかったといわなくてはならないでしょう。『All I Do』は好きなようにやれて楽しかったという玉置さんですが、この「I'm Dandy」からは、玉置さんのフウフウハアハアゼイゼイいう声が聴こえてくるかのようにわたしには思われるのです。同じようにやっていかなくてはならない!そんな辛さが、リバウンドとしてB面の変な曲(これは本人的には楽しい)オンパレードにこそ現れているんじゃないかとさえ思えてきます。B面があんまり変な曲だらけなので、これは玉置さんの精神衛生がかなりマズいことになっていると星さんなり金子さんなりが判断してこの時期のアルバムが出なかった……というのは考えすぎかもしれませんが。

さて、曲はなにやらパーカッションにあわせて、終始ピコピコ鳴り響くシンセで始まります。そしてドラムが入り、ブラス系の音で賑やかにリード、これもシンセなんじゃないかと思いますが……さらに、もの凄い低音がブリーブリーいってますよね。ベースをかなりの緩々セッティングで音程を下げ、さらにディストーションかけてつぶしたような音です。正体はよくわかりませんがカッコいいのでアリでしょう!ちなみにわたくし、コンサート用にベースを打ち込むとき、あんまり低い音ですと音源のほうが対応しておらず、やむなくシンセベースにすることがたまにあるのですが、そんな感じの音ですからシンセベースかもしれません。玉置さんのシャウトをサンプリングして鍵盤叩きまくったあげくにディレイかけたような効果音も入っており、当時らしい最新の電子処理が満載です。

そしてバスドラ踏みっぱなしのドラム、鳴りっぱなしのピコピコシンセ、ブーリーブリのベースをバックに玉置さんが歌います。なぜ哀しいなぜ寂しい……うっ!これは久々の『安全地帯IV』とか『安全地帯V』的な、女心を見透かしたような松井節です。哀しがってる(フリ)、寂しがってる(フリ)で涙を流したりとり乱したり、すべてを振り払うように羽目をはずしてみたりと、かまってちゃん全開で非常に傍迷惑なロンリーガールです。でもまあ、こういう芝居に乗っちゃうのが男ってものでして、ましてやダンディさんならば「ふっ、だからガールは可愛いのさ」とか言ってタバコ(MIASS)を捨ててシャワーを浴び、コロンを振ってトレンチコートを羽織り、ロンリーなハートを包み込みにBMWとかに乗り込んで迎えに行こうとするものなのかもしれません。ダンディーさんだった経験が全くありませんのでわたくしまったくわかりませんけども!

Bメロから安全地帯を彷彿とさせるクリーントーンのギターが入って来てますね。サビ前の「パララパラララ」は安全地帯的でたまりません。そうそう、こういう感じで合わせてほしいんだよって思います。一気にサビ、これまで英語のフレーズばかりいっしょに歌っていた女性コーラスが一緒にサビを歌います。これが玉置さんの色気をムンムンに演出するということは『All I Do』時代にすでに実証されていましたから改めていうようなことでもないんですが、玉置さんの声は一発で聴きとれますね。どの声ともかぶらないんで、男性コーラスでも女性コーラスでも決して埋もれません。こういう歌手に出会えたらどれだけこれまでの音楽人生ラクだったかと思わされると同時に、こんな歌手がわたくしと一緒で満足するはずがないのであっというまにヨソに行かれるであろうこともわかってしまいます(笑)。さて、このサビ、耳を澄ませると高音ストリングスが混ざってきていることと……なにやら左チャンネルが特に大きいのですが、「ドビュードヒュー」という音が入ってきていますね。なんなんでしょう?カッコいいんですけども、正体不明だとちょっと気分がよろしくないです(笑)。キメでキレイなクリーントーンのギターが「シャシャーン!」となると同時に消えて、また大きくなっていき、を繰り返すような感覚です。こういうところも『All I Do』的、もっというとBAnaNA的ですね。小技が抜群にセンス良くて、曲を作る人演奏する人の気分を盛り上げてくれることが容易に予想できます。こういう人にスタジオにいてほしいものですが、もちろんこういう人だったらわたくしなんぞとは(以下略)。

悲しいDanceはやめて、きみは自分の可能性を追うべきだよ!とでも言っているかのような歌詞、これはただのスケコマシではない……あしながおじさん的なナイスおじさんです。スケコマシには自分の奴隷になれというタイプと、そのほかに育てて伸ばそうとするタイプ、育てはしないけど応援して見守るタイプがあるのです、いやあるかもしれない!(急に弱気)まあ、ぜんぶコマしてるんですけども(笑)。これはもう戦略とか攻略とかでなく、性格でしょう。応援して見守りたいのに攻略法としては奴隷戦法が正しいからワイルドに迫るとかそんなことはありませんというか、あったとしてもそんなの心が追い付きませんので、みなさんご自分の性格に最もフィットしたコマしかたをなさっているのだと推察されます。まあ、スケコマシだった経験はわたくし全くございませんので(以下略)。

曲は前奏とほぼ同じ演奏を繰り返し二番に入りますが、相変わらずロンリーガールは煮え切りません。ムリヤリ過去の心の嵐を思い出して泣くなど、ロンリーガールっぷり全開です。松井さんにもハッキリ「わずらわしい」と言われちゃってます。現代的にいうと「そういうのいいから、もう」ですよね。令和時代だとこういうロンリーガールはSNSなどで自爆を重ねることが大いに予想されますので、こういうダンディーさんがウロウロしている場に出てくる前に何かに引っかかっている感じがしますが、当時はもちろんSNSなどなく、人づきあいにおおらかな時代だったといえるでしょう。というか、SNSなどで気をつかいまくりの現代人が平成初期の若者からすると気の毒すぎです。既読がついたとかつかないとか、気の利いたことを言わなくてはならないとか、どんな脅迫ですかって気分になります。気の毒に思いつつなぜか自分も息苦しくていけません。しまった平成初期の若者だったおれもリアルで令和時代に生きてた!

「半端な夢」とか、松井さんも口が悪いなあ(笑)。でも、松井さんの歌詞で玉置さんが歌うと許せるというか、なにかもっと大きな夢を与えてくれそうで、悩みがささいなことに思えてくる効果が抜群です。これは非常に不思議です。人徳とか歌の力とかとしかいいようがありません。わたしが「そんな半端な夢捨てちゃいなよ」なんてSNSで言おうものならその日のうちにかなり周囲の重力をきつくされたり酸素を足りなくされたりしそうです(笑)。現代では思いやりあるセリフがデフォルトに設定されていて、そんな思いやりなんて少しも持っていないわたくし、メッセージは極力事務的に発信するしかありません。現代人のやりとりはOfficialナントカさんの歌みたいにオーグメントとかsus4とか、そんなの曲に一か所か二か所でいいんだよっていう泣かせどころを曲全体に惜しみなくぶちまけまくりなんです。これが現代人の感覚なんだとは思いますが、ラーメンでいうと焦がしバター味噌コーンラーメン背脂チャッチャニンニク野菜マシマシトロトロチャーシュー白髪ネギ入りみたいなもんで、ふつうに味噌だけでいいんだよ!とか思っているおじさんが食べると胸焼けがネバーエンディングです。こういう時代にこそ松井玉置メソッドを取り入れて、あっさりだけどコクがあって飽きない、くらいの中華そば的SNSメッセージを発信したいものです(笑)。

さて曲は間奏、サックスらしき音が最高にファンキーなアドリブっぽいソロを奏でます。その間なにやら「バー!ボー!バー!ボー!」とよくわからない音が上下しており(80年代のシンセポップではよくある音だったように思われます)、一気にブレイク、そしてパララパラララとギターが鳴り、曲は最後のサビに突入します。このブレイクを挟んだ展開はむやみにかっこいいです。ラーメンでいうと札幌ラーメンのようにコーンが乗り薄く脂が浮いている……おじさんもやっぱちょっとは泣かせどころがほしいのかも!(笑)

悲しいDanceはやめて、綺麗なDressにふれて、ホンキで奇跡と戯れるんだ、ここで悲しい女性を演じて駆け引きしているだけで終わるつもりかい?そうじゃないだろう?確固たる愛を築き上げて、新しい人生のステージに向かうんだ。きみはきっと何かができる。何かになれる。ぼくはここできみの礎となるから……ここまでの覚悟があるかどうかはともかく、玉置さんの歌はこう信じさせるくらいの説得力にあふれています。言質はとらせてないけども(笑)、「愛はどこへもいかない」という熱い宣言で心の底から安心させるのです。おお、そういや「愛はどこへもいかない」は後年「田園」でもラストの歌詞に使われましたね。これがのちにダンディーさんとしてでなく、泥臭く畑を耕す玉置さんとして同じセリフを歌うとは、この当時はまったく予想できなかったのです。

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posted by toba2016 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | EARLY TIMES