横浜スタジアムライヴ〜ONE NIGHT THEATER 1985 [ 安全地帯 ] 価格:2,945円 |
安全地帯ライブアルバム『ONE NIGHT THEATER 1985』六曲目「Inst.#1」です。矢萩さん作曲で、玉置さん抜きの四人での演奏になります。
電飾がやけに派手ハデに会場に浮かび上がり何事かと思わせます。そのなか、シンセドラムのパッドをバシバシと叩く田中さんがいて、六土さんはおそらく鍵盤で、その隣に観ることのできる人物(何者?BanaNAか?)がシンセベースを弾きまくっているものと思われます。この三人が奮闘することによって80年代中盤にこれだけデジタルな音を出しまくっていたわけです。そしてギターのふたりがハモリで強烈なトーンを聴かせます。地味に変拍子の繰り返しです。これで歌モノでいうところのAメロになっています。
そして田中さんの強烈なフィルインが入りキュイーン……キュイーン……キュイーン……という寂しげなトーンでメロディーが奏でられるBメロ、田中さんはずっとフィルインのしっぱなしみたいなハードモードです。
そして武沢さんが超ナイスオーバードライブトーンでメロディーを弾きまくるCメロ(サビ的なところ)に入ります。CDですと途中までなぜかクリーントーンで途中から歪みが入りますが、映像版ですとはじめから歪んでいます。これがCD版と映像版で最も違うところだとわたくし思うんですが、それにしても何があったんでしょう?ペダルの踏みそこない?いや武沢さんに限ってそんなことは……と思わなくもないんですが、これは明らかに歪ませるべきところです。つまり尊敬する武沢さんに対してとんでもなく失礼になるかもしれない見解なのですが、映像版が正しいほうで、CD版はミスしたほうだとわたくし考えております。でもそれはそれでナイスクリーントーンですのでわたくしトクをした気分でおります。
このときの武沢さんの立ち位置はまるで要塞のよう、ギターが二本もスタンドにセットされており、そのうち一本はエレガット、もう一本がギターシンセ用ギターなのですが、そのシンセ装置もスタンドにセットされております。これだけのシステムを使いこなすには、足元にあるペダルもとんでもない数になっているはずでして、わたくしのようなフロアマルチ一台とワウだけみたいなやつとはわけが違うのです。武沢さんの背後にみえるラックがその膨大なペダルによって制御されておりまして、あのナイストーンを横浜スタジアムに響かせていたのかと思うと、わたくしいまさらながらRoland GP-16とか買おうかと思ってしまうくらいのナイスな音なんです。ところでいまRoland GP-16っていくらくらいするんだろう?と思って調べてみましたら、なんとおじさんのお小遣いでもしばらく節約すればなんとか買えるくらいの値段になっており、ぬうううう!と悩んでしまいました。なんてこった!
いっぽう作曲者である矢萩さんはなにやらほとんど指盤上のポジションを変えることなく、なにやら弦を触っているんだか触ってないんだかよくわからない挙動をしています。この曲は最初のハモリ以外武沢さんに見せ場を完全に譲ったということがまるわかりです。これにより矢萩さんのメロウでヘビーなギターは次のInst.#2で炸裂することになるわけです。
そして曲はそのまま田中さんのドラムソロへとなだれ込んでいきます。バスドラのペダルに足を置いたままだと思うのですが、左後方に高くセッティングされたOCTAPADをヘッドホンでモニタリングしながら叩きまくります。わたくしはじめてこのドラムソロを聴いたときにひっくり返らんばかりに驚いたものです。田中さんあんた何者!いや田中さんなんですけど、こんなに手数が多いドラマーだという印象はまったくありませんでしたから、このスキルフルでありつつエモーショナルなソロに全身が直接叩かれるような衝撃を受けたものです。「あれ何観てんの?ふーん、うまいね、スタジオミュージシャンだろ」とか言いながらいつものごとく部屋に現れたうちのドラマーが大して関心なさそうに、それでもいちおうは感嘆しておりましたから、ドラマーからみてもトレメンダスなソロであったことは間違いがないでしょう。しかしその直後彼は画面の切り替えボタンをバシッと押していつものとおり煎餅をボリボリやりながら信長の野望を始めたのでした。うーむ!わたしの安全地帯鑑賞タイムはこうやっていつも寸断されるのが常だったのです。しかし、この後の少女趣味アニメやワインレッド誕生小芝居を彼が見たら大爆笑してわたくしの気分を害するに違いありませんでしたので、それでよかったといえばそれでよかったのです。そして田中さんが渾身の勢いでパッドを叩き切りヘッドホンをはずしドラムセットに向き直すシーンでこの曲は終わっていきます。
ONE NIGHT THEATER〜横浜スタジアムライヴ〜 [ 安全地帯 ] 価格:3,439円 |
横浜スタジアムライヴ〜ONE NIGHT THEATER 1985 [ 安全地帯 ] 価格:2,945円 |
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
BUCK-TICK、自分は詳しくありませんが、ちょっと面白かったです!
まぁ、一世を風靡していましたよね。コアなファンがいっぱい。
最近も活動しているみたいですが、メイクしているから老けない老けない。。。
このライブはホントに貴重な記録ですね。人気絶頂期の安全地帯がいかに凄かったかよく分かるライブです。映像も音も両方リリースされてる最初のライブです。
全盛期には安全地帯もサザンも売れまくっていたし、安全地帯が三枚組を作ったのは明らかに前年にカマクラが二枚組だったからそれを超えたかったんじゃないかな?と憶測です。ありがとうございました。